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2026.01.02

岸谷蘭丸「できる環境に逃げる。勝てる畑で勝負する」【桝本壮志対談②】

かたや、売れっ子放送作家として活動する傍ら、NSC(吉本総合芸能学院)の講師として10年連続で人気No.1になった桝本壮志。こなた、彗星のように現れたZ世代の新たな論客、岸谷蘭丸。ビジネスパーソンがモヤモヤを抱きがちな言葉を取り上げ、異能のふたりが舌鋒鋭くぶった斬る。2回目

【キーワード② 会議で発言できない】

──前回の「自己肯定感が低い」というテーマに少し近いんですけれど、仕事をするうえで、自信がないから会議で自分の意見が言えない、という悩みも多いようです。この件についてはいかがでしょう。

自分の得意な畑で勝負せよ

桝本 会議で発言できないというのは、あくまで仕事上のスキルの話であるから、「自己肯定感が低い」とはセパレートで考えたほうがいいと思いますね。足が遅いから自己肯定感が低い、と言っているように聞こえるから。

岸谷 自信がないから会議で発言ができない……。割と具体的な話になるんですけれど、僕はできないものはできないというタイプで、できないならできる環境に逃げるという選択肢を常に選んできました。自分が頑張れないのは100%環境のせいだと思っているタイプだし、頑張れないことに対して自分には一切の責任がないと思っています。

俺をうまく使っていないやつが悪いのか、環境が悪いのか、いずれにせよそこから逃げたほうがいい。多分そっちのほうが生きやすいというか、幸せには近道な気がしていて、会議で発言するのが苦手なら、自分はなにが得意なのかを考えたほうが生産的じゃないかな。

桝本 なるほど、なるほど。

桝本壮志
桝本壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)および、よしもとクリエイティブアカデミー(YCA)の講師。2連覇した令和ロマンをはじめ、多くの教え子をM-1決勝に輩出している。新著『時間と自信を奪う人とは距離を置く』が絶賛発売中! 桝本壮志へのお悩み相談はコチラまで。

岸谷 ABEMA Primeの生放送の討論番組に2週間に1回ぐらい出ているのですが、あれって下手するとひろゆきさんとかにボコボコにされて、二度と上がって来られない人もいるんですよね。

桝本 修羅場の番組ですね。

岸谷 いろんなタイプの出演者がいて、きっちりリサーチをする人もいれば、ノープランで出てくる人もいます。僕の場合は準備をすればするほどパフォーマンスが下がることがわかって、数字とかを頭に入れちゃうと頭でっかちな話になってなにも面白くなくなっちゃう。数字を使って専門家っぽくきれいに語る人に対する憧れはあるんだけれど、自分には無理だと思って、思いついたことだけを口に出しています。そのかわり、現場で頭が千切れるくらい考えようと。

桝本 なるほど、それであんなに瞬発力の高いパフォーマンスになっているんですね。

岸谷 だから会議で発言できないという方へのアドバイスとしては、自分の勝てる畑で勝負したほうがいい、ということです。僕も合わない環境がめちゃくちゃあるタイプなんで。

岸谷蘭丸
岸谷蘭丸/Ranmaru Kishitani
2001年東京都生まれ。中学校進学時に見事に第一志望の早稲田実業学校中等部に合格するも、環境に馴染めず悶々とした日々を送る。高校進学時に一念発起、ニューヨークへ留学し、優秀な学業成績を修める。欧米の大学に複数合格、2022年にイタリアのボッコーニ大学へ入学した。大学に籍を置きながら海外進学や英語資格試験をサポートするMMBHを設立、将来的には都知事を目指すことを公言している。

自己肯定感という言葉を他者肯定力という言葉に置き換えてみる

桝本 僕もね、蘭丸さんみたいな生き方に憧れるんですけれど、僕は会議から抜け出せなかった人間なんです。そういう人間からすると、人の悩みって8割は人間関係だと思うんです。だから会議で発言できないのは、参加者から怒られたことがあるとか、横にいる同僚となにかあったとか、感情の綱引きになってしゃべれないことも多々あると想像します。

そこで、そういった過去を一度リセットして、自己肯定感という言葉を他者肯定力という言葉に置き換えてみるのはどうでしょう。この人は過去のことにこだわっていないし、あの人はこの話をうまくまとめてくれるはずだというように、相手の知性を信じるみたいな能力も必要かなと思います。

岸谷 会議で発言できないという悩みには2種類あると思うんです。本当に会議でバリューを出したいと思っているタイプか、喋れなくてバリューを出していないと思われる現状がイヤだっていうだけなのか。パフォーマンスを出したい人ならめっちゃ準備していくとか、事前にアジェンダを送ってもらってディープリサーチに突っ込んでChat GPTを30分回すぐらいでもだいぶ違うはずです。

でもこういう相談って、そっちじゃない気がするんですよね。仕事でパフォーマンスを出したいというよりも、パフォーマンスを出していないと思われたくない、自分がそう思われちゃうのがイヤ、というか。結果を出したいというよりも、イヤな思いをせずに暮らしていきたいというほうが近いんじゃないかな。

桝本 あぁ、なるほどね。 パフォーマンスを発揮できないことに悩んでいるのか、発揮できない人だと思われるのがイヤなのか、どちらかを見極めたほうが解決に近づきそうですね。

岸谷 で、イヤな思いをしないで生きていきたいなら、逃げて環境を変えるのがいいと思います。

※3回目に続く

TEXT=サトータケシ

PHOTOGRAPH=今 祥雄

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