PERSON

2025.11.14

大迫傑が語る、発想力とランニングの関係性

2025年10月19日に国立競技場発着で開催された、「東京レガシーハーフマラソン2025」。注目は新所属契約を発表し、話題となっていた大迫傑選手。レース直後、日本人1位と好結果を残した彼に話を聞いた。

大迫傑選手「東京レガシーハーフマラソン2025」

レガシーは程よい緊張感がある大会だった

「レガシーは市民ランナーの数が多かったです。1万5千人が参加ですからね。いつもメインの大会の6週間前にハーフマラソンを入れるんですけど、ここまで大規模な大会はなかなかない。いい感じの緊張感もあって、本番である12月7日のバレンシアマラソン(スペインで開催)に向けて、良いレースができたと思います」

昨今はハーフマラソンが注目されていて、2026年の2月から、東京のみならず、香川や岐阜、名古屋などで「ジャパンプレミアハーフシリーズ」が始まる。

「 フルマラソンだとハードルが高いけれど、ハーフだったらランの導入としてもいいですし、それこそレガシーだったら東京都心を走れるというモチベーションもあると思います」

大迫選手は、プロランナーとして様々な企画を主催するなど、アイデアマンの印象も強い。「走ることと仕事」の相関性について、大迫選手に聞いてみた。

「んー。認知症予防になります(笑)。あとはいいアイデアや言葉が浮かぶ。僕は考え事をするとき、1人で走ることが多い。専門家じゃないから正しいエビデンスは示せないけれど、脳が活性化される。どこかの企業でも登山しながらアイデアを出し合ったりしているというのも聞いたことがあります。個人的には朝走るのが好きで、フレッシュな空気のなか、前日に起きたことをおさらいしつつ、今日という日の過ごし方を練ります」

リーニン所属の真相

1時間1分45秒で日本人1位、総合6位。大迫傑選手は初めての東京レガシーハーフマラソンで、改めてその存在感を見せつけた。取材時はグレーのパーカの中に「中国李寧」と書かれた白いTシャツを着用。この日のレースは大迫選手の所属先が中国のスポーツメーカー「リーニン」に変わってからの初レースとなったこともあり、いつも以上に注目を集めていた。

「シンプルに靴の性能がいいんですよね。反発もクッショニングもある。今、リーニン履いているとナイキっぽいね、と言われることもあります。12年前にナイキを履いた時も、他社と比較されて批判されたことがあった。プロランナーになって練習拠点をアメリカに移したときも、『アメリカのトレーニングなんて絶対に上手くいかない』と言われた。でも、今はそんなことは言われないですし、アメリカでのトレーニングは最先端だと思う。新たなチャレンジには批判はつきものなんです」

大迫選手は中国ブランドとの接点が多い。中国を拠点に、研究・生産されている高性能GPSスポーツウォッチ「COROS」でシグネチャーモデルを作ったり、ブランド発祥が中国だった骨伝導イヤホンブランド「Shokz」の広告キャラクターも務めている。

「中国にこだわっているわけではないんですが、いいものが作られ始めているという感覚があります。それと、自分としては次世代の育成に力を入れたいし、自身の価値とIPを最大化していく事に協力的だという感触もあった。良いプロダクトを生み出すイノベーションのチームがいて、その価値を情熱を持って伝える人がいる。いい人がいて、いい物ができた。だから飛び込んでみようと思ったんです」

大迫選手は陸上界では異端な存在だ。でも、イメージやブランドに惑わされることなく自分自身で道を切り開いてきた。2025年12月のバレンシアマラソンが待ち遠しい。

大迫傑選手「東京レガシーハーフマラソン2025」

TEXT=ゲーテ編集部

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