18ホール回ると上手い人でも約8㎞歩き、しかもその間にスイングを繰り返すゴルフ。当然、ラウンドすると身体が疲れるわけだ。そこで、マラソン選手の大迫傑氏のトレーナーを務める五味宏生氏に、疲れた身体を回復させるトレーニングを教えてもらった。 ※アコーディア・ゴルフのゴルフメディア「SHIBAFU」の提供記事。
ゴルファーの筋肉や関節は偏った動きになりがち
日頃の練習では200球ほど打ちこみ、週末の1ラウンドでは約8㎞を歩くアマチュアゴルファーは、知らず知らずのうちに自分の身体を痛めつけている可能性がある。それに加えて、毎日の仕事による負担もあり、アマチュアゴルファーの身体には想像以上の疲労が蓄積している。
では、どうすればその疲労を解消し、身体を回復することができるのだろうか。そこで、スポーツトレーナーの五味宏生氏に、アマチュアゴルファーの疲労回復方法について聞いた。
「マッサージで筋肉をほぐしたり、温泉に浸かって心身をリフレッュするのもいいですが、僕は身体を動かすことによって疲労回復を図る方法をすすめたいと思います。それというのも、ゴルフのスイングは右から左への一方向の動作が多く(右利きの場合)、そのせいでゴルファーの筋肉や関節は偏った動きになりがちだからです。それをストレッチや筋肉トレーニングによって"正しい動き"に戻してあげると、自然と身体は回復に向かいますよ」
正しいフォームでスイングできていないゴルファーは、スイングすればするほど身体に負担がかかってくるということなのだろうか。
「そのとおり。ゴルフのスイングは、身体の屈曲・伸身の繰り返しです。理想的な動きができないと、身体の部位を違う方向や無理な角度に屈曲・伸身してしまいます。すると身体にはますます負担がかかり、その負担を軽減させようとしてもっと違う方向や無理な角度に部位を動かしてしまいます。その結果さらに負担が増大……まさに悪循環ですね」
こうした悪循環はゴルフだけでなく、普段の生活や仕事でも起こりえると五味氏は注意喚起する。悪循環を断つためにも、身体が正しい動きをできるようになるトレーニグが必要なのです。次の記事で具体的なリカバリートレーニングを伝授する。
五味宏生/Koki Gomi
1983年埼玉県生まれ。日本陸上競技連盟医事委員会トレーナー部委員。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。早稲田大学スポーツ医科学学術院(スポーツ科学修士)在籍中に、はり師・きゅう師・あん摩、マッサージ指圧師の国家資格を取得。日本陸上競技連盟医事委員会トレーナー部委員を務め、主に陸上競技のトレーナーとして選手のケア、リハビリ、トレーニングなど幅広い分野で活動を展開する。また、大迫 傑、小池祐貴、戸田雅稀といった日本トップレベルの陸上競技選手のトレーナーも務め、現在はフリーランスとして活躍。