PERSON

2025.07.02

尾上右近の愛用時計「パテック フィリップ『ノーチラス』は、カッコいい大人の証」

高級時計とは単に時を刻む道具ではない。持ち主の人生哲学や美意識を映しだし、それを次世代へと受け継ぐことができるからこそ、時代が移ろうなかでも変わらない価値を放ち続けるのだ。今回は、歌舞伎役者の尾上右近氏に話を聞いた。【特集 100年後も受け継ぎたい高級腕時計】

尾上右近氏
尾上右近/Ukon Onoe
歌舞伎役者。1992年東京都生まれ。7歳の時、歌舞伎座『舞鶴雪月花』で歌舞伎の初舞台を踏み、2005年に二代目尾上右近、2018年には浄瑠璃の一派「清元節」の清元栄寿太夫を襲名。また俳優としても活躍し、2022年には『燃えよ剣』で第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。

本質を象徴する名作を未来に残したい

今や名実ともに歌舞伎の次世代を担う花形役者。その一方で、映画『燃えよ剣』で第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど、映像の世界でも輝きを放つ尾上右近氏。最新のファッションに身を包み、しなやかな感性に裏打ちされたライフスタイルでも注目を集める尾上氏が普段から愛用しているというのが、自身の美意識を映しだすような1本、パテック フィリップの「ノーチラス 5711/1A」だ。

「10代でこの時計を知って以来、30代になったら絶対に欲しいと憧れていました。身につけることで“頑張ろう”と鼓舞される存在。でも当然ながら、そう簡単に手に入れられるモノではありません。なかなかご縁がなく一旦は諦めかけたころ、知人の紹介で出会った方を通じて手に入れることができたのが2年前のこと。以来、洋服にも着物にも合わせながら仕事、プライベートを問わずつけています」

自身初めてのラグジュアリーウォッチは「ノーチラス」と一途に心に決めていた。それには明確な理由がある。

「これまでに出会った『素敵だな』『面白いな』と感じる大人の男性たちが、揃って『ノーチラス』を身につけていたんです。ゆえに、僕にとってこの時計はカッコいい大人の証のようなもの。そんな存在を自分の身の丈に置き換えた時に、自然と背筋が伸びる気がして。敢えて背伸びすることで自分を引き上げていける、そんな気がしたんです」

尾上右近氏のノーチラス
1976年の誕生以来、ラグジュアリースポーツウォッチの王道を突き進む名品「ノーチラス 5711/1A」。「毎日身につけています。人生をともにして一緒に時を刻んでいきたい、そう思わせてくれる時計です」

幼少期より歌舞伎の世界に身を投じ、七代目尾上菊五郎を師と仰ぎながら芸に励んできた。2025年4月には、名優と謳われた曽祖父・六代目尾上菊五郎も演じた名作『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』に挑み、大きな反響を呼んだ。さらに自主公演『研の會』も2025年の7月で9回目を数え、その存在感と深みはより確かな立ち位置を築き上げてきている。

「伝統芸能の世界に身を置く身として最近つくづく感じるのは、自分のなかで磨き続けていくべきは“本質”しかないということ。本質にこだわり続けることこそが、表現者として最も大切なことだと思っています。『ノーチラス』は、僕にとってその“本質”の象徴でもあります。

本質の権化でもある演目『春興鏡獅子』に宿るカッコよさと柔らかさ、緊張と緩和、迫力と色気、そして剛と柔が同居する絶妙なバランス。その佇まいと『ノーチラス』が持つ静かな強さが重なるんです。たやすく手が出せないところも含めて、まさに究極のバランスを持った名作。自分の思いとともに子や孫に受け継ぐ時計としても、これ以上の1本はないでしょうね」

類まれなる技術を脈々と継承しながら、時代の呼吸に耳を澄ませ、新しさも取り入れつつ進化を続ける。その在り方において、歌舞伎と高級腕時計はどこか響き合うものがある。伝統と革新が美しく交錯する「ノーチラス 5711/1A」という逸品に、今という瞬間を生きる尾上右近の姿が、鮮やかに重なって見える。

尾上右近氏の鏡台
尾上氏が100年後に受け継いでいきたいもうひとつの逸品が、寄木細工が見事な鏡台。「曽祖父ゆかりのご贔屓筋の方々が贈ってくださったもので、ここには曽祖父が愛用していた手巻きの置き時計を置いています」
中村種之助氏と
2025年の7月11、12日に大阪・国立文楽劇場、15、16日に東京・浅草公会堂にて、自主公演の第九回『研の會』を開催予定。中村種之助(左)との共演では、40年ぶりに上演する演目も話題となっている。

【特集 100年後も受け継ぎたい高級腕時計】

この記事はGOETHE 2025年8月号「特集:100年後も受け継ぎたいLUXURY WATCH」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

TEXT=畠山里子

PHOTOGRAPH=高橋敬大

HAIR&MAKE-UP=Storm

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