アスリート、文化人、経営者など各界のトップランナーによる、人生の特別講義を提供するイベント「Climbers(クライマーズ)」。その第8弾が、2025年5月8日、9日の2日間にわたって開催され、ビジネスパーソンを大いに熱狂させた。今回、アーティストのGACKTさんによる特別講義を一部抜粋して掲載。すべての講義を聴くことができるアーカイブ配信はこちら。※2025年5月12日〜5月30日18時までの無料限定公開。申し込みは画面内下の「無料視聴登録はこちら」より。

ストイックでも、器用でもない
ボクは自分のことをストイックだとは思っていないんですよ。不器用で、何かを習得しようとするとものすごく時間がかかる。人が3時間でできることが、ボクは6時間かかる。そこで初めて人に並べるわけです。じゃあ、その後にもう3時間、合計9時間やったらどうなるか。人よりも先に行けるかもしれない。そういうふうに生きていたら、周りが勝手に「ストイックですね」と言い出したんです。
クリアしなければいけない課題というものは、年齢とともにハードルがどんどん上がっていく。クリアするのは簡単じゃないが、だからこそ真剣に取り組まなければならない。そして、もがきながら、真剣にやればやるほど、人が集まってくる。目標をクリアするために力を貸そうと思って、その道のプロとか、ボクよりも上手い人が現れるんです。中途半端にやっていたら、現れない。だから何事も真剣に、情熱をもって挑む。それが最も重要なことです。
同時に、好き嫌いで物事を判断しないことが大事。「好きなことを仕事にできたら幸せだ」という人がいるじゃないですか。でも、それは違う。好きなことを仕事にして、もしそれが嫌いになったらやめるのかと聞きたい。物事や人に対しての感情は、一定ではない。相手のことが好きな瞬間もあれば、嫌いな瞬間もある。でも、「この人と絶対にいる」と決めるから、長く一緒にいられるわけじゃないですか。仕事も同じ。「最後までやり通す」と決めるから、続けられる。それが覚悟ということです。
まずは行動あるのみ
とはいえ、難しく考え過ぎる必要はありません。ボクが大切にしているのは「シンプルに、まずは行動しよう」という想い。ボクには19歳の時に出会った恩師といえる人がいますが、その人からこんな成功哲学を教わりました。
4人の人がいる。すごく賢い人、普通に賢い人、ちょっとバカな人、そして大バカな人。この中ですぐに行動に移せるのはどの人か。ちょっとバカな人は、すぐに「できない」というイメージを抱いてしまう。普通に賢い人はリスクを考えてしまい、行動に移せない。すごく賢い人は「どうやって進めればいいか」というプランを組み立て始める。結果、大バカな人がすぐに行動を開始できるんです。
ボクは賢い人間ではなかったから、何事もまずはやってみようと。その物事がいいか悪いかの判断は、やっていく中でわかってくると思っています。
何かをやり始めたら、命懸けで取り組むだけ。もちろん、すぐに結果は出ないし、うまくいかないことのほうが多い。うまくいかない時なんて、誰にでもあるんですよ。それなのに、何か理由をつけて、足を止めたがっているんじゃないのかなって見える人が多い。ボクは始めたことに対して、「やめる」という選択肢を残していない。ただ、シンプルに続けていくだけです。
周囲から「それ難しいから、やめたら」と言われることもある。でも、難しいからワクワクするし、やりがいがある。そして、「オマエのモノサシでボクを測るな」と心の中でつぶやく。「いや、これ難しいな。だからおもしろいんだよ」と、声に出すこともある。そういうふうにして、どんなことにも、ただ愚直に取り組んでいるだけです。
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2025年5月12日〜5月30日18時までの無料限定公開。申し込みは画面内下の「無料視聴登録はこちら」より。
GACKT
バンド活動を経て1999年にソロ活動を開始。シングル48枚、アルバム19枚をリリースし、男性ソロアーティストのシングルTOP10獲得数で歴代1位を保持する。音楽のみならず、ハリウッド映画や日本映画、TVドラマ、アニメ・ゲームの声優としても活躍。日本刀やテコンドー、空手などのアクションを得意とし、ドライブ、スノーボード、ポーカーなど多趣味な一面も持つ。「人の背中を押す」ことを使命とし、卒業式サプライズライブや慈善活動にも尽力。主演映画『翔んで埼玉』(2019)は累計290万人を動員し、第43回日本アカデミー賞で最多12部門受賞。正月恒例の『芸能人格付けチェック』では81連勝を記録し、影響力のある存在として知られる。2021年9月に活動休止を発表し、2022年5月に再始動。2024年にはツアーを開催し、バラード&ミディアム曲を披露。10代〜60代の認知度は97%と圧倒的な人気を誇り、SNS総フォロワー数は日々増加中。