極上の非日常なひとときを求めて国内のみならず、海外まで足を運び、ラグジュアリーホテルに滞在することが好きだと語るYUさん。連載第10回は、YUさんがここ1〜2年で訪れたホテルの中で、とっておきのホテルを厳選して教えてもらった。連載「大川放送局」とは
国内・海外問わず、多い時は1年に10箇所ほど訪れて、その土地の一流ホテルに宿泊することが好きだと語るYUさん。YUさんにとってホテルとは、建築、インテリア、食、文化、歴史、サービスなどを複合的に体験でき、さらには自身の価値観をアップデートしてくれる場所だという。
「僕がホテルを選ぶ基準は決まってラグジュアリーかつ、5つ星ホテルであること。ホテルで受けられる上質なサービスやホスピタリティが人として勉強になり、音楽活動にも活かせるため一流のホテルにこだわるんです」
そう語るYUさんがここ1〜2年の間に訪れたホテルの中で、再訪したいと熱望するほど衝撃を受けたホテルや、毎年訪れるというニューヨークでお気に入りのホテルなどを教えてもらった。
1.Aman jena/アマンジェナ
モロッコで衝撃を受けた、まるで宮殿のようなリゾートホテル
「色々なホテルを訪れたなかでも一番強く印象に残っているのが、モロッコの『Aman jena(アマンジェナ)』。ここはまるで別世界に来たかのような、宮殿を思わせるリゾートで、一歩足を踏み入れた瞬間から完全に虜になってしまった。
客室はそれぞれが独立していて高い塀で仕切られているので、他のゲストに遭遇することはほとんどなく、思うままにプライベートな滞在が叶うところが嬉しい。プールやスパのほか、テニスコートやゴルフ場も併設されていて、ホテルの中だけでも十分満喫できるんですが、アマンリゾートを訪れる度に僕が密かに楽しみにしているのは、実は各アマンオリジナルのアクティビティなんです。
世界各地のアマンリゾートでは、その土地でしか体験できないアクティビティプログラムが用意されていて、例えばアマンジェナでは僕はラクダに乗るというプログラムに実際に参加。話題になったドラマのごとく、ラクダに乗って砂漠を横断した時に見た光景は思わず息を飲むほど美しかった。
アマンジェナは世界中のセレブを魅了するホテルと言われていて、聞いたところによると、アマンのオーナーが、数あるアマンリゾートのなかでもアマンジェナがお気に入りすぎて、なんと年間3分の1ほど貸し切っているのだとか。僕自身もこのホテルに泊まるためだけにまたモロッコを訪れたい、そう思えるほど魅了された思い入れのあるホテルなんです」
2.Equinox Hotel New York /エクイノックスホテル
全米からマッチョが集まる!? 高級ジムが手がけたラグジュアリーホテル
「NYを中心に100店舗以上を展開する高級フィットネスジム「EQUINOX(エクイノックス)」がつくったホテルということで、数年前にNYに誕生して話題になっていて、気になって行ってみたのが『Equinox HotelNew York (エクイノックスホテル ニューヨーク)』。ここはウェルネスに特化したホテルと謳いながらも、高級ジムが手がけただけに、健康意識の高い人だけではなく富裕層からも注目されているラグジュアリーなホテル。過去にはメーガン妃とヘンリー王子がNYを訪れた際に、ここのホテルに宿泊したとも言われている。
実際に宿泊してみて驚いたのは、客室に入るとウェルカムスイーツならぬ、ウェルカムプロテインバーが用意されていること。ほかにもウェルネスを意識しているホテルだけに、プロテインやビタミン剤、ヨガマットやマッサージローラーが客室に完備されているんです。
さらにホテル内の巨大なジムには、バラエティに富んだ最新鋭のマシンが揃うため、全米から筋トレ好きのマッチョが集まるらしく、実際にジムを覗いてみたら桁違いのマッチョ達に囲まれてすごく怖かった・・・・・・。だから、物怖じして肝心のトレーニングはできなかったんですが(笑)、我こそは筋肉に自信があるという人は、世界のマッチョのレベルの高さを目の当たりにしに行ってみてほしい」
3. Baccarat Hotel & Residences/バカラ ホテル&レジデンス ニューヨーク
バカラの世界観が体験できる、グラマラスなホテル
「MoMA美術館の目の前にあって一度は泊まってみたいと思っていた、あのクリスタルメゾン『バカラ』のホテル『Baccarat Hotel & Residence(バカラ ホテル&レジデンス ニューヨーク)』。バカラが250年の歴史のなかで初めて建てたと言われるホテルで、才能あふれる建築家が数多く所属する米国の建築事務所『スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル』が設計を手掛けたんだとか。
ホテルの中にはバカラクリスタルを贅沢に使用した大きなシャンデリアがいくつもあって、もちろん客室に備えられているグラスもすべてバカラ。なんと、ホテル内には1万5000個以上のバカラクリスタルが使用されているらしい。世界的に活躍する著名なインテリアデザイナーたちが手がけた内装は、バカラの世界観が随所に散りばめられていて思わずため息が出るほど美しかった・・・・・・。さらにホテル内にはさまざまなアート作品がギャラリーさながらに展示されていて、インテリアやアート好きにとってはこれ以上ないほど豪華でたまらない空間。
そんななかでも特に行ってみてほしいのが、スタイリッシュでゴージャスなバー。着飾った人々で溢れているこの場所は、まるで映画の中に出てくるような豪華な空間で、ここを知っているだけで男を格上げしてくれる…ような気がします(笑)ドレスアップして、大切な人と特別な夜を過ごすのにぴったりの場所です」
4. The NoMad Hotel /ノマド・ホテル
特徴的なラウンジが魅力の、本当は秘密にしておきたいホテル
「僕はほとんど毎年NYを訪れていて色々なホテルに宿泊しているのですが、なかでも何度か利用していて、あまり人には教えたくないほど気に入っているのが『The NoMad Hotel(ノマド・ホテル)』。マディソンパークの北側、デザイナーの趣向を凝らしたブティックホテルや素敵なレストランが多く立ち並ぶエリアにあって、このエリアで最も素敵なホテルを挙げるとしたら、真っ先に名前が挙がるような、モダンで落ち着いた雰囲気のホテルです。
僕は内装フェチなんですが、ここのホテルの内装はパリのアパルトマンをモチーフにしていて、NYというよりヨーロッパを彷彿とさせるようなつくりがとても印象的。最上階のスイートルームはなんと約100帖分の広さを誇るとか。
特徴的だったのはレストランの横にあるライブラリーデザインのラウンジ。ここはホテルに宿泊しているゲストのみが利用可能な、洗練されたラグジュアリーな空間。さらにラウンジを超えて細い通路を辿っていくと奥に隠れ家のようなバーがあって、この導線がとにかくおしゃれでかっこいい。バーはかなり賑やかなので、静かに過ごしたい時はラウンジでワイン片手にゆっくり読書をしたりして過ごすのがお薦めです」
5. The Ludlow Hotel/ザ・ルドロー・ホテル
女性にお薦めしたい、SNS映えするブティックホテル
「NYを代表するホテリエ、ショーン・マクファーソンが手がけた『The Ludlow Hotel(ザ・ルドロー・ホテル)』。高級ブティックやレストランが多く立ち並ぶソーホーエリアへ徒歩圏内と、ショッピングや食事に行くのにも便利な場所にあります。
僕はNYなどの都会での滞在は街を楽しみたいので、部屋にいる時間が少ないホテルには食事などではなく、部屋の快適さや過ごしやすさを特に求めるんです。このホテルはブティックホテルには珍しくバスタブがあったり、シャワーの配管や蛇口も含めて白とゴールドで統一されていたりと、水回りがとにかく清潔で綺麗。客室はセンスの良いヴィンテージのインテリアで統一されていておしゃれかつ、どこを切り取っても絵になるので、女性受けも抜群なこと間違いなしのホテルです」
6. ザ・ホテル青龍 京都清水
小学校をリノベーションして生まれ変わった、上質なヘリテージホテル
「アマン京都やザ・リッツ・カールトン京都、フォーシーズンズホテル京都、HOTEL THE MITSUI KYOTOなど、京都にはお気に入りのホテルがたくさんあるんですが、なかでも行って良かったのが『ザ・ホテル青龍 京都清水』。ここは150年の歴史ある小学校の校舎をリノベーションして生まれ変わったホテルで、清水寺や五重の塔のほど近くにあって観光には抜群の立地にあります。
このホテルで特に僕が気に入っているのが、ホテルの最上階にあるバー。ゆったりとソファでくつろぐことができる室内のメインバーと、ルーフトップバーの2つのエリアがあって、ルーフトップバーでは京都の伝説的バーテンダー 西田稔さんがつくる、最高の一杯を味わえます。京都には景観条例があって建物の高さ制限があるというのを聞いたことがあったので、あまりルーフトップバーがある印象はなかったのですが、高い建物が少ない東山ではホテルの最上階から一望できる360度パノラマビューの京都の景色は圧巻です。
僕はホテルの朝食は食べたい派なのですが、ここはアメリカン・ブレックファストか、和朝食のどちらか選べる絶品朝食を食べられるので、一日の始まりを最高の朝食とともに始められます。ゲストラウンジのサービスも充実していて、自分の好みに合う茶碗を選んで抹茶を点てたり、好きな豆を挽いてコーヒーを淹れられるところも嬉しい。ホテル内は静かな時間が流れていてリラックスできるので、数日間滞在して日々の疲れを癒やすのにも最適です」
■連載「大川放送局」とは
80'sサウンドをルーツに持ちながら、邦楽と洋楽の垣根を超えていく4人組ロックバンドI Don't Like Mondays.のボーカルYUの連載「大川放送局」。ステージ上では大人の色気を漂わせ、音楽で人の心を掴んでいく姿を見せる一方で、ひとたびステージを降りた彼の頭の中はまるで壮大な宇宙のようだ。そんな彼の脳内を巡るあれこれを、ラジオのようにゆるりとお届け。