サハラ砂漠の西方に位置する街「マラケシュ」を訪れたYUさん。「感心してしまうほど、混ぜこぜな国」だと語るモロッコで旅をして感じたこととは?連載「大川放送局」とは...
第2回 「日の沈む国」
皆さんはモロッコという国に行ったことはありますか? 僕はあります。
何故ならつい最近、旅行にいったからです。(案外普通な理由。)
ということで、今回の大川放送局は「モロッコ編」をお送りします。
そもそも、モロッコって何処ですか?という方のために、一応簡単に説明しますと、おおよそ日本の反対側ぐらいにある。(正確に反対側というわけではないけれど。)
日本が「日の昇る国」というのに対して、「日の沈む国」といわれている国であります。
そう言われると確かに反対側ですね。
ただ、「沈む国」なんて言われるとなんだか暗い雰囲気のする国なのかと思われるかもしれませんが、ちっともそんなことはなく、とても活気に溢れた明るい国です。
大陸としてはアフリカ。言語はアラビア語、かつてフランスの植民地だった事もあって第二言語はフランス語。地理的にすぐ上はスペインで、国教はイスラム教。
とまあ、よくぞここまで混ぜこぜにできたなあと感心してしまうほど、混ぜこぜな国なのです。
あまりに何もかも日本とはかけ離れているので、日本人の僕にとっては色々と衝撃的というか、刺激で溢れているというのは、ある意味当たり前なのかもしれない。
そんなモロッコで訪れた街には何処もそれぞれの色というのがあった。
ただし、この場合の「それぞれの色」というのは比喩的表現では無く、本当に街ごとに色が違うのだ。
建物の色もタクシーの色も街ごとに違う。
それもまた、モロッコという国の魅力の一つなのかもしれない。
そのなかでも、「マラケシュ」という街は赤かった。(まあ正確にはピンクなんだけども。)
マラケシュというと、人気ブランドのパフュームを思い浮かべる人も昭和のヒットソングを思い浮かべる人もいるかもしれない。多分、名前の響きからして、人々の想像力をエキゾチックな方向に駆り立ててしまう何かを秘めているのだろう。
かの歴史的な天才ファションデザイナー、イヴ・サンローランもこの街にぞっこんだったそうだ。
当時、イヴ・サンローランは白黒シルバーしか使わないシックなブランドだった。
そんななか、たまたま訪れたマラケシュ(たまたまかどうかは知りませんが)に「ここヤバくない?」と脳天をうたれ家まで購入し、挙げ句の果てには、「次のコレクションから私のブランドをカラフルにします」と宣言し、本当にそうなった。
そのぐらい、強烈な街なのだ。
とまあ、旅の本題に入る前の導入部分だけで、今回の話は終わってしまうのだけれども。
考え方やモノの見方、価値観というものを大きく変えてしまう場所というのは、確かに存在するようです。(イヴ・サンローランのそれのように。)
なんだかなーと、浮かない日が続いているようであれば、是非一度、モロッコへと足を運んでみるというのはどうだろうか。もしかしたら、まだ自分自身も知らない自分に出会えるかもしれない。
まあ、結構遠いんだけれども。
つづく。
■大川放送局
80'sサウンドをルーツに持ちながら、邦楽と洋楽の垣根を超えていく4人組ロックバンドI Don't Like Mondays.のボーカルYUの連載「大川放送局」。ステージ上では大人の色気を漂わせ、音楽で人の心を掴んでいく姿を見せる一方で、ひとたびステージを降りた彼の頭の中はまるで壮大な宇宙のようだ。そんな彼の脳内を巡るあれこれを、ラジオのようにゆるりとお届け。