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2024.05.09

「3人制バスケは日本が世界で戦える競技」パリ五輪出場へ挑む、異色の日本代表・落合知也

3x3(3人制バスケットボール)男子日本代表の落合知也(36歳)が、2大会連続の五輪出場を目指して奮闘している。2024年5月3日~5日に開催された五輪予選は2勝1敗と勝ち越しながら、1次リーグ敗退。パリ五輪出場権獲得の最後のチャンスとなる、5月16日開幕の世界最終予選・ハンガリー戦にすべてをぶつける。連載「アスリート・サバイブル」

惜しくも五輪出場権を逃し、崖っぷちに

2024年5月3日~5日、栃木県宇都宮市で行われた3x3(3人制バスケットボール)のパリ五輪予選。男子日本代表(世界ランキング15位)は1次リーグ初戦でモンゴル(同7位)に21-12で快勝。第2戦はエジプト(同21位)に21-20で競り勝った。

しかし、第3戦のフランス(同6位)戦は勝てば文句なし、負けても13得点以上すれば決勝トーナメントに進出できる優位な状況だったが、10-21で完敗。

その結果2勝1敗でフランス、モンゴルと並び、総得点で順位を決める規定により、組3位となり敗退。最上位チームに与えられるパリ五輪出場権を逃した。

落合知也は「最後に不甲斐ない試合をしてしまった。ホームの大声援の前で申し訳ない。日本はまだまだ強くないチーム。1試合ずつエナジーを出して戦わないといけない」と唇をかんだ。

3x3の登録メンバーは4人。3人でプレーし、自由に交代できる。コートは5人制のほぼ半分のサイズ、得点はアーク(2ポイントライン)内からが1点、アーク外からが2点。試合時間は10分で、21点先取で勝利するノックアウト方式を採用する。

10年以上も日本代表でプレーする落合は、チームの精神的支柱。得点源のケネディ・トーマス(36歳)を心地よく攻撃させることに重点を置き、ゴール下で体を張る泥くさいプレーで貢献する。

チーム最年少の22歳の三谷桂司朗には思い切ってプレーするように声を掛け、殻に閉じこもる癖のある保岡龍斗(29歳)のことも常に気をかけている。

「代表に選ばれて10年になる自分がコーチ陣から求められているのはリーダーシップ。TK(トーマス・ケネディ)に気持ちよくシュートを打ってもらうためにセットプレーをコールしたり、三谷がアグレッシブにプレーするように積極的に声をかけたり、そういうことは意識しています」

3x3の第一人者としての覚悟

落合は9歳からバスケを始め、小・中・高と全国大会に出場。法政大学時代には世代別の日本代表候補にも選出された。

大学卒業時にはプロや実業団からもオファーを受けたが、敷かれたレールの上を歩むことに違和感を覚えて競技生活から離れ、モデルの道へと進む。

モデル業や飲食店でのアルバイトをこなしながら、趣味で3人制を始めた。そこで再びバスケへの情熱を取り戻し、2013年にはBリーグのプロバスケチーム・大塚商会アルファーズに入団し、5人制と3x3の2種目を両立。2014年には初めて、3x3の日本代表に選出された。

2018年にはアジア大会で銅メダルを獲得。2021年の東京五輪は富永啓生(23歳)、保岡らとともに8強入りを果たした。

目標は2大会連続の五輪出場と、五輪本番でのメダル獲得。そのためには、2024年5月16日にハンガリーで開幕する世界最終予選を勝ち抜く必要がある。

16チーム中、パリへの切符を獲得できるのは上位3チーム。宇都宮の五輪予選から準備期間は10日しかない。厳しい戦いが予想されるが、落合は前を向く。

「(宇都宮の)フランス戦は完敗だったが、いつまでもクヨクヨしていても仕方ない。自分が一番に切り替えて、もう1回チームを引き締めて直してハンガリーに行きたい。ハンガリーでは絶対に負けないように全員でチャレンジしたい」

誰もが認める3x3の第一人者。2023年夏のW杯で日本を熱狂させた5人制に続いて、競技をメジャーにしたいとの思いもひと際強い。

「パリ五輪出場を決めることができたら、メダルを獲れる可能性は間違いなくある。3x3は日本が世界で戦える競技。パリで世界を驚かせたい」

自身の競技人生を懸けて、ハンガリーに乗り込む。

落合知也/Tomoya Ochiai
1987年6月18日東京都生まれ。法政大学卒業。モデル業をこなしながら始めた3x3(3人制バスケットボール)で、2014年から日本代表入り。2021年の東京五輪では8強入りを果たした。身長1m95cm。

■連載「アスリート・サバイブル」とは……
時代を自らサバイブするアスリートたちは、先の見えない日々のなかでどんな思考を抱き、行動しているのだろうか。本連載「アスリート・サバイブル」では、スポーツ界に暮らす人物の挑戦や舞台裏の姿を追う。

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連載「アスリート・サバイブル」

時代を自らサバイブするアスリートたちは、先の見えない日々のなかでどんな思考を抱き、行動しているのだろうか。本連載「アスリート・サバイブル」では、スポーツ界に暮らす人物の挑戦や舞台裏の姿を追う。

TEXT=木本新也

PHOTOGRAPH=松尾/アフロスポーツ

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