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2023.09.02

離婚2回・バリキャリ河村真木子「 “ちょっと生意気でも稼ぐ妻”が日本経済には必要」

国内外でメンバー1万人超えの人気オンラインサロンを主宰する“バリキャリ金融女子”こと河村真木子さん。短期連載2回目は、家庭におけるジェンダー問題について語る。

子育論を語るバリキャリ金融女子・河村真木子さん

ファミリーBBQに現れる、アメリカ人と日本人夫の違い

少子化で労働力不足が危惧される日本が輝きを取り戻すには、女性のさらなる社会進出が不可欠。それを阻むのが、女性をサブキャラに添えてきた家父長制的なマインドだ。それは「組織内だけでなく家庭においても同様」と語るのは、外資系金融機関でキャリアを積み、現在は、会員が国内外に1万人以上所属するオンラインサロンを主宰する河村真木子さん。

「先日、ニューヨークで私のオンラインサロンの北米同好会の方々と食事をした際、興味深い話を聞きました。複数のファミリーでバーベキューをすると、アメリカ人の男性たちは積極的にグリル台の前に立つのに、日本人の男性陣はひとつのテーブルに固まって、ひたすら飲んでいるそうです。それも、何をしたらいいかわからなくて所在なさげに……だとか」

このエピソードから推測されるのは、日本男性の中には「料理は女性がするもの」という意識が、まだまだ根強く残っているということ。

「子供の頃から、料理をはじめ家事をさせられてこなかったのでしょうね。だから何をしていいかわからず途方に暮れ、結果、同胞で固まって飲みに走るという(苦笑)。男尊女卑が長く続いた日本の歴史を考えると、そうなるだろうなぁという感じもしますが。

実は私、2度離婚しているんですが、いずれもサブキャラになることを求められている気がして、それは私らしくないなと思って別れたんです」

河村真木子さんオンラインサロンメンバー
河村さん(中央)と、オンラインサロンメンバー。

夫の夜遊びは当たり前、妻に許されるのはランチのみ

家父長的な家制度が定められたのは、1898年制定の明治民法で。そこでは妻は無能力者と位置づけられ、夫の許可がなければ働きに出ることが許されなかったとか。当時妻に求められた役割は、子供を産み、育て、“夫の家”を存続させることだったのだ。第二次大戦後に改正された憲法で夫婦同権が定められたものの、80年たっても「家事は女性の役目」という意識は、完全に払しょくされたとは言い難い。実家に親類縁者が集まると、女性陣はキッチンで立ち働き、男性陣は酒盛り……という図は、今でも珍しくはないだろう。

前回、会社は男性目線の縦社会というお話をさせていただきましたが、そこで重視される社内コミュニケーションで女性が不利になるのも、『家事育児は女性の役目』という意識が根強いため。夫が仕事帰りに飲みに行くのは普通なのに、妻がそれをしようとすると一大事。朝のうちに夕食のしたくを整えたり、夫に『ごめんね』を連発して許してもらったり。それって、同権ではまったくないですよね。アメリカでは、ガールズナイトアウトといって、妻が女友達と夜出かけて楽しむ習慣があるけれど、日本だと、妻が気軽に行けるのはランチのみ。女性を自由にするマインドを持つことが、日本社会全体にとって必要なことだと思います」

河村真木子
河村真木子/Makiko Kawamura
1976年奈良県生まれ。父の転勤に伴い、10歳~15歳をシンガポールで過ごし、'92年に帰国。大阪府の公立高校に入学したものの、'94年、単身でアメリカに渡り、ロサンゼルスのLe Lycee Francaise de Los Angels高校に編入。'96年同校卒業後、関西学院大学に入学するも自主退学し、再び渡米。コミュニティカレッジを経てUCバークレーに編入し、2000年に卒業。外資金融機関などでキャリアを積んだ後、'21年、オンライン事業Holland Village Private Salonを設立。美容商材、炭酸パックブランド「Carrie」開発販売も展開している。著書に『超フレキシブル人生論 ”当たり前“を手放せば人生はもっと豊かになる』

妻にも必要なマインドリセット

その一方で、河村さんは「女性ももっと自分と向き合った方がいい」とも口にする。

「アメリカに留学した際、『あなたってどういう人?』『あなたはどう思う?』『あなたは何がしたい?』と、常に自分と対峙することを求められました。向こうでは、インディビジュアル、個人をものすごく大切にするから。だけど日本だと、学校でも、会社でも、“集団の中の自分”が重視されます。周囲からはみ出ることなく、みんなと協調し、うまくやっていくことが大切なんだと。それでは、自分が本当はどんな人間で、どう生きていきたいのか、考えることすらしなくなってしまいますよね。……私は自分を突き詰め過ぎて、こんなキャラになってしまいましたが(笑)」

働かないのは、自分が選んでそうしているからなのか。それとも、夫や親、世間など、自分以外の誰かからの要求に応えているだけなのか。もし後者で、実はもっと働きたいと思っているのなら、その気持ちに正直になり、一歩踏み出す勇気を持つことが女性にも必要だろう。そして男性は、そんな女性を受け入れる気持ちと環境を整えてほしい。

そうすることで、ジェンダーギャップは少しずつ埋まるのではないだろうか。

「夫が育児や家事にもっと参加するなり、お手伝いさんなど外部サポートを利用するなりすれば、妻がそれまでと変わらずバリバリ働けるかもしれません。そうすれば収入が増えて家族の経済状況も上向きますし、日本経済の発展にもつながります。

そうそう、中国やキューバといった国では、夫婦共働きが当たり前なので、家庭でも夫婦同権みたいですよ。社会主義国家なので、男女関係なくすべての人が労働力とみなされているからなのかな。シンガポールや香港もそうですね。赤ちゃんをシッターさんに預け、旅行に出てしまうバリキャリもたくさんいます。働いてお金を得ることは、権利や自由を得ることにつながるんだなと、つくづく思います。女性が経済力をつけると、今より少し生意気になって、一歩下がってくれなくなるかもしれませんが……、それで日本が輝きを取り戻せるなら、その方がずっと良くないですか?」

ジリ貧日本から脱却するために、今、自分たちができること。それは案外、たやすいことなのかもしれない。

TEXT=村上早苗

PHOTOGRAPH=Yoshihito Koba

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