毎度お騒がせしております。キングコング西野です。(こちらは、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』に投稿した記事を加筆修正したものです)
今日は『資金調達の打ち手を開発し続ける』というテーマでお話ししたいと思います。
自分への確認も含めて。
【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】
第65回 「作品を作り続ける」&「『予算の作り方』を作り続ける」
作品を作るにあたって、日本で重視されるのは「共感」。しかし、世界では「創造」だ!
ニューヨークでは、ほぼ毎晩誰かと会っています。
次回作の制作に集中したいのもあるし、呑み会が続くのは、あまり得意ではないのですが、人に会う(出逢いにコストを支払う)のも僕らの仕事の一つ。
ミュージカル『えんとつ町のプペル』の演出を務めてくれているウィルもまた、そうやって出会った才能の一人です。
せっかく「会いたい」「会わせたい人がいる」と言ってもらえるありがたい環境にいるのだから、そこはキチンと活かします。
昨晩は(ハシゴ酒になりました)、
一軒目はミュージカル『えんとつ町のプペル』のパーカッション振付でもめちゃクソお世話になってるYakoさんと、
二軒目は画家のチャズ・ゲスト(Chaz Guest)さんと御一緒させていただきました。
Yakoさんはニューヨークの『ストンプ』でも長年活躍されている凄腕。
チャズ・ゲストさんは、日本文化をこよなく愛する画家で、オバマ元大統領やアンジェリーナ・ジョリーも彼のファン(ホルダーで)。
ホワイトハウスにも彼の絵が飾ってあったりします。
#なんか凄いじゃん
ニューヨークでバキバキ頑張っているパーカッショニストと、世界中にファンを持つ画家と、日本の酔っ払い(カジサックのバーター)の共通言語は、やはり『作品』で、チャズさんとの御縁も『えんとつ町のプペル』が繋いでくれました。
「どうやって作っているんだ?」
「どんなメッセージがあるんだ?」
「この先、CHIMNEY TOWNはどうなっていくんだ?」
という質問攻めが夜遅くまで(笑)。
もちろん、彼らの作品の話も。
一つの作品を生み出すのに数年かかってしまうなんてザラで、日本にずっといると、制作活動のコスパの悪さや、作り手の「対価は『やりがい』です」という慰め文句が悪目立ちして、僕たち日本人は「作品の飛距離」をついつい低く見積もってしまいます。
なので、日本の多くの才能がコスパの良い(売り上げがすぐに出る)「共感の獲得」に向かってしまっていますが(「切れ味の鋭いコメント」が共感の対象になったりしていますが)、
生まれも育ちも宗教も道徳感も貧困度合いもまるで違う多民族国家の「共感」は、日本のそれとは明らかに違っていて、「歌」や「ダンス」、さらには「普遍的なメッセージ」「社会問題」「環境問題」などを上手に描いた作品が「共感」の対象になります。
日本では「創造」と呼ばれる類のものです。
海外に来ると「作品」が多民族を一つにする場面に何度も出会い、その度、「作るのは大変だけど、作らなきゃ(グローバルでは)何も始まらない」と思い知らされます。
今回のニューヨークでも、改めて「共感ではなく、創造だ」と覚悟しました。
予算の作り方に「学び」があった
そんな中、作り手はいつも「お金」の不安を抱えています。
作品のサイズ(お客さんからの期待)が上がれば、それに合わせて制作費も上がるので、クリエイターの卵であろうが、超売れっ子の有名監督であろうが、「どうやって予算を確保しようかしら…」「今回は流石にヤバイ…」と、いつも頭を抱えています。
僕は、この問題と、かなり早い段階から真面目に向き合ってきました。
今では考えられないですが、当時はタレントが「オンラインショップ」を開設することすら御法度で、「BASE? 何それ? 美味しいの?」という時代がありました。
その頃から、
オンラインショップを立ち上げ(※炎上した)、
クラウドファンディングを始め(※炎上した)、
オンラインサロンを始め(※炎上した)、
今はNFT。
こうして見ると、資金調達の手段は3年おきぐらいで変わっている印象があります。
が、「3年おきぐらいで変える必要があった」ともいえます。
というのも僕が売っていたのは「こういう資金調達の方法がありますよ」という情報だったからです。
なので、僕がやってはいけないのが、「前回と同じ方法で予算を集める」で、それをやると集まる予算が小さくなります。
ついつい、上手くいったパターンをなぞろうとしてしまいますが、成功パターンを繰り返してしまうと「情報性」がありません。
このあたりは本当に気をつけた方が良いと思いました。
そして、なぞらない為にも、アンテナは常に立てておくことが大切です。
現在製作中の『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』やショートアニメーション『ボトルジョージ』の資金調達の打ち手の一つに、「NFT」が入ってくることはまず間違いない。
どんな形で「NFT」を絡めるかは、まだ分からないけれど。
話を整理すると、僕らがやらなきゃいけないことは以下の二つ。
① 作品を作り続ける
② 予算の作り方を作り続ける。
とくに、少しでも気を抜くと②をサボってしまいそうなので、自戒を込めて、今日はこんな記事を書かせていただきました。
現場からは以上です。
お知らせ! キングコング西野亮廣がデザイン監修を手がけたゴミNFTコレクション『Poubelle』をOpen Seaで販売中
DAOコミュニティ「CHIMNEY TOWN DAO」より、週に1体ずつ描きおろしの1点物のゴミのNFTコレクション「Poubelle」を、オークション形式で販売しています。
『Poubelle』(フランス語で「ゴミ箱」の意)は、そのへんに落ちてるゴミをモンスター化してみたNFTコレクションです。
お知らせ! プペル歌舞伎の写真(額装済み&保証書付き)の新作『父と息子』(限定20点)が出ました
追加生産はしない作品なので、興味がある方は是非。
【限定20枚】プペル歌舞伎『親子』
お知らせ!『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!
『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
11月3日(木)に愛知、
12月4日(日)に福岡、
12月23日(金)に愛媛で、それぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報
よろしくお願いします。
西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。また「えんとつ町のプペル」は、ミュージカルや歌舞伎にもなっている。
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