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2022.10.07

スキー場に浮かぶ、鮮やかなゴンドラ。皆川賢太郎が描く安比高原の未来

今、安比高原が話題を呼んでいる。ホテルやインターナショナルスクールなどが次々とオープン。さらに夏場は閑散とするスキー場にも観光客が集まるなど、新たなスキーリゾートへと生まれ変わろうとしている。安比高原のリブランディングに挑む皆川賢太郎が描く、その未来とは――。

「安比高原にアジアNo.1のリゾートをつくる」

この夏、安比高原スキー場で大きな話題となったのが写真家・蜷川実花さん制作のアート展示だった。冬場スキーヤーを麓から山頂まで運ぶ20台のゴンドラを蜷川さんの写真でラッピング。さらにはすでに使わなくなっていたゴンドラ駅舎を会場として映像作品なども展示した。夜間、ライトアップされた鮮やかなゴンドラが宙を動く様子は、幻想的でそこがスキー場であることすら忘れそうになる(展示は2022年10月30日まで開催中)。この企画は、皆川さんがベネッセホールディングス取締役の福武英明さんと親交があり、瀬戸内・直島へ何度も足を運んでいたことから始まった。

「これは実はマイナスからの発想なんです。安比はかつてほどの人気がないので、老朽化した建物が点在しています。これがスキー場の寂れた印象を強める。せっかく遊びに来たのに、そういうのを見ちゃうと残念な気分になるじゃないですか。もちろん予算があればそれらを全部取り壊して、新しいものを作ればいいんでしょうけど、そうもいかない。この印象をどうやって変えればいいんだろうと考えた時に思い出したのが、瀬戸内にある直島のアート展示でした。アートの力、アーティストの力を借りれば、廃屋や原っぱも人が集まる作品に変えられる」

「胡蝶の旅 Embracing Lights」開催に先立ち、蜷川実花さんと、本展・映像作品プロデューサーの宮田裕章さん、ベネッセホールディングス取締役の福武英明さん、皆川賢太郎さんによるスペシャルトークショーも実施。

春が来て雪がなくなったスキー場には、人は集まらない。だから多くのスキー場は、巨大なショッピングモールを誘致したりと、“スキー場以外の場所”を開発してきた。だが、皆川さんは「スキー場そのものを楽しくする」ことを考えているという。

「他の場所に作ろうとするから莫大な予算がかかる。でもスキー場のなかなら、それほど予算をかけなくてもみんなが楽しめるものが作れます。たとえば、アスレチックの施設とかジップラインとか。山というリソースを最大限に有効活用したいと思っています。安比は本当に自然が豊かな場所。朝は360度、美しい雲海がひろがり、その裾野には、春や夏には緑の木々、秋になると紅葉が色を添える。安比はいま世界からも注目されています。私が誘致したわけではないですが、インターナショナルスクール(ハロウスクール)などができたりしています。でも本質的な魅力はやっぱり雪、そして豊かな自然なんです。施設や設備は資金さえあればつくれますが、自然はここにしかない。それを守りながら、どうやって魅力的なリゾートをつくっていくかが私の役割だと思っています」

2021年から2022年にかけて「ANAインターコンチネンタルホテル安比高原リゾート」、「ANAクラウンプラザリゾート安比高原」、「ANAホリデイ・インリゾート安比高原」が次々とオープン。コロナ後の“復活”へ向け、準備は着々と整っている。

「ANAインターコンチネンタルホテル安比高原リゾート」のラウンジからは美しい雪景色を堪能できる。

「まずは3年以内に50万人というのが目標。人が集まるようになればファイナンシャルもよくなりますし、もっといろいろなことができるはずです。夢は、日本一、アジアNo.1のマウンテンリゾートになること。その時、私がかかわっているかはわかりませんが、20年後くらいに夢が叶えばいいなあ。そのポテンシャルは十分にある。一度、ぜひ足を運んでみてくださいよ。日本にこんないい場所があったんだって、みんな思うはずですから」

Kentaro Minagawa
1977年新潟県生まれ。アルペンスキー日本代表として4大会連続冬季五輪(長野、ソルトレイク、トリノ、バンクーバーオリンピック)に出場。トリノオリンピックでは4位に入賞し、50年ぶりの日本人入賞という快挙を果たす。現在はプロスキーヤーの活動のほか、スキー文化の活性化と後世の育成に力を注いでいる。

■皆川賢太郎が挑む、安比高原リブランディングの勝算

安比高原の注目スポット3選

1.幻想的な世界が広がるアート展「胡蝶の旅 Embracing Lights」

映画 、デザイン、ファッションなどさまざまな分野で活躍する蜷川実花と安⽐⾼原スキー場がコラボレーション。ここ数年使⽤していないザイラーゴンドラ⼭頂駅舎を舞台にアート空間が誕生した。会場へ向かうためのゴンドラも蜷川さんが撮影した花や蝶の作品によってラッピングされているため、山頂に向かうところから、地上へと降りるところまでも幻想的なアート空間に浸る体験ができる。

胡蝶の旅 Embracing Lights
開催期間:2022年10月30日まで
住所:岩手県八幡平市安比高原117-1
営業時間:DAY 10:00~(上り最終乗車15:30、下り最終乗車16:00)/NIGHT 16:40~(上り最終乗車19:20、下り最終乗車20:40)※NIGHTは金曜、土曜、10月9日のみ
TEL:0195-73-5111
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2.大自然と戦略性に富んだコースを楽しめる「安比高原ゴルフクラブ」

十和田八幡平国立公園の自然を背景とする安比高原ゴルフクラブは、全長1万3532ヤード、総面積130万平方メートルにもおよぶ広大なゴルフ場。過去7度JLPGAトーナメントが開催された本格チャンピンコース(八幡平・岩手山)と、高い戦略性で人気のクイーンコース(十和田・竜ヶ森)を有するなど、ゴルファーならば一度はラウンドに訪れたいスポットだ。

安比高原ゴルフクラブ
住所:岩手県八幡平市安比高原180-1
TEL:0195-73-5311
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3.高原の澄んだ空気で心身がととのう「SaunAPPI」

「SaunAPPI」では2021年より高原やキャンプ場で行うアウトドアサウナがスタート。山々が生み出す清冽な水、自生する多数の白樺の木、夜には満天の星など、清々しい外気浴や解放感に浸りながら心身をととのえられる。清流のほとりで行う貸切サウナは1日1組限定のため、早めの予約が必須だ。

SaunAPPI
住所:岩手県八幡平市安比高原117-2
TEL:0195-73-5010
詳細はこちら

TEXT=川上康介

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