毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話したことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今日は「会社は本来の目的を忘れ、社員を養う為の組織」というテーマでお話ししたいと思います。
【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】
第46回 会社の目的は何?完成品を「届ける」ことのはず。 であれば、すべきこととは…。
「会社」は気を抜くと、「社員を養う為に働く」という方向に進んでしまう
僕は毎日2000〜3000文字の記事をオンラインサロンに投稿しているのですが、先日、僕の会社の「見直さなきゃいけないところ」について書いたんです。
その記事の中で、「こういった『見直し』をこまめにしていかないと、会社というのは、目的を達成する為に社員を雇ったのに、社員を養う為に働く組織になるよね」と書きました。
「Aという商品を頑張って作って売って、どうにかこうにか売り上げを作ってるけど、そもそもなんでAを売ってるんだっけ? これって僕らが会社としてやりたいことだったり、世間が求めていることだっけ? …いやいや、よくよく考えてみたら、社員を養う為にAを作って売ってるぞ」というのって、よくあると思うんです。
「ガソリンを補充する為に走っている」とか、「ご飯を食べる為にお腹を空かせる」みたいな。
たとえば、野球をしようと思ったら「9人」が必要だから、その9人を養う為に、チームとしてグッズを販売するのは、よく分かるんです。
その時の「9人を養う為に」は、突き詰めて行くと「野球をする為」に辿り着くので。
ただ、それを続けていくうちに、気がついたら「9人を養うこと」が最終目標になって、野球の練習をする時間そっちのけで「どうやったら、もっとグッズが売れるんだっけ?」「どうすれば黒字になるんだ?」みたいな会議を繰り返すようになる。
本末転倒もいいところなんですが、ただ、「会社」というのは、少しでも気を抜いたら、そっちの方向に進んでしまう性質を持っている。
僕らは、このことを自覚しておく必要があると思います。
「もともとの目的」にアプローチが合っているのか、定期的な見直しが必要
やっぱり、「定期的な見直し」が必要なんだと思います。
「僕らは何の為に働いているのか?」「僕らの会社は何の為にあるのか?」という自問自答ですね。
健康な会社は、「野球を続ける為に何年間もグッズを売り続けてきたけど、今の時代は、グッズでマネタイズするのは効率的じゃないよね。やめよう」みたいな見直しを常にしている。
たとえば、「ライブのチケットって何の為に売ってるんだっけ?」みたいな問い。
「ライブを作って、お客さんに見てもらう為に、ライブのチケットを必死になって売っている」…というスタートがあって、ここに対して、多くの人が「チケットが売れた」「チケットが売れない」「こうすればチケットが売れるぞ〜」みたいな議論をしている中、
「いやいや、ライブを作って(より多くの人に)見てもらうことが目的なんだったら、スポンサーから広告費をもらって、ライブを制作して、それでお客さんには無料で見てもらいましょうよ」と提案したのが『テレビ』だと思うんですね。
もともとの目的から目を背けず、ちゃんと目的に対してアプローチをしている。
会社というのは、あれ(テレビがやったようなこと)を、やらなきゃいけないんだと思うのですが、なかなか難しいんですよね。
作っている側も「チケットを売ること」に慣れていれば、お客さんも「チケットを買うこと」に慣れているので、なかなか、そこに気がつきにくい。
なんなら、そこのやり方を見直したら、炎上したりする。
「ライブを無料で届けるなんて、良くない!」みたいな(笑)
絵本『えんとつ町のプペル』を全編無料公開した時も、そんな感じでした。
「そんなことをしたら、クリエイターが食いっぱぐれるだろ!」みたいな。
僕はよく「制作プロセスを販売する」みたいなことをしているのですが…たとえば、Aという作品の雛形を作るのに「100万円」が必要だとして(一旦、原価とかもろもろを抜きにして)、その作品を刷って、一個2000円で販売するなら、500個売らなきゃ採算がとれない。
でも、希少価値で考えると、完成品よりも、「製作中のもの」の方が希少価値が高いじゃないですか?
完成した東京タワーはいつでも見れるけど、建築中の東京タワーは昭和33年に生きた人しか見ることができない。
であれば、希少価値が高い方でマネタイズした方が効率が良いですよね。
つまり、「制作過程を1万円で100人に売って、そこで採算が取れたので、完成品は無料」みたいな。
目的は「完成品を売ること」じゃなくて、「完成品を届けること」なわけだから、こういうところの見直しは、その時その時でやっていかなきゃいけない。
会社の話に戻すと、「そもそも何の為に社員を雇っていて、社員は何の為に働いているのか?」という問いですね。
会社には、必ず「もともとの目的」があるハズで、そこに対してのアプローチ(その目的を実現する為の方法)が、本当に今の方法で合っているのか?
このアプローチを疑うことを辞めちゃってはいないか?
これは考え続けなきゃいけないんだと思います。
とにもかくにも、「会社」というのは少しでも気を抜いたら「社員を養う為の組織」になる性質を持っている…ということは覚えておきましょう。
お知らせ!『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催!
『西野亮廣講演会』のお知らせです。
全国各地で続々と開催が決まっています。
7月2日(土)に沖縄、
7月16日(土)に豊橋、
7月18日(月)に福岡、
8月7日(日)に東京、
8月20日(土)に熊本、
9月4日(日)に岐阜で、それぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報
よろしくお願いします。
お知らせ!『西野亮廣エンタメ研究所』法人会員スタート!
そして、もう一点。
僕が現在手掛けているエンタメの作り方や届け方をベースにして、毎朝2000文字程度の記事を投稿している『西野亮廣エンタメ研究所』というオンラインサロンがあるのですが、前々から、経営者さんから「ウチの社員に読ませたい!」という声を本当によくいただいていたので、「だったら法人向けのやつを作りましょう!」となりまして、このたび…
オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の法人会員がスタートしました。
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こちらは、1ライセンスあたり「980円」で、1ライセンスで一人招待できます。
僕が毎朝投稿している記事(過去記事も含む)を、Facebookアカウント無しでご覧いただけます。
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興味がある方はCHIMNEYTOWNのホームページからチェックしてみてください。
トップページの一番上(横にスライドするところ)に、お申込みフォームがあります。
西野亮廣エンタメ研究所 法人会員
よろしくお願いします。
西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員170万人、興行収入24億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。
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