PERSON

2022.05.27

【西野亮廣】「仕事を決めてから、“その仕事に向いている人”を選ぶ」と、エラーが起こる時代!?──連載「革命のファンファーレ2」Vol.44

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。(こちらは、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』に投稿した記事を加筆修正したものです)

今日は『仲間を作ってから、仕事を作る…というパターンもあるよね』というテーマでお話ししたいと思います。

【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】

第44回 変化の激しい時代においては、「何をやるか?」は後回し。重要視すべきは「誰と働くか?」

西野亮廣

チームの問題のほとんどは「人間関係」

先日、ニューヨークマンハッタンでフィジカルセラピー(理学療法、日本だと接骨院のようなもの?)をやられているサロンメンバーさんとお話しさせていただいたのですが、そこでの話がとても面白かったので、共有させていただきます。

『ニシノコンサル』なるものをやっているので、コロナの影響や、時代の変化などなど様々な理由で、新事業を立ち上げられる方のお話を聞かせていただく機会が少なくありません。
冷静に考えるとそれは「必要に迫られて」やるわけで、「このジャンルなら誰にも負けないから、やる!」とは少し違います。
「コロナでお店に来るお客さんも減ったし、オンラインビジネスでもやった方が…」といった感じがほとんど。
中には、スンナリといく人もいますが、まぁ、大半は「得意でも何でもないこと」をやっているので、なかなか一筋縄にはいきません。
「オンラインで一人でやる」となると、敵は、HIKAKINさんだったり、ホリエモンさんだったり、ひろゆきサンだったり、カジサックだったり、オリラジ中田君になるわけで、オンライン一騎討ちはどう考えても分が悪い。

兵法の基本は「戦わない」で、さいあく戦うことになったら「確実に勝てる相手と戦う(確実に勝てる状況で戦う)」です。

『ニシノコンサル』では、「一か八かの勝負はやめましょう!」と、よく言っています。

「貧すれば鈍する」というやつで、追い込まれた人は博打に走る傾向があります。
そんなこんなで、僕の「○○をしましょう」という提案は、いつも地味で、面白味にかけて、クライアントさんは(声に出さないまでも)「え? そんなこと?」と少し落胆しているようにも見えます。

そんな中、今回のクライアント(サロンメンバー)さんです。
いろいろな事情があって、新しい事業を始める(新しい収益源を確保する)ことを決められたわけですが、話を聞いていると、これまで仕掛けたアクションは、“オンライン一騎討ち”寄りのアクション(インフルエンサービジネスみたいなやつ)が少し多めでした。

「敵が強すぎるし、多すぎる(しかも次から次へと誕生する)戦場なので、そこにうって出るのは(個人プレーは)辞めて、もっと、『チーム』や『癒着』や『コミュニティー』に目を向けましょう」とお話をさせていただきました。

強い結束(癒着)で生きる「印僑」や「華僑」を見習った生存戦略ですね。

「コミュニティー」の話はいつもしているので、今日は、それよりワンサイズ小さい「チーム」の話にスポットを当てたいと思うのですが…

「個人戦では勝てないから、チーム戦で」とは言うものの、チームの問題のほとんどは『人間関係』だったりします。
「なんで、この人は、言われるまで動けないんだろう?」
「なんで、この人は、愚痴ばかりこぼすんだろう?」
「なんで、この人は、自分の取り分しか考えないんだろう?」
…といった。
今現在、この問題に頭を悩ましている人は少なくないと思います。

個人的には、これらの問題が起きてしまう原因は「その仕事が苦手だから」に尽きると思っています。
スイスイと結果を出せていたら愚痴は出ないし、「まわりを勝たせることが自分を勝たせることに繋がる」という考え(お金や信用のリテラシー)を持つことが得意であれば、相手の取り分もキチンと考えるハズです。

そう考えると、最大のエラーは「スタッフのスキルや適性・キャリアなどを踏まえて適材適所に配置する人事マネジメント」のミスだと言えるわけですが、しかしながら、現実には“リーダーが意図しない人材配置”があります。
これが、コロナや、時代の変化によって、仕事内容を変えざるをえなくなったチームに起きている問題です。
昨日まで「店頭での販売員」をやっていたスタッフが、会社(チーム)の存続の為に、YouTubeのサムネイルを作る仕事を任される…といった……。

この時、販売員のスキルがまったく使えず、その結果、人間関係のもつれに繋がります。
この問題は、変化が激しい時代を生きる僕らにとって、まったく他人事じゃありません。

どうして、こういったことが起きるかというと、「仕事(やること)を決めてから、その仕事に向いている人を選んでいるから」で、それは、その部分だけを切り取ると実に合理的ではあるのですが、その一方で、仕事内容が変わった時に、高い確率で摩擦が起きる。

これは、まぁ、一つの選択肢として頭の片隅にでも置いておいていただきたいのですが、変化の激しい時代(仕事内容がある日当然変えられてしまう時代)においては、「何をやるか?」は後回しにして、「誰と働くか?」を前に持ってきた方が、いろいろと柔軟に動けそうです。

「この人となら、ミュージカルをやっても楽しめるし、農業をやっても楽しめる」という人を選んでから、時代に合わせて、やることを決める。
それをやる為にはまず出会わないと始まらないので、ニューヨーク在住のサロンメンバーさんには、「とりあえず、ニューヨークのサロンメンバーさんのコミュニティーを作っておいてください。僕も参加します」とお伝えしました。
#Facebookメッセンジャーのグループを組みました

コンビを組む時や、夫婦になる時や、あるいは子供の頃、遊ぶ(ドッジボールに誘う)友達を選ぶ時は、「能力」もさることながら、「コイツとなら、苦労も笑えそうだな」という理由があったと思うのですが、もはや会社もそんな感じで組み立てた方が時代に合っているのかもしれません。
現場からは以上でーす。

 

お知らせ!『西野亮廣講演会』開催地が続々決定!

『西野亮廣講演会』のお知らせです。
全国各地で続々と開催が決まっています。
6月25日(土)に宮崎、
7月2日(土)に沖縄、
7月10日(日)に大分、
7月16日(土)に豊橋、
8月6日(土)に大阪、
8月20日(土)に熊本、
9月4日(日)に岐阜で、それぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣講演会in○○』に地名を入れて、検索してみてください。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
「Peatix」のサイトで買えます。
よろしくお願いします。

 

西野亮廣氏ポートレイト

西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員170万人、興行収入24億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。

●国内最大となる、約4万人の会員数を誇る有料会員制コミュニティー(オンラインサロン)「西野亮廣エンタメ研究所」はこちら
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●最新絵本『みにくいマルコ~えんとつ町に咲いた花~』のご購入はこちら

 

連載 革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬はこちら

TEXT=西野亮廣

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