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2021.02.15

【柳井 正×佐藤可士和】成長の秘密は早朝の極秘ミーティング!

ニューヨークにユニクロが世界初のグローバル旗艦店をオープンしたのは2006年。そこからの快進撃の陰には、最初に出会ってから15年間毎週早朝から始まる、ふたりのOne to Oneの時間があった。対談後編をご覧ください。(前編はこちら

ユニクロ×佐藤可士和

社会を見ながら、会社をどういう方向に変えていくか考える

柳井 昨年はコロナ禍において、「UNIQLO TOKYO」「UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店」「ユニクロ 原宿店」の3つの大型店をオープンさせました。けれど、もともとあの3店は、ユニクロを改めて東京から世界に向けて発信しようと、オリンピックを視野に入れて進めていたもの。でもコロナになり、日本の皆さんが元気をなくしている。それなら、皆さんを元気にさせよう。僕らが元気に商売していることを、世界に発信しようという目的に変えた。普通ならあの状況下で新店舗なんてオープンさせるか? と思われるかもしれない。でもあの店は、我々のブランディングにはとても重要な店舗だったんです。

佐藤 3店をほぼ同時進行でつくるのはかなり大変でした。店のデザインは、スイスの建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロン(UNIQLO TOKYO)や建築家の藤本壮介さん(UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店)など一流の人にお願いし、3店舗の店のコンセプトからマーケティング戦略を全部ディレクションしていたんです。そうしたらコロナになってしまい、「どうすればいいんだ!」と思いました。

柳井 可士和さんじゃなく、他のクリエイターだったら「こりゃあかん」って、逃げたかもしれないな。

佐藤 結果として、3店舗が大成功で本当によかったです。柳井さんとのOne to Oneでもコロナについてかなり話し合いましたね。実は柳井さんと話しているのは社会問題がほとんど。

柳井 服屋がする話じゃないですよね。でも本当に大事なことは、社会を見ながら、会社をどういう方向に変えていくか考えること。僕が可士和さんに会えるのは、1週間に30分という短い時間。本当は2時間ぐらいもらいたい、そうしたほうが、絶対に儲かると思う(笑)。

佐藤 いやいや、柳井さんも僕も他のミーティングがいっぱいあるじゃないですか。

柳井 ああ、時間ばかりかかるミーティングね(笑)。

ビックロ

【ビックロ】ユニクロとビックカメラ、ふたつをかけ合わせた店舗。ファッションと家電を融合させることで国内はもちろんインバウンドに絶大な人気を誇っている。

ユニクロは挑戦を楽しもうと思ったら楽しめる会社

佐藤 僕らが夢中で話していると、いつも「社長、お時間です」って秘書の方に今日はここまでって言われますよね笑)。また、僕は社員ではないので、「社長」ではなく「柳井さん」と呼んでいます。柳井さんと長くお付き合いをして、実はこの距離感がいいなと思っているんです。もちろんリスペクトしているし、一緒に楽しくお仕事させていただいていますが、柳井さんやユニクロを、かなり客観的に見ているんです。

柳井 その客観的な意見を誰かに言ってもらわなきゃいけません。僕はクライアントとクリエイターは対等なものだと思っていますが、世の中にはクライアントが上だと思っている人が多い。そういうクライアントはダメ。もちろん下でもダメです。

佐藤 プランを実行するのはクライアントですからね。

柳井 可士和さんは理路整然としているけど、実はパンク少年。だからああいうクリエイションができる。要はルールを破るってことでしょう?

佐藤 常に常識を覆したいんです。ファーストリテイリングのステートメント「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」も一緒につくらせていただきましたが、経営者としてこのスローガンを掲げると決断された柳井さんはすごいです。普通は怖くて言えないですよね。「本当に変えられるんですか?」と問われますから。でも実際にやっていますし。

柳井 勇気とチャレンジャー精神がないと、うちの会社で仕事をするのは難しいね。勇気とかチャレンジって言葉が好きな人がいいよね。

佐藤 ユニクロは挑戦を楽しもうと思ったら、とても楽しめる会社。

柳井 でも今こそ、未来の企業というか、これからどうなるのかを客観的に考え、新しいことをクリエイトしていかなきゃいけない時期ですよね。コロナ終息後、我々のビジネスがどこに行くのか。世の中はグローバリゼーションから分断へと進行していると言われているけど、分断なんかされるわけないからね。だから世界の人々が幸せになるグローバリゼーションとは何か、それを考えていくのがクリエイターじゃないですか? 人も世界もつながらない限り、幸せにはならないよね?

佐藤 そのとおりです。そういう意味では社会がどこに向かうのか? 何をしたら理想的なのかを考えることが、ユニクロのビジネスに直結すると思います。

UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店

【UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店】「PLAY」をコンセプトに、建物まるごとを公園に見立てた店舗。ユニクロとGUがあり、巨大な滑り台やボルダリング、ジャングルジムも併設した。

柳井 そうですね。クリエイターがそのコミュニケーションのため、会社をどういう風に変えるのかを考える。そこからマーケティングが始まります。

佐藤 ところで、柳井さんは今の仕事以外にやってみたいことはありますか。

柳井 僕は将来、美術館みたいなものをつくりたいんです。

佐藤 会社の経営者じゃなかったら、アーティストになっていたかもと、以前ポロッとおっしゃっていましたね。

柳井 僕は構想するのは好きですが、実際に自分でやったら下手だと思います。だから美術館をつくるとしたら、可士和さんに一緒に考えてほしいですね。

佐藤 柳井さん、それ、仕事じゃないですか(笑)。

柳井 だって僕も可士和さんも人生をかけた趣味が仕事でしょ。

佐藤 確かに。

柳井 本当にそれをやっている時が一番楽しい。僕と可士和さんの生き様でもありますね。

 

Tadashi Yanai

Tadashi Yanai(右)
1949年山口県生まれ。’72年小郡商事(現ファーストリテイリング)に入社。’84年ユニクロの第1号店を広島市に出店。国内816、海外1490(2020年12月末時点)の店舗を展開する。

TEXT=今井 恵

PHOTOGRAPH=操上和美

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