昨今、日本全国で新たなアイランド・リゾートが開業。島の文化や歴史、その土地のライフスタイルを反映させたホテルが誕生している。飛行機や船を乗り継ぎ、遠くてもわざわざ行きたいのは、そこに記憶に残る絶景と、心身が癒やされる至極のもてなしがあるからだ。今回は、沖縄・古宇利島の「YAWN YARD Kouri Island(ヨーン ヤード コウリ アイランド)」を紹介する。【特集 死ぬまでに泊まりたい島ホテル】

プライベート感満載の“泊まれる庭”
あくびを意味するYAWNを冠する全8棟の独立型ヴィラは、2024年に古宇利島の西海岸に誕生した。
都市生活での過剰な思考を解き、本来の感覚を取り戻すための意識的な空白を提供するホテル「YAWN YARD」。そこは、まさに「泊まれる庭」。(sea)と(hill)のふたつのエリアで構成され、いずれもプライベートプールとテラスが設えられている。
設計はスキーマ建築計画の長坂常氏。沖縄古民家の「雨端(アマハジ)」を現代的に再構成し、屋内と屋外、生活と自然との境界を柔らかく曖昧にすることで、建築が「風土と共鳴する器」となっているのだ。
食事は沖縄の伝統食「クスイムン(薬になる食)」の考え方を軸に構成。半径70㎞以内で採れる食材にこだわり、まるで食卓そのものが土地の気候や季節を映しだすインスタレーションのようだ。
この記事はGOETHE 2025年6月号「総力特集:楽園アイランド・ホテル」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら