ダブルやシングル、はたまたノーラペルなど。ジャケットひとつとってもバリエーションは実に豊か。幅ある着こなしのスタイルをご紹介。ブレザー・アイテム編。【特集 大人のジャケットスタイル】

1.Southwick|サウスウィック
アメトラの定番ともいえるサウスウィックの「ケンブリッジ」。ハリのあるウール生地をはじめ、目を引くゴールドボタンや縫製に至るまでメイド・イン・USAを徹底するなど、シップスの矜持がうかがえる。そんな伝統的なデザインを踏襲しながらも、アンコン仕立てにすることで現代的に。

2.Barnstomer|バーンストーマー
独特の毛羽感が二度見を誘う個性派。コットンウールをベースに、ニードルパンチによりウールの糸を引っ張りだし起毛。唯一無二の存在感を放つ一方で、段返りの3ボタンや丁寧に刻印のされたボタンを採用するなど伝統もしっかり継承。個性派と本格派を兼ね備えた1着だ。

3.Polo Ralph Lauren|ポロ ラルフ ローレン
ブランドの顔ともいえるブレザーは、光沢を控えめにしたドスキンウールを採用。敢えて抑えた光沢が、カジュアルからドレススタイルまで幅広く着こなせる要因に。汎用性の高さを示す一方で端正なルックスと重厚感が大人のエレガンスを誇示し大人の格を上げてくれる。

4.Circolo|チルコロ
ブレザーと聞くとネイビーがベーシックだが、変化球を好むならこんな一着も。しっとりとした質感が上品さを演出しアンティークゴールドのメタルボタンも相まって、一見するとクラシカルだが、生地はコットンジャージー。アクティブな動きにも対応してくれるスポーティさも。

5.Azabu Tailor|麻布テーラー
ブレザーのディテールを備えながらも、ボディに採用したのはハリスツイード。目の詰まった独特の質感を持つチェックブレザーは、羽織るだけで格のある洒落感をお約束。自身のスタイルに合う1着を求めるなら、いっそう自分好みにオーダーするのも一興だろう。

6.Scye Basics|サイベーシックス
モダンな雰囲気を醸しだすブレザー。薄いグレーのウールボディと光沢豊かなメタルボタンが、洗練さを香らせモードなスタイルとも好相性。とはいえ、着こなしの振り幅はオンオフ兼用。パッチポケットのディテールがいい意味でカジュアルダウンし、その塩梅が絶妙。

7.Fumiya Hirano London|フミヤ ヒラノ ロンドン
シングルタイプの2ボタンは、ダブルに比べて知的でクールな印象を与えてくれる。サラリとした肌触りでカジュアルシーンにおいても洗練された着姿にまとめてくれる。その一方で、チェンジポケットをあしらい英国伝統の本格派であることをさり気なくアピール。違いのわかる大人にふさわしい。

8.Slowear Montedoro|スローウエア モンテドーロ
レトロ感漂うグレンチェックのブレザーは、そのコントラストもあってゴールドボタンがアイキャッチ抜群。グレーをベースにしていながらも、レッドやブルー、オリーブの糸がこなれ感を演出。袖の裏地にはシルクをあしらい、袖通しが滑らかなのも魅力のひとつ。

この記事はGOETHE 2025年11月号「特集:スタイルのあるジャケット」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら