絶景に抱かれ、大自然と一体化したリゾートは、よりラグジュアリーでプリミティブ、そしてパーソナルなものになっている。特別な体験ができるよう、さまざまな仕かけやデザインが施され、ダイナミックに進化を遂げた、世界のアイランド・ホテルへ。今回は、サウジアラビア・ウンマハット諸島の「The St. Regis Red Sea Resort(セントレジス レッドシー リゾート)」を紹介する。【特集 死ぬまでに泊まりたい島ホテル】

今や世界中のヒト・モノ・カネが集まり、加速度的に進化している国、サウジアラビア。そのサウジアラビア西側の紅海に浮かぶウンマハット諸島のプライベートアイランドに今、世界中のリゾート好きが注目するホテルがある。西海岸からチャーターボートか水上飛行機でアクセスする「セントレジス レッドシー リゾート」。ここは持続可能な観光産業を目指す紅海プロジェクトの一環として2023年末に誕生した最先端リゾートだ。
全90棟のヴィラを手がけたのは日本が世界に誇る建築家、隈研吾氏。ヴィラは2タイプで、水上とビーチタイプでまったく異なる表情を見せる。珊瑚礁をイメージしたという水上ヴィラは、コンクリートを極力使わず、木材や粘土といった自然素材を多用。
一方、砂丘を表現した湾曲を描く屋根がアイコンのビーチヴィラは、低い屋根の仕様によりプライベート感抜群。さらにその形状のおかげで砂の侵入を防ぎ、環境負荷の軽減にも貢献しているという。それぞれ専用プールとサンデッキを備え、屋内と屋外にひとつずつリビングがある豪華な造りだ。
名門セントレジスで1世紀以上にわたって受け継がれているバトラーサービスも、滞在の質を高めてくれる要因。荷ほどきからレストランの手配、アクティビティの予約にいたるまであらゆるニーズに24時間体制で応えてくれる。また、館内にはゲストの舌を楽しませる5つの個性派ダイニングが点在。
メインダイニングの「ネスマ」は地産食材を使った中東料理を提供。その他、ライブクッキングや茶道が取り入れられた日本料理店「ギシキ45」や、地産の素材に各国の高級食材をかけ合わせたリュクスなひと皿に出合える「ティリナ」など、好奇心をくすぐる食体験が待っている。
今度のバケーションは世界が注目する楽園、レッドシーへ。特別なリゾートを誰よりも早く目指したい。
この記事はGOETHE 2025年6月号「総力特集:楽園アイランド・ホテル」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら