TRAVEL

2024.10.13

ターキッシュ エアラインズのラウンジごはんは、なぜ世界で一番美味しいのか? 7つの理由を紹介。

アジア、中東、ヨーロッパの狭間に位置するトルコ。イスタンブールにある国際空港は世界最大規模のハブ空港であり、ターキッシュ エアラインズのラウンジも広大だ。そのラウンジの食事は“世界一”との呼び声が高く、美味しさの理由を探っていく。

旅を締めくくるラウンジごはんが最高だ

検索サイトやSNSで“Turkish Airlines lounge”と検索すると、目に入るのがラウンジの料理を称賛する声の数々。「世界一」という言葉を使う投稿者も少なくない。かくいう筆者も、イスタンブールにあるターキッシュ エアラインズの国際線ラウンジが、世界一美味しいラウンジと思っている。

特に優先して乗るスターアライアンス加盟航空会社では明確に一番のため、コロナ以降、欧州方面へのフライトは常にターキッシュ エアラインズだ。旅の最後、美味しいものを食べ損ねても、早朝出国でも、このラウンジでご馳走が待っている。その美味しさの理由を7つに分けてご紹介したい。

広さ5600㎡ものラウンジ。

2018年に誕生したイスタンブール新空港のラウンジは、ターキッシュ エアラインズかスターアライアンスの国際線ビジネスクラス搭乗者が利用できる「Turkish Airlines Lounge Business」と、スターアライアンス ゴールド保有者も利用できる「Turkish Airlines Lounge Miles&Smiles」に分かれる。撮影は後者で実施したが、施設内容はどちらもほぼ同じだ。

1.食への注力が尋常ではない

2010年から始まった「フライングシェフ」。

世界三大料理にも数えられるトルコ料理。623年も続いたオスマン帝国の歴代皇帝に捧げた宮廷料理をはじめ、料理人たちが腕を競う環境が当然にあった地だ。また、トルコは世界有数の農業大国であり、食料自給率は100%以上。そんな国を代表する航空会社なので、食に力を入れないわけがない。

ビジネスクラスには客室乗務員の資格をもった料理人「フライングシェフ」が搭乗。コックコートを着て、料理の仕上げや提供を行う珍しいサービスを実施している。その気概も評価され、2024年には航空業界のアカデミー賞と呼ばれるスカイトラック社の「ワールド・エアライン・アワード」にて、「ワールド・ベスト・ビジネスクラス・ケータリング賞」を受賞した。

2.80品以上におよぶ圧倒的なメニュー数

右上から時計回りに「ズッキーニのマリネ」「アーティチョークとトマトのサラダ」「パプリカときのことアスパラのサラダ」「ヤプラック サルマ」。

まず向かうべきは、野菜と乳製品の前菜「メゼ」が並ぶコーナー。トルコ産オリーブだけで8種以上、トルコ伝統の惣菜は15種以上もある。フムスはもちろん、スーパーフードの穀物ブルグルを使ったサラダ「クスル」やハーブ入りヨーグルト「ハイダリ」、ぶどうの葉っぱで米を巻いた「ヤプラック サルマ」など、手の込んだ国民食が満載だ。惣菜にチーズやシンプルなサラダも足すと前菜が約50種、ホットミールやスイーツも含め全体で約80品がラウンジに揃う。

バクラヴァなどトルコの伝統菓子が並ぶ。

樽から出すトルコのヨーグルトドリンク「アイラン」やトルコチャイ、ザクロジュース、約12種のワインなどドリンクも充実。なおかつ品数に負けないクオリティで、1泊したいほどであり、近所にほしい。

「アイラン」は心地よい酸味があり、無糖なので食中にも飲まれる。

3.メニューを共同開発しているケータリング会社が優秀

野菜煮込みに添えるのはトルコ産の米。

メニューは2007年にターキッシュ エアラインズが50%の出資をかけて設立したターキッシュDO & COが担当。「トルコ最高のおもてなし」をテーマに、伝統的なトルコ料理と現代的なトルコ料理が黄金バランスのレシピで作られている。鮮度保持と地元生産者支援のため、食材の80%がトルコ産で野菜はほぼ該当。実は土壌の豊かさを伝える場でもある。

4.キッチンがラウンジ内にあり、手作りかつフレッシュ

ライブキッチンのすぐ後ろに前菜などを作る厨房がある。

食べて感じるのは、人の手で丁寧に作られた料理であることと、そのフレッシュさ。ここでは非常に珍しく、ラウンジ中央にキッチンがあり、絶えず調理が行われている。最大規模のハブ空港であるため、各料理の回転率も高い。

キッチンでは5時〜11時は朝食、11時〜深夜2時はランチとディナー、午前2時〜午前5時は深夜の軽食を用意。本格的な食事の提供時間が非常に長いのも特徴だ。

5.ライブキッチンで作られる熱々の料理がたまらない

背後のオーブンでカリっと焼かれる「ピデ」。

ライブキッチンは主に2つ。ひとつはトルコのピザ「ピデ」が作られる窯付きキッチンだ。生地形成から始まり、3〜4種の具材を詰め、カヌーのような形のピザを焼いていく。焼きあがった生地は専用刀でひと口大に切られるのだが、ザクッザクッというその音が香ばしさを予感させる。

切り始めた頃に焼きたてを狙ったトルコ人が行列を作るのもお約束。ツナ、チーズ、野菜を具にしたピザは繊細に崩れる薄いヘリが極めてクリスピー。トルコは小麦の生産も盛んなので、生地自体の味もよい。

別のライブキッチンでは、煮込みがけバターライスや水餃子「マントゥ」が作られている。「マントゥ」は薄皮に羊肉などを包み茹で、トマトソースとヨーグルトソースをかけたトルコのお袋の味。“世界最小の餃子”とも言われ、包みたて茹でたてこそ美味しいのでライブキッチンの意味が絶大だ。つるりとした舌触りとトマトの果実感、ヨーグルトの酸味が相まってスプーンが止まらない。

6.トルコを代表するスープが常にある

レモンの酸味を効かせて飲むレンズ豆のスープ。

ラウンジ名物のひとつが、「メルジメッキ チョルバス」という赤レンズ豆のスープ。優しい豆の甘さのなかに玉ねぎやトマトなど植物性の旨味を感じ、身も心も温まる。航空会社のラウンジでは缶のスープが使われることもあるが、ターキッシュ エアラインズは手作りにこだわる。このスープも家庭的な味わいで、汁不足の旅のトランジットで口にすれば感涙。旅人たちを常にほっとさせるべく、24時間常備する定番スープだ。

7.ゆとりある空間が落ち着いた食事を叶える

ターミナルフロアと近未来的な天井を眺めるソファ席。

広さ5600㎡、最大収容人数765人という広大なラウンジが2つあり、いくら利用者が多くても席は見つかる。ソファ席からトルコ伝統の丸盆テーブルまで8タイプ以上の席があり、気分に合うスペースを選択可能だ。ロッカー数も十分で、身軽にラウンジフードを堪能できる。スタッフが食事済みの器を片づけるのも非常に早く快適。

以上が、ターキッシュ エアラインズのラウンジごはんの要点。ここに来ればトルコ料理の多様性を知ることができて、同時に身体は元気に。空港とはいえ、そこはまだ濃厚なトルコ。欧州からのトランジットであればアジアが近づいたと舌で感じられて、トルコ旅行後ならダメ押しグルメとなる。そんな時間を感じられるラウンジは、一度体験したらやみつきになるだろう。

成田空港、羽田空港、関西空港からともにイスタンブールへ運航。欧州120都市へと繋ぎ、全世界では130カ国へ飛び世界一の就航国数を誇る。

問い合わせ
ターキッシュ エアラインズ

TEXT=大石智子

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