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GOLF

2018.07.20

「ゴルフレッスンを受けたのに上手くならない」は本当か!?

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という吉田コーチが、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する。

吉田洋一郎

レッスンを受けるとスコアが悪化する理由

「レッスンを受けたのに全然スコアに反映されない」という恨み節をよく耳にする。ゴルファーの技術向上を生業としている身からすると耳の痛い話だ。

なぜこんな事が起きるのか。実は、レッスンを受けた直後はスコアが悪化するものなのだ。スコアを良くするためにレッスンに通うのだが、新しい動きに慣れるまでは自分のイメージより球筋が曲がったり距離が出なかったりするため、スコアは悪くなってしまう。

これはゴルフに限ったことではない。例えばこれまで使っていたPCを新しいものに変えたとしよう。最新の機能が付加されていてユーザビリティも向上しているようだが、慣れていない最初の1週間くらいは「使いにくいな」と不便に感じ、場合によっては仕事のペースが落ちることもあるだろう。しかしひとたび慣れてしまえば、以前のものよりも高いパフォーマンスを発揮するはずだ。

ゴルフのレッスンもこれと同じで、始めた直後は新しい動きに慣れないためスコアが悪くなってしまう。私はレッスンする最初の段階で、短期的にはスコアが落ちる可能性があると伝えるようにしているが、やっぱり言いにくさはある。しかしこの「スコアが悪くなる可能性がある」という事を知っているのといないのとでは、その後の上達具合にも大きな差が出てくるのだ。

ミスショットが続いても下手になっているわけではない

ゴルフの上達度をグラフ化した場合、直線的に右肩上がりになることはない。新しい動きを試しながら調整していく作業のため、一度上がっては下がりそしてまた上がっていく。上下の波形が緩やかに右肩上がりになっていくのが、理想的な上達の形だ。

しかし「レッスンを受けたのだから、後退することなく順調に右肩上がりに上達できる」と思っている人は、一時的にスコアが悪くなった場合に「下手になっている」と思ってしまうだろう。そうなると取り組んでいる事を止めてしまい、再び自分が動かしやすい元の形に戻ってスコアが伸び悩むことになる。

ゴルフはそもそもミスをするスポーツだ。PGAツアーのプロでさえ、毎回アンダーパーで回れるわけではない。だからレッスンを受けている期間に多くのミスが出てスコアを崩したとしても、その場で判断を下さずに中長期的な視点で取り組むことが重要なのだ。

パーオンが1つ増えたら着実に上手くなっている

ではレッスンの成果はどのように図ればよいのか。スコアの目標を立てるのもよいが、外的要因に左右される可能性が高いため、もう少しレイヤーを落として考えることをおすすめしたい。具体的にはOBの数やパーオン率といった複雑ではない指標がよいだろう。

これもラウンドごとに「増えた!減った!」と一喜一憂するのではなく、過去半年の平均値を出して改善されているかをチェックしてみよう。

OB数はラウンド平均で1つ減少、パーオン率は5%改善(1ラウンドに1つ増えるくらい)されていれば御の字だ。

ポイントは、レッスンの最初に改善したい箇所に合わせて、チェックする指標を設定すること。そして数値の上下動は1回のラウンドで評価するのではなく、過去半年の平均値を用いる事だ。

指標が取れるほど球筋がまとまっていなかったりラウンドの機会が少ない人は、「持ち球のスライスがフックに変わった」「プルフック(引っかかった球筋)が減った」というようなものでも構わない。この場合も感覚で判断するのではなく、「○回中○回に減った」というような定量的な評価を用いるとよいだろう。

過去、レッスンを受けたりスイング改造にトライして失敗してしまった人は、取り組みの内容が間違っていたのではなく、評価の方法が違っていた可能性もある。長い目で上達の計画を立てることが重要なポイントだ。

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吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=トータルゴルフフィットネス

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