飛ばしたければ、インパクトで力をこめるな! 【ゴルフレッスン】

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム82回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

コツさえつかめば、アマチュアも飛距離アップ

2018年の「全英オープン」でイタリア出身選手として初めてメジャーを制したフランシスコ・モリナリは、30代半ばからスイングの改造に取組み、平均飛距離を3年間で約15ヤード伸ばした。モリナリのスイングコーチのデニス・ピューは、「飛距離が伸びたのは地面反力を用いたティーチングによるものだ」と語ってくれた。

「地面反力」という言葉は、最近のゴルフ界でもかなり浸透してきたので、地面反力を使ったスイングに興味を持っているアマチュアも多いだろう。

実際にトライしてみた人もいるかもしれないが、振り遅れてダフったり、プッシュやプルが出たりと、「やってみたけど、うまくいかなかった」という人が多いのではないだろうか。

その結果、「地面反力をうまく使えるのは、トッププロだけ」と諦めたアマチュアもいるかもしれない。しかし地面反力は実際のところ、私たちが日常的に受けている力で、特別な力ではない。コツさえつかめれば、アマチュアでも地面反力を利用して飛距離をアップさせることができるのだ。

地面反力を生かす、下半身とクラブのリリース

地面反力をうまく使えず、ボールを上手くとらえることができないアマチュアは、インパクトで力を入れるイメージを持っていることが多い。

インパクトでボールに力を加えるイメージを持っていると、手や腕に力が入っているためクラブがリリースできずダフったり、インパクトで下半身を踏ん張って体が沈み込んだままボールを打ち、同様にダフりやトップとなることがある。

インパクトで力を込めるとボールが飛ぶように考えがちだが、タイミング的にはボールを打つ直前に力を込めるのでは遅い。スイングにおいて自らが力を加えるのは、ダウンスイングでクラブが地面と平行になったポジションまでとなる。それ以降は、加えていた地面からの反力やタメが解放される「リリース」が起きてクラブが加速する。インパクトで自ら力をこめる行為は、今まで加えてきた力が返ってくるのを邪魔していることになるのだ。

地面反力を効率よく使うために、下半身とクラブのリリース動作をタイミングよく行わなければならない。切り返しで左足を一瞬踏み込み、左腕が地面と平行になったあたりから、地面反力を受けて左足が伸ばされるリリース動作「抜重」が起こる。そして、腕や手首を柔らかくし、ダウンスイングでシャフトが地面と平行になったら手首の角度を開放する。この一連の動きによって、肩の縦回転が起き、右肩が下がりながらクラブがリリースされ、クラブヘッドが加速していくのだ。

適切なリリースのタイミングを体感するために、ドライバーを右手一本で素振りしてみてほしい。ドライバーは長いため、リリースのタイミングが遅いとダフりやすくなる。左足が抜重できていなかったり、上半身の力みによってクラブのリリースが遅くれた場合はダフってしまう。左足と手首のリリースのタイミングを調整して、インパクトで体の力は抜けているのに、勝手にクラブが加速している感覚をつかめるように練習してみてほしい。それぞれのグリップのタイプ(ストロング、スクエア、ウィーク)によってリリースのタイミングは変わるので、自分に合ったタイミングをつかむといいだろう。

地面反力をうまく使うには、下半身とクラブのリリースが重要になる。ぜひ、コツをつかんで飛距離をアップさせてほしい。

Text=吉田洋一郎 Photograph= 松川 忍  Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ

吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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