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2025.09.30

川口市議会議員に市内をアテンドしてもらったら

近年、埼玉県川口市においてクルド人をめぐるトラブルが起きている――。そうネットを中心に活発な議論が巻き起こっているが果たして真相は如何なるものなのか。この問題に関して門外漢であり、「反クルド」でも「親クルド」でもない著者が、実際に川口市に滞在。そこで目の当たりにしたおどろくべき実情とは? 『おどろきの「クルド人問題」』(新潮社)の一部を抜粋・再構成して紹介します。【その他の記事はこちら】

新潮新書『おどろきの「クルド人問題」』
Unsplash/Thanh Serious ※写真はイメージ

クルド人対策視察ツアーとは

奥富精一市議に川口市内をアテンドしてもらった。

その多くが川口市で暮らし、働き、ヤードを増やしているクルド人だが、最近は近隣の自治体にも増え、ヤードをつくり始めた。危機感を覚えた各自治体の市議がクルド人対策を講じるために、川口市議に合同勉強会開催をリクエスト。その一環で、川口市内クルド人対策視察ツアーを開催し、筆者も参加させてもらった。

コースは、川口駅周辺~たまご公園~川口市立医療センター~赤芝新田~ひき逃げ事件現場……。一台のミニバンに同乗した。

クルマから降りないこと、クルド人を写真撮影しないこと、などを徹底しての視察。赤芝新田では、クルド人に好まれていない奥富市議が路上に出ると、すぐにクルド人に取り囲まれるそうだ。見張り役がいて、各ヤードに連絡が行き、日本語で“カエレコール”を浴びせられる。

ミニバンで市内をまわると、街のあちこちの壁や塀に修理跡がある。車が突っ込んだ跡と思われる。さらに「集会禁止」や「不法投棄禁止」の看板がある。“集会”とは、いわゆる外飲みのことだ。

「かつてはクルド人が屋外に集まって騒ぐのは春、夏が主でした。温暖な地域で育ったクルド人の多くは寒さが苦手のようでした。でも、最近は日本の気候にも慣れて耐性がついたのでしょう、冬でも屋外に集まって夜遅くまで騒いでいます」(奥富市議)

視察ツアーの後、各自治体の市議同士が意見交換を行う勉強会も行われた。そこで再認識したのは、川口市にはクルド人が暮らしやすい条件がそろっていること。広い土地がある。都心が近い。低家賃の部屋を見つけやすい。地価も安くヤードを広げやすい。

たとえば隣接する蕨市は、面積が小さく、川口市と比べると住宅が密集していてヤードをつくる場所が確保しづらい。物流や出版の倉庫の多い戸田市は、地価が高いのでヤードがつくりづらい。越谷市にはヤードが増えているが、クルド人系の解体業の本社は川口市内が多いので生活する数は少なく、週末や帰宅後の夜にあまり騒ぎが起こらない。

各自治体の報告を聞く限り、今後もクルド人の拠点の中心は川口市となるのではないかと思われた。

「移民を受け入れる環境が整わないうちに外国人がどんどん入ってきているのが川口の状況です。くり返しになりますが、ルールに則って、起訴するべき事案は起訴する。罰するべき者は罰する。合法的に在留している人とは共生する。そういう基本的なことを徹底しなくてはいけません」

最前線に立つ奥富市議からの警告である。

石神賢介/Kensuke Ishigami
1962年生まれ。大学卒業後、雑誌・書籍の編集者を経てライターに。人物ルポルタージュからスポーツ、音楽、文学まで幅広いジャンルを手がける。三十代のときに一度結婚したが離婚。著書に四十代のときの婚活体験をまとめた『婚活したらすごかった』など。

TEXT=石神賢介

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