生活に利便性をもたらす家電。せっかく部屋の一員に迎え入れるなら、機能に加えその姿にもこだわりたい。そんな欲張りな願望を満たす、斬新な家電の数々がここにある。家電スペシャリストの滝田勝紀氏が選んだ“アートな家電”をご紹介。【特集 アートな家具】

1.バング&オルフセン|フェラーリ・コレクション ベオラブ50
部屋に躍動感を与え音楽の楽しさを高次元に
北欧のミニマルデザインを得意とするバング&オルフセンと、イタリアの象徴ともいえるフェラーリがタッグを組んだ夢のコレクション。鮮やかなカラーリングや流線型のフォルムは、スポーツカーを彷彿とさせる。「ハイクオリティなサウンドは言わずもがな、ワイヤレス接続や音場調整も搭載され、機能美においても妥協がありません」

2.ファミリーイナダ|アイコクーン
置く部屋の格調を際立たせるマッサージチェア
大きく包みこむような曲線フォルムが特徴的で、部屋に置くだけで安らぎの彫刻のような存在感を放つ。8つのエアバッグを搭載し、部位に応じて好みのクッション性を選択可能。心身をトータルケアしてくれる。「高級感漂うレザー素材がインテリアと調和しながら、一種の芸術作品のような雰囲気を演出します」

3.ダイキン|リソラ
設置した空間がまるでギャラリー並みの洗練度に
「エアコン=白物家電」の常識を覆し、空調をインテリアアートに昇華させたのがこのシリーズだ。ダイキン独自のストリーマ技術やセンサー制御で快適な空気を創出する機能と、現代アートのような造形美が融合する。「パネル部分に高品位なカラーやテクスチャーを採用し、シンプルながらも強い存在感を放つ」

4.スメッグ|ドルチェ&ガッバーナ トースター
イタリアの伝統工芸の佇まい。朝のひとときが華やぐ
芸術的なタイル模様を連想させるMaiolica(マヨリカ)デザインが視線を奪う。丸みを帯びたフォルムはレトロな可愛らしさを醸しだしつつ、トースト機能としては焼き色の調整や解凍などをスムーズに行える実用性を兼備している。「置いておくだけで華やぎをもたらす一方で、使うたびにイタリアンアートを感じられる一台」

5.シクロレッテ|ビスポーク
眺める時間も心を豊かにするエアロバイク
曲線を多用したフレームはまるで近未来の彫刻のような存在感で、置くだけでトレーニングルームをハイセンスな空間に変える。運動負荷も細かく設定できるため本格的な有酸素運動にもしっかり対応。「人間工学を踏まえたペダル位置やホイール構造がスムーズな回転を実現し、機能性に加えて美しさを追求しています」

6.小林木工|コフレカ FL-90KK
伝統と革新が融合したワインディングマシーン
日本の木工職人技とイタリアのラグジュアリー感覚が融合した至高のクラフトワークは、家具というよりひとつの芸術作品。内部構造や組みつけにいたるまで、緻密な工夫で最大36個の時計を収められる収納力や使い勝手を高めている。「端正で流麗なフォルムは躍動感を宿しつつ、木目の風合いを活かした繊細な仕上げが見る者を惹きつけます」

7.ソノビ|ダブルグラスヒーター
ガラス独特の透け感で部屋に軽やかさを
二重構造のガラスパネルを組み合わせたデザインは、アートオブジェを思わせるほど洗練され、透明感と金属質が織り成す独特の美しさを放つ。「内部にはヒーターが内蔵され、対流熱と放射熱を効率よく生みだす設計による機能性に加え、温度調整や安全機能など使用時の細やかな気遣いも嬉しいポイント」

8.ブリオンヴェガ|ラジオフォノグラフォ rr226
使うほどに味わいが深まる唯一無二のオーディオ
ヴィンテージライクな木製キャビネットにアナログ的な温もりを感じつつ、中身は現代のオーディオ技術を集約。ラジオとレコード再生に加え、Bluetoothなどの機能を備えた新旧の融合が大きな魅力だ。「音の広がりを考慮した設計に加え、丸いメーターやダイヤル部分のレトロ感はインテリア全体をノスタルジックに彩ってくれます」

9.ハイアール|JR-SX21A
日常家電にアートな楽しみをプラスした新世代の冷蔵庫
丸みのある扉デザインと取り換え可能なマグネットカバー(別売り)が組み合わさり、冷蔵庫を「自分好みのアートキャンバス」へ変化させられるのが最大の魅力。「マグネットカバーを季節や気分に合わせて変更すれば、インテリアのアクセントとして部屋に新鮮な刺激を与えてくれます」

10.シャープ|FU-90KK
生活空間に綺麗な空気と上質な雰囲気をもたらす
一見すると美術館に置かれた彫刻作品のような直線的フォルムが特徴的で、部屋に配するだけでモダンな雰囲気を高めてくれる。高性能フィルターとプラズマクラスター技術により、ホコリや花粉、ウイルス対策を強力にサポート。「奥行きを感じさせるシックなボディは、光の当たり方で微妙に表情を変えるのもいいですね」

11.グラスルーチェ|ザ・ヨット
ホームシアターを極上のギャラリースペースに格上げ
大面積のガラスパネルと金属フレームを組み合わせた姿は、一瞬「透明な彫刻?」と見紛うほど。85インチ対応の大型ディスプレイに組みこむと、映像がまるで浮かび上がるような視覚効果を演出。「サウンド機能も組み合わせれば迫力あるエンタテインメントを満喫できます」


滝田勝紀/Masaki Takita
家電スペシャリスト。電子雑誌「デジモノステーション」元編集長。楽天「ROOM」の家電公式インフルエンサーとしてフォロワー数56万人。メーカーのブランドカタログ編集のほか、コンサルタントなども兼務。
この記事はGOETHE 2025年4月号「総力特集:惚れ惚れする人生の相棒、アートな家具」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら