英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第288回。
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学生時代の同級生が、インスタでやたらパーティ写真をあげています。きらびやかな衣装を着て、シャンパングラスを片手に持った写真の数々、日本でもこんなにホームパーティって開催されているんだと驚くぐらい、彼女は毎週違ったパーティの写真をアップしています。
衣装もメイクもネイルも毎週違って、参加している人もモデル並の美男美女、あまりにキラキラした世界でついついストーリーズに足跡をつけまくっていたら、ついに先日「お前もパーティに来ないか」と誘われました。
「行ってみたい気もするけど、その同級生にももう何年も会ってないし、そんな知らない人ばかりがいるところへは行きたくないんだよね」
そう、英語ペラペラの韓国人の友人と話していたら、こういきなり言われました。
She may be a social butterfly.
直訳すると「彼女はソーシャルバタフライかもしれない」。
ソーシャルディスタンスとか、ソーシャルネットワークとか、ソーシャルがつく言葉は最近たくさん聞きますが、「ソーシャルバタフライ」は初めてで、意味を聞いてみたらこういうことでした。
social butterfly=社交的な人
蝶は花から花へ、蜜を求めて移動します。
social butterflyはパーティからパーティへと積極的に参加するような社交的な人のことを言うそうです。
また蝶は蜜を吸ったらすぐに他の花のところに飛んで行ってしまうため、1ヵ所で親密な関係を作ろうとせず、次から次へと飛んでいくというニュアンスもあるということ。一瞬「深い関係を築けない人ってこと?」とも思いましたが、social butterflyという言葉自体にはネガティブな意味はないそうなので、とにかく1ヵ所にとどまらず、どんどんソーシャライズしていく人のことを言うのでしょうか。
確かに社交的な人というのはフットワークが軽く、あらゆる場に顔を出しどんどん知り合いを増やしていくものです。私などはたまにパーティに参加しても話す人がおらず孤独、たまたま話せる人を見つけたらもうずっとその人にべったりで、嫌がられるタイプです。
A social butterfly may be a social climber.
(ソーシャルバタフライって、ソーシャルクライマーだよね)
ソーシャルバタフライの意味を私がわかったあとで、韓国人の友人はそう「ソーシャル」を被せてきました。
social climberは「上流階級の人に気に入られて、なんとか自分も上流社会入りを目指す人」のことだそうです。まさに社会を登っていく、そういうニュアンスの言葉でしょうか。「こびへつらう奴」と、ネガティブな意味で使う人も多い言葉です。必ずしもソーシャルバタフライがソーシャルクライマーであるとは限りませんが、彼女も私と同じであまりソーシャライズが得意ではない女性なので、皮肉も込めてそう言ったのだと思います。
結局私はそのパーティに参加することは遠慮しました。
同級生のインスタにはその翌週も、キラキラした様子が次から次へと上がります。私が参加していたら確実についていけず孤独だったでしょうから、決断は間違っていなかったとは思いますがもう少し社交的になって、いつかはちょっとだけキラキラしてみたいような気もします。