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2023.06.01

堀江貴文「子供をつくりたい」その理由とは?

カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する本連載。第21回は特別編として「AI(人工知能)」をテーマにお届けする。AIや、AIを用いたチャットサービスであるChatGPTは何を可能にするのか。そしてAIが進化を遂げた世界のあり方について、この分野の俊英と語った。連載「金を使うならカラダに使え!」とは……

堀江貴文 金を使うならカラダに使え!Vol.21「AI」

AIは全知全能の神になる!?

2017年に宇宙開発を目的にスペースデータを立ち上げた佐藤航陽氏は、衛星データを用いてバーチャル空間に世界を自動生成するAIの特許を取得している。佐藤氏がオンラインゲーム『フォートナイト』内に立ち上げた“バーチャル新宿”があまりにリアルだったことに堀江貴文氏がうなったところから、今回の対談はスタートした。

堀江貴文(以下堀江) この“バーチャル新宿”は衛星データからつくっているわけですか?

佐藤航陽(以下佐藤) まず、街をざっくりつくって、そこに学習をかけて整えています。衛星データじゃなくても、スマホやドローンの画像でも、衛星画像でもOKで、緯度と経度さえ合っていれば学習は進められます。

堀江 Google Earthはなぜこれができなかったんだろう?

佐藤 Google Earthの場合、写真の解像度が足りなくなると、VRがぐちゃぐちゃになって使い物にならなくなったりします。わかりやすく言うと、Google Earthがjpeg画像だとすると、こちらはPhotoshopのデータの3次元版で、近距離まで近づいた時に劣化しないよう、すべて構造化しているんです。

堀江 このAIを使ってどんなことをやろうと思います?

佐藤 自分だけで考えるのは難しいので、OpenAIのように世界中にバラ撒いて、みんながどう使ってくれるかを見てみたいですね。10代の若者が『君の名は。』みたいな映画をつくって、それがYouTubeで1億回再生されるとかすれば、めちゃくちゃ面白くなる。ネガな方向だと戦争のシミュレーションに使われる可能性もあるし、一方で、災害に強い街をつくるための都市計画にも貢献できます。

堀江 まさに、映画『マトリックス』の世界が現実になる。

佐藤 初期のOpenAIのコア会社って、100人くらいしかいなかったそうです。その100人が、10万人の天才を抱えるGoogleにケンカを売って、勝ちそうになっている。昔みたいにサーバーに何百億もかかるわけじゃないからお金はそんなに必要なくて、何名かのトップ・オブ・トップの人材が集まれば、何兆円を稼ぐ集団がつくれるんじゃないかという気がしますよね。

AIだけで子供を育てる“AIベイビー”の実験をしたい

堀江 先ほど、「最初に街をざっくりつくって学習させる」って言ってたじゃないですか。僕、いろいろと脳の本を読んだんだけど、AIがやっているディープラーニングの方法って、脳がやっていることと似ていて恐ろしいんですよ。

佐藤 最初から完成させるのではなく、徐々に初期のモデルに当てはめていくやり方ですね。

堀江 そう、ディープラーニングの画像を認識する方法って、ノイズをかけて戻すみたいなことを繰り返す。脳も、推論をして、仮説を立てて、照合して、ここはちょっと違うよ、とブレを少なくしていく。なぜこういうメカニズムになったのかというと、少ないエネルギーで済ませるため。データを全部移動するとコスパが悪いけれど、このやり方だったら、ご飯茶碗1杯分ぐらいのエネルギーで1日動く。逆に言うと、AIはエネルギーを無限に使えるから、スーパーヒューマンになれる。

佐藤 脳と仕組みが似ているということは、AIに意識や感情みたいなものが生まれても不思議じゃないですか?

堀江 多分ですけれど、もう生まれているんですよ。

佐藤 生まれているけれど、僕らには認識できていない?

堀江 AIに感情のパラメータを与えてロールプレイングで遊んでいる人がいるんだけど、ちゃんと感情を反映するらしいですよ。それって意識とか感情そのもので、そこにバーチャルに身体性を与えることもできるわけです。

佐藤 僕らも意識があるかというと、わからないですもんね。僕にはあると思うけれど、堀江さんに意識があるかどうか、僕にはわからない。

堀江 AIも同じなんですよ。僕らはどうせブラックボックスなんだから。意識があると思いこんでいるだけかもしれない。

佐藤 AIは本当にどこまで行くんだろう。

堀江 全知全能の神になるんじゃないですか。聞けばなんでも教えてくれるんだから。

佐藤 人間ができることはほぼできるようになって、AIの組み合わせによって超知性みたいなものが生まれて、その後の社会ってどうなるのか。

堀江 だから最近、僕は子供をつくりたいなと思っていて。

佐藤 ご自分のですか?

堀江 自分の子供じゃなくてもいいんだけど、他人の子供を使ってAIで育てる実験をしたいと言ったら、怒られそうじゃないですか。

佐藤 めっちゃくちゃ頭がよくなりそうですよね。

堀江 藤井聡太君ぐらい、できるんじゃないかと。だってAIは文句言わないから「この子に将棋とか英語を教えて」と頼めばずっとやってくれる。

佐藤 サービス業全般に使えますね。キャバクラとか介護や医療にも使える。

堀江 彼女なんかいらなくなりますね。自分の好みの顔貌の女性をつくって、ChatGPTで会話して、バーチャルでセックスすればいいんだから。

佐藤 すると、人間の価値ってどこに行っちゃうんだろう。

堀江 ChatGPTに文章とかラップを書かせるとすごくよくて、想像してたより早くこういう時代が来たな、ヤバいなって感じますよ。

佐藤 1%の人だけがアルゴリズムをつくって、それ以外の人は仕事をしても価値を生みだせない。

堀江 だからコミュニケーションと遊び、エンタメだと思いますよ。今までは子育てにコストがかかって大変だったけど、それがなくなると子供をつくる人が増えるかもしれない。その先がけとして、AIベイビーの実験をしたいんですよね。

■佐藤航陽氏との対談「メタバース編」は関連記事からご覧いただけます

佐藤航陽氏

Katsuaki Sato
1986年福島県生まれ。早稲田大学在学中にIT企業を設立。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を世界8ヵ国に展開、20代で東証マザーズに上場。2017年に宇宙開発を目的にスペースデータを起業、衛星データからバーチャル空間に世界を自動生成するAI技術を開発した。

Takafumi Horie
1972年福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジン開発や、アプリのプロデュース、会員制オンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」運営など、さまざまな分野で活動する。予防医療普及協会理事。『不老不死の研究』(幻冬舎)が発売中。

■連載「金を使うならカラダに使え!」とは……
カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する連載。

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