堀江貴文氏の公式YouTubeチャンネルにゲストとして登場したのは、衛星データから仮想世界を生成するAIで特許を保有する、スペースデータCEOの佐藤航陽氏。ふたりが「1人で100億稼げる時代」になるともいわれるメタバースやAIについて語った対談動画から一部抜粋して紹介する。
ひとりのクリエイターが数百億円を稼ぐ
エピックゲームズが開発した『フォートナイト』は、全世界で4億人がプレーする大ヒット作だ。バーチャル空間に世界を自動生成するAIの特許を持つ佐藤航陽氏は、『フォートナイト』に“バーチャル新宿”を立ち上げ、ゲームができるようにした。その3DのCGを見ながら、堀江貴文と仮想空間メタバースの今について語る。
堀江 要は『フォートナイト』というゲームの中に3DのCGで新宿を再現したということなんですが、これで遊べるってすごくないですか。
佐藤 2022年の秋ぐらいに、『フォートナイト』がオープン化されて外部の開発者が関与できるようになるという噂があって、タイミングを待っていたんです。自分たちが作ったものを『フォートナイト』にブチ込んだら面白いものができるんじゃないかと思っていたら、予想をはるかに上回るものができました。
『フォートナイト』って、それまでは外部のクリエイターがステージを作っても収益はほぼ発生しなかったのに、今回からは収益の4割を還元することになったんです。世界中のだれもが『フォートナイト』のプラットフォームに参画できるということなので、1人で数百億円ぐらい稼ぐクリエイターが生まれる可能性があります。
堀江 生まれますね、完全に。
佐藤 今のYouTuberのさらに上の存在になるでしょう。サーバーはエピックゲームズ側が用意してくれるので、何百万人が同時接続しようとコストがかからない。あり得ない生産性の高さになります。
AIに生成させたバーチャル新宿をFortnite上にぶち込んでゲームできるようにしてみた(開発期間は3日)。Fortnite上に並行世界が作れそう。
ChatGPTと連携してゲームシステム・ストーリー・会話などもAIに作らせて、VR対応できればガチのマトリックスだな。#UEFN #Fortnite pic.twitter.com/Ras5FUvtoD
— 佐藤航陽 🌎 著書「世界2.0 メタバースの歩き方と創り方」 (@ka2aki86) March 30, 2023
堀江 めっちゃヤバい時代ですね。ゲームって子供しかやっていないから、この事実に大人は気づいていませんよ。昔も、同じようなことがあったんです。任天堂のDSが品切れで買えないことが子供とその親の間だけで話題になって。それで任天堂の株を買ってみたら、その後めっちゃ上がったんですよ(笑)。大人の世界があまり気づいていない現象は面白いなと思う。『フォートナイト』も、子供は知っているけれど大人は知らない。
佐藤 やっていない子を探すのが難しいほどですからね。
堀江 『フォートナイト』って、ディスコード(注:音声チャットのSNS)とワンセットじゃないですか。
佐藤 若い人って親世代が使っているサービスを使いたくないってのがあるらしくて、Facebookはジジババ向けのサービスになりつつありますね。親世代がいない、子供だけの場に逃げ込みたいということで、『フォートナイト』とかディスコードが流行っている。とある調査によると、Facebookのアカウントを持っているのは新成人の7%、ユーザーは1%程度らしいです。
堀江 僕、オンラインサロンのユーザーが徐々に減っているんですよ。でも勝間和代さんだけが減っていなくて、理由を聞いたら、独自の専用SNSを使っているから関係ない、みたいなことをおっしゃっていましたね。
佐藤 最近は、Facebookやってますというと、中高年とか高齢者みたいな雰囲気ですから。
マトリックスの世界観が現実に
堀江 僕は、メタバースからちょっと距離をおいているというか、どうなるのかな、っていう感じなんですけど。
佐藤 現場感覚で言うと、メタバースの3次元空間のプレーヤーだとトップはメタ(Facebook)ではなくて、完全にエピックゲームズという流れになっています。『フォートナイト』のプレーヤーは4億人、アンリアルエンジンというゲームエンジンの精度もよそが絶対に追いつかないレベルで、株価の時価総額も10倍ぐらい。『フォートナイト』のオープン化によって、自前でメタバースを開発している会社はほぼ潰れるんじゃないかと思っているんですよ。だってあそこにアップロードすれば完了ですから。
堀江 佐藤さんの会社も、もともとアンリアルエンジンで作っていたんですか?
佐藤 そうです。少し説明を加えると、ゲームのユーザー向けが『フォートナイト』、ディベロッパーやクリエイター向けがアンリアルエンジンで、それが裏側でくっついたんですね。だからアンリアルエンジンで作れば、『フォートナイト』上で使える。
自前でメタバースのプラットフォームをつくるにしても、『フォートナイト』にアップロードすれば終わりなんですね。プレステ対応、スマホ対応も全部やってくれるんで、500万人でも1億人でも同接可能で、YouTubeの3次元版ができたと考えるとわかりやすい。これは凄まじい革命になります。スクウェア・エニックスとかバンダイがプレステに対応するように作っていたゲームを、『フォートナイト』に乗せることができるわけですから。しかも1人とか2人で開発できて、何百億円と稼げる。ジャスティン・ビーバーとかヒカキンの上位互換で、従来の常識だとあり得ない存在です。
堀江 ゲームだとノンバーバル・コミュニケーションだから、言語に関係なく、だれでも参加できる可能性がある。
佐藤 チャットシステムとかのユーザーの交流の仕組みも、全部『フォートナイト』が用意してくれるので、こちらはいい空間と面白い仕組みをつくるだけなんです。アルゴリズムとかプログラムを組み込んで違うゲーム、レースとか撃ち合いだけじゃなくて、RPGとかもつくれちゃう。
堀江 街をリアルに生成するには、どれくらいの時間がかかりそうですか?
佐藤 アルゴリズム上に指定すればニューヨークだろうが渋谷だろうが北朝鮮だろうが、一応はつくれるんですよね。現実そっくりである必要はなくて、ざっくりとしたところから、学習して整えていく。あとChatGPTで、「ビルの高さを5倍」とか、「50年前の渋谷」って打ち込めば、空間がバーっと生成される。それが自動的に『フォートナイト』にアップロードされて、参加者全員が集まれる、みたいなところまで1年とか2年で行っちゃうと思うんですよね。
最終的に撃ち合いのゲームにするのかRPGにするのか、ゲームの仕組みそのものもAIで決められる。村人Aと村人Bのアバターの会話までAIに任せられるから、あり得ない生産性と創造性で、いままで何百人が集まってゲームをつくっていたのがなんだったんだろうってなります。
堀江 マトリックスの世界ですよね。マトリックスって主要な登場人物がAIじゃないですか。ある意味、マトリックスが世界を予言していたわけだし、それがもう少しのところにまで迫っていますね。
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