毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話したことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今日は『メタバースの過疎化が止まらない』というテーマでお話ししたいと思います。
【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】
第68回 「NFTじゃなきゃいけない理由」「メタバースじゃなきゃいけない理由」が無いと、確実に失敗する
あなたじゃなきゃいけない理由を見つける
僕も、そういう声をかけていただくことが少なくないのですが…若手起業家さんが「お金を出してください」と言っている場面にチョコチョコ立ち会う機会があったりします。
そこで若手起業家さんが事業内容をプレゼンした時に、お金を出してくれる偉いオジサンから必ず飛んでくる質問が、「その事業をするのが、あなたじゃなきゃいけない理由は何なの?」です。
質問の意図は分かりますよね?
そのサービスが本当に良いものであれば、確実に競合が出てくるわけで、「その時にあなたが勝ち抜くことができる(他と差別化できる)要素は何なの?」というのは、そりゃ、お金を出す側が気になるところです。
この質問は必ず飛んでくるので、若手起業家さんは絶対に準備しておいた方がいいと思うのですが…しかし、まぁ、答えが難しい質問だなぁとも思ったりします。
というのも、ある程度、結果を残したら、「自分しか持っていない武器」があるので、優位性・特別性みたいなものをそこでアピールすることができるのですが、若手って、基本は何も持ってない。
たとえば、西野亮廣がこの世界に入る時に、「バイトに充てる時間を、すべてエンタメに充てたいので、当面の生活費を出してください!」と誰かにプレゼンしたとして、その時、「あなたは成功するんですか? エンタメを作るのが、あなたじゃなきゃダメな理由は何なの?」と詰められても、19歳の西野亮廣はたいしてイイ答えを持ってないんですね(笑)。
たぶん、「ぐふっ…」となっちゃう。
まぁ、ほとんどの若手がそうだと思います。
そこそこイジワルな質問なんです。
でも、「あなたじゃなきゃダメな理由」というのは、毎回出てくる質問だけあって、とても大切なことではある。
サービス設計では「○○じゃなきゃいけない理由」が絶対に必要
個人が世に出る時は「あなたじゃなきゃダメな理由」には若干、情状酌量の余地があるんですけども、これが「サービス設計」の話になってくると、「○○じゃなきゃいけない理由」は絶対に必要なんです。
ここに情状酌量の余地はなくて、○○を絡める以上は、「○○じゃなきゃいけない理由」は絶対に絶対に必要なんです。
たとえば、『白熱教室』(プレミアム放送)でも展開しましたが、僕が次に仕掛けたNFTの新プロジェクトというのは、NFTじゃなきゃ成立しないんです。
会議とかでよくあるのが、「今、NFTが流行ってるらしいから、ウチもNFTを絡めて、何かできないか?」みたいな流れなんですけど、そこで出てくる答えのほとんどは、「それ、NFTじゃなくてもイケるじゃん」なんです。
たとえば、具体名は避けますが、行政とか、ダサい企業が仕掛けるメタバースって、「バーチャル○○」みたいな感じで、大金はたいて、なんか「自動車教習所で見させられるビデオに出てくる残念デジタルタウン3D」を作ったりしがちですが、あれの99.9%は「メタバース」じゃなくてイイんです。
じゃあ、「なんでメタバースをやっているか?」というと、答えはシンプルで、先ほども申し上げましたが、行政や企業の会議で、時代を読めていない小太りの役員が「今、メタバースが流行ってるらしいから、ウチも参戦するでっ! 時代に先乗りやでっ!」とかバカなことを言い出すんです。
NewsPicksか何かを見て、熱くなっちゃったんだと思います。
「メタバースならでは」を創造していないメタバースは無価値
だけども、わざわざ面倒なログインをかまして、「バーチャル品川区」を歩こうと思います?
お豆腐状の建物が建ち並んだ、フォートナイトとか、モンスターハンターの、2000年前ぐらいの解像度で仕上がった町に行く理由がないじゃないですか?
「メタバースならでは」を創造していないメタバースは無価値で、「メタバースならでは」というのは「世界の創造」なので、素人がおいそれと手を出せるものじゃない。
お金をかけてもかけても溶かすだけです。
NFTとか、メタバースとか、DAOとか…そういった時代時代のトレンドワードと、自分達の事業を絡める時に、「とりあえず絡めちゃう」をやりがちですが、そこに「NFTじゃなきゃいけない理由」「メタバースじゃなきゃいけない理由」「DAOじゃなきゃいけない理由」が無いと、確実に失敗するので、会議で小太りの役員がテキトーなことを言い出したら、一度、「掛け算するのは結構ですが、NFTじゃなきゃいけない理由は何なんですか?」と質問してみてください。
あいつら、ビックリするぐらい何も考えてないんで(笑)
特に、行政が皆さんの税金を使って、そんなことをしていたら、市長なのか区長をガン詰めした方がいいと思います。
5億、10億、20億…と平気で溶けるんで。
あんまり言っちゃうと怒られるので、このへんにしておきます。
まとめとしては「あなたじゃなきゃダメな理由は何なの?」は、ちょっと答えにくい部分もあったりもするけれど、NFTを絡めたサービスを設計する時に「NFTじゃなきゃダメな理由」は絶対に必要になってくるので、ここは徹底しましょう。
お知らせ! キングコング西野亮廣がデザイン監修を手がけたゴミNFTコレクション『Poubelle』をOpen Seaで販売中
DAOコミュニティ「CHIMNEY TOWN DAO」より、週に1体ずつ描きおろしの1点物のゴミのNFTコレクション「Poubelle」を、オークション形式で販売しています。
『Poubelle』(フランス語で「ゴミ箱」の意)は、そのへんに落ちてるゴミをモンスター化してみたNFTコレクションです。
お知らせ! プペル歌舞伎の写真(額装済み&保証書付き)の新作『父と息子』(限定20点)が出ました
追加生産はしない作品なので、興味がある方は是非。
【限定20枚】プペル歌舞伎『親子』
お知らせ!『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!
『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
12月4日(日)に福岡、
12月23日(金)に愛媛で、それぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報
よろしくお願いします。
西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。また「えんとつ町のプペル」は、ミュージカルや歌舞伎にもなっている。
●国内最大となる、約4万人の会員数を誇る有料会員制コミュニティー(オンラインサロン)「西野亮廣エンタメ研究所」はこちら。
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