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2023.05.10

史上2番目に大きい米国銀行破綻から考える資産形成とは

お金とは何か、投資とは何かを考える。連載「アフターコロナのお金論」とは……

アフターコロナのお金論

2008年リーマン・ショック以降、銀行では米国最大の破綻

2023年5月、カリフォルニア州に拠点を置く銀行であるファースト・リパブリック・バンクが経営破綻しました。3月にはスタートアップやテクノロジー企業への融資で広く知られ、シリコンバレーのエコシステムの中核を担ってきたシリコンバレーバンクも経営破綻、米連邦預金保険公社の管理下に入りました。5月のファースト・リパブリック・バンクの経営破綻は、3月のシリコンバレーバンクを超えて、史上2番目の規模。このように連続したアメリカ金融機関破綻のニュースは、世界中に激震を走らせました。

シリコンバレーバンクの例を見てみましょう。この銀行は土地柄もあってスタートアップへの融資が多いため、シリコンバレーバンクの預金は他の金融機関と比べて個人預金が少なく、法人顧客で構成されていました。起業したら当然のように口座を持つ銀行として、シリコンバレーでも人気の銀行です。ただ2023年3月、シリコンバレーバンクは巨額損失を出しての債券売却と増資を発表しました。すると一気に不安が広がり、そこに有名な投資家からの声も拍車をかけて、ファンドから資金調達を受けているスタートアップが一斉にシリコンバレーバンクから預金を引き出しはじめました。

スタートアップでは定期預金ではなく普通預金でいつでも引き出せるように対策している企業も多いため、預金が一気に引き出されてしまい、シリコンバレーバンクは預金残高が急激になくなり、数日で破綻まで追い込まれたのでした。それは発表からたった3日間の出来事でした。

デジタル時代の預金の取り付けとは

それではお金のトレーニング。

このような金融機関の破綻の原因となった、信用不安によって金融機関でおきる取り付け騒ぎ。現在では、SNSやインターネットを通じた金融サービスが普及したデジタル時代の預金の取り付けという意味で、なんと呼ばれるでしょうか?

答えは「デジタル・バンク・ラン」。以前は窓口に殺到する「バンク・ラン」でしたが、金融サービスのデジタル化によってそのスピードが一気に加速しているのです。

次にファースト・リパブリック・バンクについてです。1985年に創業しており、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨーク、ボストンなどに84店舗を展開している地方銀行です。3月10日のシリコンバレーバンク破綻、3月12日にはニューヨークに拠点を置き資産規模が14兆円もあったシグネチャーバンクの破綻。その連鎖破綻で金融不安が増していき、ファースト・リパブリック・バンクはアメリカ当局によって保護されない預金の割合がおよそ70%と大きかったことなどから、顧客が預金を引き出す動きが強まり、株価が急落して経営懸念が高まりました。金融不安が起きる前と比べると株価が20分の1まで下がり、救済としてJPモルガンが買収することになったのです。

現金を銀行に預けている人がほとんどだと思いますが、それだけだと資産が現金に集中していて非常にリスクの高い状態と言えます。

資産を最も守れることを表した投資の格言とは

それではお金のトレーニング。

資産を分散することがリスク分散になり、資産を最も守れることを表した投資の格言があります。それはなんでしょう?

答えは、卵をひとつのカゴにもるな、です。複数の卵をひとつのカゴに入れておくとそのカゴが壊れた時にすべての卵が割れてしまいますが、複数のカゴに分けて入れておけば被害を最低限にできるという考え方です。分散投資は基本中の基本と言えるでしょう。

現金だけ持っていることは現金への集中投資状態である、ということ。さらに現金を預かる銀行も破綻することはあります。デジタル・バンク・ランにより、金融の変化のスピードも早くなって予測・対策が難しくなってきています。

だからどんな事態にも対処できるように、分散投資で備えることが必要なのです。資産を現金・株・不動産・債権・金などの種類に分散したり、例えば株も国内株や海外株など、地域で分散させることでよりリスク分散できることになります。

投資は分散投資が基本ですが、そもそも投資するにも元手が必要です。ですので、20代のうちは仕事で稼ぐことに比重をおいても良いと思います。私もそうでした。

若いうちに給与を上げやすい方法

最後に若いうちに給与を上げやすい方法をいくつか紹介しようと思います。

まず大前提として「成果」を出すこと、出し続けることです。それがないと給与はどうやっても上がりません。

その前提のうえで給与を上げやすい方法として、ひとつはポジショニングがあります。人や需要の集まるところに身を置くことです。人のほとんどいない砂漠の村に身を置くのではなく、大都会に身を置く方が給与が高いのは人と需要が多く集まるからです。企業で言うと、成長産業に身を置くこと。今はまだ小さくてもこれから成長する領域にはチャンスが溢れています。これはニュースになっている注目領域だったり、政府の発表をよく見ておくことです。

さらに成長産業の中でもNo.1の企業に身を置くこと(入社試験は頑張りましょう)。人はランキング5位や6位ではなく、ランキング1位のものを買いたくなるものなので、そこに需要が集まり続けます。だから出来ることならそこにポジショニングするのです。世の中みんなが成長産業だと気付いてからは入社試験のハードルがぐんぐん上がりますので、先にその情報に気づけた人はそれだけで先行者メリットがあります。

またチャンスの量を増やすことも成果の可能性=給与アップの可能性を高めます。それには、社流を読み、発信を怠らず、上司と徹底的に仲良くなっておくことです。感情的に上司と対立してうまくいくのはドラマの世界だけで、残念ながら、現実はチャンスが回ってきにくくなります。でも成果の可能性を上げるには、上司からいい仕事をいくつももらっていくことが重要です。

サッカーで言うと、自分のチームの戦略(攻めるパスサッカーなのか、1-0で守り抜くサッカーなのか)を理解し、自分は何が得意かを監督に発信し、試合中もスペースが空いてたらパスをくれと発信。その下準備として常に監督やチームメイトと仲良くなっておくことです。そうするとスタメン出場のチャンスが増えたり、パスをもらえるチャンスも増えて、ゴールを決められるチャンスが増えるというわけです。

ただ最後は仕事もサッカーも自分の技術次第なので、努力して日々技術を磨き、仕事を頑張るしかありません。でも技術がせっかく高まっても、試合にでないと話は始まらないし、そこでいいポジションだったりパスが来ないとゴールは決められない、つまり給与も上がらないわけなので、そこを忘れずに頑張っていれば、同じ努力でも同僚よりもきっと稼げるようになっていくことでしょう。

そうして効率的に稼げるようになっていきながら、徐々に資産を分散させて、投資の世界へと足を踏み入れていく。このステップが資産を形成するうえで、最も確率が高い手法だと思っています。

■連載「アフターコロナのお金論」とは……
お金のトレーニングスタジオ「ABCash」を運営する児玉隆洋氏が、コロナ後のお金と資産運用についてレクチャー。お金とは何か、投資とは何かを考える。

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過去連載記事

児玉隆洋/Takahiro Kodama
1983年宮崎県生まれ。大学卒業後、サイバーエージェントに入社。Amebaブログ事業部長、AbemaTV広告開発局長を歴任。2018年、海外に比べて遅れている日本の金融教育の必要性を強く感じ、株式会社ABCashTechnologiesを設立。代表取締役社長に就任。2019年、すごいベンチャー100受賞、スタートアップピッチファイナル金賞。著書に『未来のお金の稼ぎ方 お金が増えれば人生は変わる』がある。

ABCashについて

TEXT=児玉隆洋

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