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2022.12.12

「やだ変なこと考えないで」「変な誤解しないでよ」を英語で言うと?

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第174回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……

Illustration=Norio

You are in the gutter.=お前はガーターの中にいる!?

サッカーワールドカップが盛り上がるなか、試合後に各国のサッカーファンのSNSを見て回るのも楽しみのひとつになりました。

先日は会場でゴミ拾いをする日本人サポーターの様子が、FIFAの公式Twitterアカウントで上げられていました。しかしその動画を逆再生し、「日本人がゴミを散らかしている」とツイートしている人をTwitterでみかけました。

現状そのツイートはむちゃくちゃ炎上しているのですが、ツイートされたばかりの頃にこんなコメントがついていました。

You are in the gutter.
(お前はガーターの中にいる)

ボーリングの「ガーター」を思い出しました。そこに「いる」とはどんな状態なのでしょうか。

辞書を調べてみたらコリンズ英英辞典にこう載っていました。

If someone is in the gutter, they are very poor and live in a very bad way.
(もし誰かがガーターのなかにいたら、彼らはとても貧しく、とても悪い方法で生きている)

ということで、逆再生してツイートした人に対して、「お前はなんて(心の)貧しいやつだ」とコメントしていたということになります。

ガーターとは、ボーリングのガーターもそうですが、通常道端の溝、側溝や屋根についている雨よけのパイプのことをいいます。そんな場所に「いる」、ということは「貧しい」ということになるようです。

ただ一方で、スラングの辞書、アーバンディクショナリーでは、こうも説明されていました。

If someone says your mind is "in the gutter," they probably mean that you constantly think about sex or sex-related things.

(もし誰かが「お前の心はガーターの中にある」と言ったのなら、おそらくそれは「お前がいつもセックスや、それに関連することばかり考えている」という意味だ)

つまり「心がガーターの中にある」→「心が汚れた側溝の中にある」→「心が汚れている」→「エロいことばかり考えている」というようなことでしょうか。

逆再生のツイートを批判した人は、こっちの意味では使っていなかったと思うので、どうやらどの文脈で使われたかによっても意味が違ってくるようです。

けれども調べてみると、こういうフレーズもかなりみかけました。

“Get your mind out of the gutter.(ガーターから心を取り出せ!)”

これに関しては「エロいこと考えるんじゃない」「変な誤解しないで」という、エロ寄りの意味になる場合が多いそうです。

例えば「あの子、バナナが好きなんだって」というコメントに対して、ムフムフ笑っている人がいたら“Get your mind out of the gutter!(変なこと考えるな!)”と言える、みたいです。

ちなみに
7 Ways To Get Your Mind Out Of The Gutter
というコラムもネット上で発見しました。
「汚い考えを捨てるための7つの方法」という記事です。そのイントロがおかしかったので、紹介させてください。

――
Getting your mind out of the gutter essentially means to stop associating a remark with a dirty thought.

(“Getting your mind out of the gutter”とは、つまり「汚れた考え方をやめる」ということ)

For example, if someone says “Grab some balls and let’s go!”, you might misinterpret that as a sexual situation.

(たとえば、誰かが「ボールを握って、いきましょう!」といったとして、あなたは、そのセリフからセクシャルなシチュエーションだと勘違いしてしまうんです)

When in fact, the other person meant that “Grab some cheese balls (potato chips) from the market’s shelf and let’s go pay for it!”

(けれど、実際その人は「(お店で)チーズボールを買おうか、じゃあレジに支払いに行こう」と言っているだけなんです)

This phrase doesn’t necessarily associate with a sexual situation.
All it means that you misinterpret someone else’s words with a dirty correlation.

(セクシーなことなんてなんも関係ないのに、すぐあなたはそう誤解しちゃうんです)
――

“Grab some balls and let’s go!” 「ボールを握って、いきましょう!」で、そんな勘違いする人いるんだ!? と驚いてしまいましたが、さらに記事を読むと、瞑想をしたり、悩みを書き出したりして、gutterに心がハマってしまわないようにしましょう、と書かれていました。ですので依存症などの深刻な問題にまで話がいっている感じでした。

とはいえ、「いや、変なこと考えないでよ!」と日本語でも言う機会はわりとあるので、ぜひ“Get your mind out of the gutter!”を覚えておきたいと思いました。

過去連載記事

連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

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連載
英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

TEXT=MOMOKO YASUI

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