35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第163回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
お前、喉にカエルいるぞ??
先日ちょっと嫌なことがあり、やけ酒して寝たら、翌日喉が完全に酒焼けを起こしました。
ガラガラ声になってしまったため、時勢柄周りの人を心配させてはいけないとその日は外に出ず、1日オンラインや電話で仕事のやりとりをしました。
仕事でのやりとりのなかには、日本在住日本語ペラペラなイギリス人の方も入っており、その方は私の声を聞くなりこう言いました。
You have a frog in your throat.
(お前、喉にカエルいるぞ)
あまりに直接的な言い様で、飲んでいた水を吹き出してしまいました。
普段日本語で話す方なので、英語がわからないと思って、ガラガラ声を英語で馬鹿にして。そう思いましたが、一応こっそり辞書で引いてみたら、このフレーズが載っていました。
have a frog in your throat
=to have difficulty in speaking because your throat feels dry and you want to cough
(喉が乾いて咳が出そうで、喋るのが難しいこと)
こういう状態のことを、表現するフレーズだそうです。まぁ私は咳が出そうというよりか、終始喉が焼けて乾いていたため、カエルのような声が出ていたので、言われたのでしょうが。でも、「お前、カエルみたいな声だな」と言われたというよりかは、もともとあるフレーズであるなら、まぁもうちょっと優しいニュアンスであった、と信じたいです。
ガラガラ声の状態でミーティングを続け、「とりあえず、今はこうした方がいい」と懸案事項について意見をしたところ、またその人が英語でこう言ってきました。
You have a good head on your shoulders.
(肩の上にちゃんと頭乗っかってんじゃん)
瞬時に私の頭の中ではこう訳されました。「へーたまにはまともなこと言うね、その肩の上に乗っているもの、ちゃんと頭なんだ」と言われたような気がしました。何度も言いますが彼は普段日本語で話すので、英語で話されると「悪口言っているに違いない」と思ってしまうのは私の偏見なのかもしれません。
そしてこれも辞書に載っているフレーズでした。
have a good head on your shoulders=
to have good judgment and be able to make good decisions:
(いい決断、いい判断ができること)
別に馬鹿にしているわけではなくて、「いい判断だ」と言いたいだけだった……はずです。
今日の私は、喉にカエルがいて、肩にいい頭が乗っかっている人……。
なんだか気持ち悪いビジュアルが想像され、二日酔いが悪くなった気がするので、その日は早く仕事をおしまいにしました。お酒はほどほどにしたいと思います。
Illustration=Norio
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。