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2022.02.14

”お酒をがぶ飲みする”を英語でなんて言う?──連載「人のEnglishを笑うな」Vol.131

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」第131回!

がぶ飲みするは、英語でこういう

先日スウェーデンの方とスカイプで話していたら、英語でこんなことを言っていました。

We took place Izakaya Night last weekend. I prepared Japanese Sake and Shochu,
(先週末、IZAKAYAナイトを開催したんです。日本の酒と焼酎を用意したんですよ)

Then, one of my friends knocked back Sake, I couldn't believe it!
(で、友人のひとりが、酒をノックバックしたんですよね。信じられない!)

英語の聞き取り能力が落ちているので、正確なフレーズは覚えていないのですが、こんなようなことだったと思います。

日本から遠いスウェーデンで、日本のお酒を飲む「居酒屋ナイト」が行われているのかと思うととても不思議な感覚です。
しかしながら「酒をノックバックした」とはなんなのかわからず、聞いてみると。

「いっきにたくさん飲んだってことですよ。高いものなのに、信じられない!」と流暢な日本語で教えてくれました。

ケンブリッジの辞書にも「knock back+sth(何か)」はこう説明されていました。
to quickly drink something, especially a lot of alcohol

一気に何かを飲むこと。特に、たくさんのアルコールを飲むこと。

他にもいくつか意味がある慣用句ですが、「knock back+飲み物の名前」という型になると「(飲み物の名前)をがぶ飲みする」ということになるようで、主に酒類に使われるようです。

このような例文もありました。
She was knocking back the champagne at Maria's party.

(彼女は、マリアのパーティで、シャンパンをがぶ飲みしていた)

パーティに呼ばれておいてがぶ飲みしたということは、彼女は主役のマリアとなにかあったのかもしれません。

確かに、日本の酒をスウェーデンで購入したら高いでしょうし、せっかく奮発して買ったものをがぶ飲みされて、いい気はしないでしょう。

「魚のように飲む」とはどんな飲み方!?

ちなみにその方が教えてくれた、スウェーデンのお酒事情を聞いて、私はとても驚きました。
「そもそもスウェーデンでは、スーパーやコンビニではアルコール度数3%以上のものは売っていないんです。お酒を買いたければ国が運営する特別なお店に行って買うんですよ」

「国営の酒屋」と聞くとなんとなく無造作な店内で、厳しい審査があるのかと思ったのですがこれが「どのお店よりも素晴らしいサービスを目指している」とのことで、世界中ほしいお酒があれば、なんでも、お店にオーダーして、輸入してもらえるのだそうです。
「だから日本の酒も、オーダーすれば簡単に手に入るんです。まぁ輸入になるのでその分結構高いですけど」とのこと。さらには「今日の夕食、ロールキャベツにしようと思うんだ」といえば、店内からソムリエのような人が出てきて、献立に合う酒を探してくれるそう。日本でも酒屋に行けばそのようなサービスはあるかもしれませんが、スーパーやコンビニで買うことに慣れてしまっている私にとっては驚きでした。

「スーパーでお酒が買えないのは、アルコール中毒の人を減らすためなんです。まぁこのお店でいくらでも買えるし、意味があるかわかりませんが」
とその方はおっしゃっていました。とはいえ、このお店は日曜は営業していない、など営業時間が限られているようなので、日本のようにお酒は、ほしい時にいつでも買えるというものではないみたいです。

「じゃあ、普段はあまりお酒飲まないの?」と聞いてみたら、彼は笑いながら今度は英語で答えました。

I do drink like a fish!

「ライク ア フィッシュ?」と聞き返しながら、同時に辞書を引いたらこういうことでした。

drink like a fish=
to drink too much alcohol(大量のお酒を飲むこと)

魚が水の中にいるように、自分も酒に囲まれている、というような表現でしょうか。
スーパーに酒が売っていなくても、「全然普段からたくさん飲むよ」とのこと。

いろいろな国の人と話すことで、言語や文化も学べるなぁと、改めて実感しました。

Illustration=Norio

TEXT=MOMOKO YASUI

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