今回はグリーンまで150ヤードくらいの状況で、あなたはどのようなことを考えてボールを打つだろうか。スコアをまとめるマネジメント法を紹介。
絶対に打ってはいけない場所を見極める
次のショットがグリーンまで150ヤードくらいの状況で、あなたはどのようなことを考えてボールを打つだろうか。
もちろん、ベストな結果はプロゴルファーのようにピンそばにボールを運ぶことだが、毎回そのようなショットができれば苦労はしないだろう。自分の思いどおりのボールが打てたとしても、風の影響や芝の状態などでうまくいかないこともある。
ゴルフはコースを攻略するスポーツであり、1打でも少ない打数でホールアウトするために次のプレーをホールから逆算して考える必要がある。
アマチュアゴルファーの場合、思いどおりのショットを打てる確率が低いため、成功したショットをイメージするよりも、うまくいかなかった場合を考えて危機管理をしながらプレーするほうがスコアがまとまりやすい。
次のショットを打つ前に、絶対に打ってはいけない場所を把握するようにしてほしい。
たとえば、前出のグリーンまで150ヤードというケースであれば、絶対にボールが行ってはいけない場所を見極め、そのエリアを避けるように攻めることが大事になる。
危険なエリアを把握しつつ、ミスをしてもいい場所を割り出し、最良の結果をイメージしてショットをすることで、ベストとは言えないまでもベターな結果が得られる確率が高まるのだ。
状況と自分のスキルを考えて狙いを決める
コースを攻略するうえで、的確な状況判断は欠かせない。
グリーン周りにはバンカーや大きな傾斜がある場合が多いので、それらを避けて攻める必要がある。さらに、グリーンのどこにカップが切られているかによって次のショットの難易度が変わるので注意が必要だ。
次のショットを打つ前に、どこに危険なエリアがあるのかを確認してみてほしい。ペナルティーエリアはもちろん、ラフやバンカー、傾斜の強いエリアに行かないように気をつける必要がある。
バンカーやラフなどはトラブルが起きやすいものの、次のショットを打つことができるエリアだ。
バンカーを怖がっている人は多いが、すべて同じだと考えずに冷静に状況を把握してみてほしい。
土手が高くてカップまでの距離が遠いバンカーショットの場合、難易度が高いショットになるため、うまくバンカーから脱出できたとしても長い距離のパッティングが残ってしまうかもしれない。
一方、土手が低い浅いバンカーの場合、カップまでの距離がそれほど長くなければ難易度はそれほど高くないため、バンカーに入れてもリカバリーできる可能性がある。
だが、これはある程度バンカーショットに自信のある人の話であって、そもそもバンカーショットが苦手な人はバンカーを避けなければいけない。それぞれの力量に応じて判断をすることが重要だ。
次に考えなければならないのがピンポジションだ。
プロゴルフツアーではピンを端に切ることが多く、カップからグリーンエッジまでが短いエリアをショートサイドと呼び、そちらのエリアにボールを外すと寄せることが難しくなることが多い。
ピンまでの距離が短いため次のアプローチショットは易しいと思われがちだが、カップからグリーンエッジまでの距離が短いとボールを転がせないケースが多い。そのため、ボールを上げてピタリと止めるようなショットが必要になる。
スピンショットやロブショットは距離感を合わせることが難しいためアプローチショットの成功確率は低くなる。グリーンを外す場合、グリーン面を使える側(カップからグリーンエッジまでが長いエリア)からアプローチショットを打つほうがボールを転がすアプローチを打つことができるため難易度が下がる。
ターゲットエリアから逆算して状況を判断すれば、避けるべきエリアが明確になるはずだ。打ってはいけないところと、リカバリーが可能な場所を見極めてグリーン周りのアプローチに臨んでほしい。
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◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。