実はまだ訪れていなかったあの島からアクセス困難のあの島まで。一度は行っておくべき島は日本にまだまだたくさんある! 【特集 死ぬまでに泊まりたい島ホテル】

1.青ヶ島
上陸困難、絶海の孤島
高さ250mの崖に囲まれた外輪山と内輪山がある二重カルデラの火山島。日本で最も人口が少ない。人が住むエリアは外輪山の上にあるため標高が高く、住民は海を見下ろし暮らしている。波が高いと断崖の港に船をつけられないため上陸困難な時期もある。

地域:東京 伊豆諸島
アクセス:八丈島からフェリーで約2時間半、ヘリで約20分。天候が穏やかな4〜6月は比較的上陸しやすい
名物:地熱を利用したサウナと、焼酎の「青酎」。
2.久高島
神の島に降り立つ恍惚
創世神話に登場する女神が最初に降り立ち、ここから琉球がつくられたとされている琉球王朝の聖地。島内には立ち入り禁止の祈りの場があり、近年まで島民から女神を決める祭事を行っていたというこの島を、ぐるっと一周して身体中に神聖なパワーを宿らせたい。

地域:沖縄
アクセス:安座真港から高速船で約15分
注意:ビーチはいくつかあるが信仰の対象であるため泳いでいいのは港の北のメーギ浜のみ。
3.悪石(あくせき)島
ふらりとは行けないからいい
トカラ列島のほぼ中央に位置する周囲を断崖絶壁に囲まれた島。亜熱帯植物が繁る山は、神の住む場所とされ盆の時期にはボゼと呼ばれる神が、人々に悪魔祓いの赤土をつけにやってくる。温泉も豊富で、海岸の岩間に湧き出る海中温泉、地熱を利用した砂蒸し風呂もある。

地域:鹿児島 トカラ列島
アクセス:鹿児島港からフェリーで列島の北の入り口まで約6時間15分、奄美大島名瀬港から列島の南の入り口まで約3時間
注意:フェリー入港は週2〜3回。
4.硫黄島
島そのものがもう温泉
「硫黄島の戦い」のあの島ではなく、鹿児島県の火山島。現在も活動する海底火山であるため温泉が絶え間なく噴出。海岸線はその成分で七色に染まり、周辺には傷を負った亀などが身体を癒やしにくるという。野趣溢れる海岸の露天風呂に浸かって、生命力を得たい。

地域:鹿児島
アクセス:鹿児島港からフェリーで竹島まで約3時間、竹島からフェリーで約30分
必要なもの:海岸の風呂は遮るものがないので、水着持参がベター。
5.父島
24時間の船旅でしかたどりつけない
本土からおよそ1000km、周りに大きな島もなく夜は人工の灯りがほとんどないことから「夜空の暗さ日本一」と言われ、国立天文台の観測所があるなど星空を眺めるのに最適な島。太平洋戦争時には要塞になり、現在も砲台の跡などが残る。

地域:東京 小笠原諸島
アクセス:竹芝桟橋よりフェリーで24時間
注意:到着したら、次の本土行きのフェリーは3日後。
6.北木島
日本を支えし石の島
かつて銘石の産地として知られ、徳川幕府が再築した大坂城の石垣、旧日本銀行本店、明治神宮、靖国神社でもこの島の石が用いられている。一時は海外にも輸出されていた。高さ60m以上の採石場展望台から、石の絶景を見下ろして、歴史に思いを馳せるのもいい。

地域:岡山
アクセス:伏越港または住吉港よりフェリーで約60分
必要なもの:体力。島内移動は自転車推奨のため。
7.佐渡島
流刑の地で、史跡にふれる
日蓮聖人や世阿弥など錚々たる人物が流されたいわば島流しのメッカ。かつて金の採掘がさかんで、その設備のひとつである北沢浮遊選鉱場跡は、緑が覆いかぶさり「佐渡ラピュタ」とも言われて観光地化。32を超える能舞台があるなど人々の暮らしと文化を知るのが面白い。

地域:新潟
アクセス:新潟港または直江津港からフェリーで約2時間半
豆知識:日本の離島としては沖縄本島に次ぐ大きさ。付近の「粟島」は釣りの名所。
8.黒島
ふらりと浸りたい歴史ロマン
レンガと木造の教会「黒島天主堂」は一度見ておきたい。高い天井、ステンドグラスから降り注ぐ光は禁教時代を超えて地元の信徒たちが自ら造ったもの。そのロマンにも浸りたい。午前のフェリーで到着、サイクリングで島を一周し午後のフェリーで佐世保に戻ることも可能。

地域:長崎
アクセス:相浦桟橋からフェリーで約50分
備考:長崎県五島市にも同名の黒島が存在するが、そちらは2022年から無人島になっている。
9.福江島
絶壁の灯台から何を見る
最西端に位置する大瀬埼灯台は、九州本土で最も遅い時間に夕陽が沈む場所で、映画『悪人』のロケ地としても知られている。灯台と海のコントラストが美しすぎて「灯台を見るための展望台」が設置されている。隠れキリシタンが潜んだ教会を巡りながら展望台にたどりつきたい。

地域:長崎 五島列島
アクセス:長崎港から高速船で約1時間40分
豆知識:博多からの約9時間のフェリー航路もあり。
10.祝島
漆喰の石垣に猫を探す
瀬戸内海に浮かぶハート型の島。表面を漆喰で固められた石積みの練塀が見られる国内で唯一の場所。韓国の済州島でも見られる様式だが、交流があったかは定かでなく強風から家を守るためとされている。壁の間から顔を出す島の猫を眺めながら、ゆっくりと歩いてみたい。

地域:山口
アクセス:柳井港からフェリーで約70分
豆知識:約50匹の猫が暮らすと言われ、猫島とも呼ばれる。
この記事はGOETHE 2025年6月号「総力特集:楽園アイランド・ホテル」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら