お気に入りの島に通うのもいいけれど新たな島を開拓するのもいい。ウィッシュリストに追加したい島々を編集部の独断と偏見で紹介する。【特集 死ぬまでに泊まりたい島ホテル】

1.ジープ島
絵に描いたようなTHE 無人島
青い海に浮かぶ直径34mの島内には、水道電気はないもののコテージがあり宿泊可能。雨が降れば海にダブルレインボーがかかり、晴れれば夜は遮るもののない満天の星空。年間平均気温30度と一年中ベストシーズンのこの小島と海を、独り占めする日が人生にあっていい。

国:ミクロネシア連邦
アクセス:グアムからウェノ島まで飛行機で約90分、ウェノ島からクルマと船のチャーターで約70分
備考:生活水は雨水を利用。シャワーはバケツ1杯まで。島内にはスタッフが常駐。
2.ソコトラ島
本当に地球? 未知との遭遇
インド洋のガラパゴスと呼ばれ、300種類以上の特有の動植物が生息する世界自然遺産の島。なかでも血管のように枝を張り巡らせ、血のような真っ赤な樹液を蓄える「竜血樹」がこの島のシンボル。見たことのない動植物と出会う旅をしたい。

国:イエメン
アクセス:アブダビから飛行機チャーター便で約4時間ほか
豆知識:竜血樹の赤い樹液は、樹齢200年を超えないと取れない。
3.パスクア島
どうしてもモアイは見たい
通称イースター島に立つモアイ像は生涯で一度は見てみたいもの。この像は集落の守り神としてつくられたが、部落間の争いで倒され、もともと描かれていた目の部分が破壊されるなどした。一部倒れたままで残っている像もあるが現在島内にある像の多くは復元されたもの。

国:チリ
アクセス:チリのサンティアゴから飛行機で約5時間
注意:モアイ像を見るにはラパ・ヌイ国立公園のチケットとガイドの予約が必要。雨が多いので雨具必須。
4.ロベン島
監獄島。これが本当の島流し
周辺の海流が荒く、脱出困難なため17世紀頃から流刑地となり、ハンセン病患者の隔離場所としても利用された。アパルトヘイトが施行された当時は活動家が多く収監され、ネルソン・マンデラもそのひとり。歴史を変えた男が過ごした島で人類の未来について考えてみたい。

国:南アフリカ共和国
アクセス:ケープタウンのビクトリア&アルフレッド・ウォーターフロントからフェリーで30分
必要なもの:酔い止め。船がとにかく揺れるので必ず持参のこと。
5.タージレイクパレス
まるで船! 湖に浮くホテル
インドのウダイプルにある人工湖ピチョラ湖に浮かぶ島、その全体がホテルになっているのがこのタージレイクパレス。もとはマハラジャの宮殿として建てられた豪華絢爛な建築、映画『007 オクトパシー』が撮影された場所としても知られている。

国:インド
アクセス:ウダイプル空港からクルマで約60分の場所から、宿泊者専用ボートですぐ
備考:雨季は6月から10月まで。激しい雨が降るのでこの時期の渡航は注意を。
6.スオメンリンナ島
難攻不落の北のジブラルタル
18世紀に当時スウェーデン領だったフィンランドで着工、40年ほどかけてつくられた世界最大の海防要塞が存在する島。世界遺産になっていて、現在は緑が生い茂り、散策を楽しむことができる。6kmにわたる城壁沿いに歩きながら、かつての難攻不落の要塞を探訪してみたい。

国:フィンランド
アクセス:ヘルシンキよりフェリーまたは水上バスで約20分
豆知識:要塞が星形なのは、死角をなくし海からの侵入を防ぐためと考えられている。
7.ゴットランド島
いざ、ファンタジーの世界へ
バルト海最大の島ゴットランド島にある、城壁に囲まれた街ヴィスビーは中世の建物も多い世界遺産。『魔女の宅急便』のモデルのひとつとも言われている。赤い煉瓦屋根の家と、ところどころに立つ教会、まさに魔女がほうきに乗って舞い降りたあの場所そのもの。

国:スウェーデン
アクセス:スウェーデンのオスカルスハムンよりフェリーで約3時間ほか
豆知識:人間より羊のほうが多いと言われていて、天然羊毛のセーターやブランケットが土産にいい。
8.キジ島
完全異世界の木造教会群
湖に浮かぶ長さ約7km、幅500mの小島に立ち並ぶのは木造の教会。さらにロシア各地から風車など木造建造が移築され島全体が特別保護地域になっている。丸いフォルムの教会、特に雪のなかで見るそれはまるで異世界。釘を使わない木造建築で再建が難しいという。

国:ロシア
アクセス:カレリア共和国のペトロザヴォーツクからフェリーで約60分ほか
注意:冬季はアクセスが限られスノーモービルやヘリコプターでのツアーに参加を。
9.アイラ島
スコッチの聖地で酔いどれる
島内に9つのウイスキー蒸留所が点在、グレンモーレンジィやアードベッグ、ボウモアなどおなじみの味が生まれるその場所を訪れて、それぞれに味わう旅もいい。訪れる観光客はほぼスコッチ目当て、落ち着いた大人の客層で、商業施設も少なく静かにグラスを傾けるにはいい。

国:スコットランド
アクセス:グラスゴーから飛行機で約40分ほか
注意:海風に吹かれてドライブしたいところだが、スコッチを試飲したければタクシーを半日または1日貸切で移動すること。
10.クガリ島
世界最大の砂の島でドライブ
ビーチが120km続く、以前はフレーザー島と呼ばれていた砂の島。砂に強度があるためビーチをドライブできる場所もある。砂丘の上だが熱帯雨林が広がり、その中には透明度が高い淡水湖が40以上も存在。いつか自分だけのお気に入りの湖を見つけに行きたい。

国:オーストラリア
アクセス:シドニーから飛行機でハービーベイまで約90、そこからフェリーで約45分
備考:夏がベストだが冬である8〜10月はホエールウォッチングに最適。
この記事はGOETHE 2025年6月号「総力特集:楽園アイランド・ホテル」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら