祭りに参加すれば、地元の人たちと触れ合い、旅先をより深く理解できる。伝統的祭りからフェスまでユニークな祭りを月別に紹介する。【特集 エクストリーム旅】

【1月】藁クマ祭り|イングランド・ウィットルシー
次の収穫を願う麦わらパレード
麦わらで作った衣装を着た人々が、次の収穫を願い街を練り歩く。19世紀末には警察に禁止されていたが1980年より復活。

開催:1月頃
楽しみ方:街を楽団と一緒に練り歩き、疲れたらパブでビールを1杯。
【2月】バーゼルカーニバル|スイス・バーゼル
3日間踊りっぱなしの熱狂!
日が昇る前から始まり72時間ぶっ続けで行われるスイス最大のカーニバル。仮装はそれぞれ自由にテーマを決める。

開催:2月または3月
必要なもの:楽団の独特のリズムに合わせて踊れるリズム感。
【2月】オレンジ合戦|イタリア・イブレア
オレンジを投げて生まれる友情
イブレアの街のカーニバル、最終日3日前から行われる「オレンジ合戦」。馬車に乗った人に向かって大量のオレンジを投げ続ける。

開催:2月頃
楽しみ方:祭りが終わったあと、地元民と一緒にオレンジの残骸を片づけ、交流を。
【2月】マモイアーダのカーニバル|イタリア・マモイアーダ
太古より続く儀式
生と死、善と悪を象徴する化身として黒いマント、仮面を被って村を練り歩く。陽気なカーニバルとは違い、荘厳な雰囲気が漂う。

開催:2月頃
準備:紀元前1600年頃からある祭りのため、村の歴史を事前に知っておくとベター。
【3月】ホーリー祭り|インド・ほぼ全土
誰も彼もみんなカラフル
カラフルな粉や水をかけ合い、春を祝うヒンドゥー教の祭り。誰でもかまわず粉をぶっかけ合う様子は、愉快な無礼講の極み。

開催:2024年3月25日
準備:とにかく汚れるのでスマホなどの電子機器はビニール袋に入れること。
【4月】ベルタン火祭り|スコットランド・エディンバラ
春が来たからはしゃいじゃう
4月から5月にかけて、街を見下ろすことのできる丘の上でたいまつを持って舞い踊る。春の訪れと豊穣を喜ぶ古代からある祭り。

開催:2024年4月30日~5月1日
楽しみ方:会場のカールトンヒルから夜景も美しく見渡せる。
【5月】チーズ転がし祭り|イングランド・ブロックワース
なぜ人は転がりたがるのか
丸いチーズを丘の上から落とし、人々が転がりながら追いかける祭り。毎年怪我人が続出、丘の下には救急車があらかじめ待つ。

開催:2024年5月27日
楽しみ方:景気づけに転がる前にチーズをつまみにパブで飲む。
【5月】猫祭り|ベルギー・イーペル
3年に1度、世界の猫好きが集結
かつて魔女狩りの一環で殺された猫を追悼、猫の仮装をした人々や、猫山車が街を練り歩く。猫のぬいぐるみのキャッチイベントも。

開催:2024年5月12日
豆知識:大聖堂から投げられる猫のぬいぐるみをキャッチすると幸運が訪れる。
【6月】ネイキッドバイクライド|イングランド・ロンドン
真っ裸でも今日は捕まらない
裸で自転車に乗り、ロンドン中を集団で走るイベント。2004年に環境保護などを訴える人々が発起。今は愉快なパレード化。

開催:2024年6月8日
豆知識:Time Out誌がこの祭りを「年1回しかないなんて残念」と絶賛。
【6月】エル・コラチョ|スペイン・カスティージョ·デ·ムルシア
赤ちゃんの上をジャンプ!?
悪魔に扮した男が、赤ちゃんの上をジャンプしながら走るという伝統行事。飛び越えられると悪魔を払うとされている。

開催:2024年6月2日
豆知識:一見危ないようだが赤ちゃんが怪我をしたという記録は400年で一度もない。
【6月】グラストンベリー|イングランド・ピルトン
どうせ行くなら世界一のフェスへ
約110万坪の農地に60以上のステージを設置し、世界の音楽家を招集。5日間行われる世界最大規模の野外音楽フェスティバル。

開催:2024年6月26日~30日
必要なもの:テント、寝袋、折りたたみイス。5日間歩き続ける体力。
【7月】保寧(ポリョン)泥祭り|韓国・保寧
大人だって思いっきり泥遊び
ミネラル成分が豊富な保寧市の干潟の泥を、参加者みんなでかけ合い、泥まみれになる祭り。外国人観光客も近年多く参加する。

開催:2024年7月19日~8月4日
必要なもの:汚れてもいい服、童心。
【8月】バーニングマン|アメリカ・ネバダ
アートは極限でこそ花開く
砂漠に衣食住に関するものを持ちこみ、周りと交流しながら生き抜く1週間。この間多くのインスタレーションが作られる。

開催:2024年8月25日~9月2日
楽しみ方:ギリギリの状態をどこまで楽しめるのか、自分を知ること。
【8月】エディンバラ・フェスティバル・フリンジ|スコットランド/エディンバラ
全芸人憧れの芸術祭
大道芸を中心に、プロアマ問わず、芸人たちが約3週間、街中で芸を披露し続ける。街の劇場もこの期間さまざまなプログラムが。

開催:2024年8月2日~26日
楽しみ方:古い街並みを見て回りながら芸を堪能。
【9月】レガータ・ストリカ|イタリア・ベネチア
水の都が熱く燃える
ベネチアの船の祭り。豪華な船のド派手なパレードから、地元の人たちが燃える、手に汗握るボートレースまで楽しめる。

開催:2024年9月1日
注意:この時季のベネチアは非常に混むので宿の予約は早めに。
【9月】携帯電話投げ国際大会|フィンランド・サヴォンリンナ
ぶん投げたい日も確かにある
携帯電話をどこまで投げられるかを競う国際大会。投げる電話は主催者側が用意したもので、自分のものを投げるのはルール違反。

開催:2024年未発表
豆知識:野球経験者は記録を出しやすい。
【10月】放牧祭|スペイン・マドリード
大都会が羊だらけに
冬に北部の羊飼いが羊たちを暖かい南部に移動させることにちなみ、羊飼いがマドリードの街中を1,000頭以上の羊を連れて歩く。

開催:2024年10月後半
注意:モフモフに触ってもいいが、怖がらせないこと。
【11月】コムローイ祭り|タイ・チェンマイ
空に舞う5,000以上のランタン
満月の夜、紙でできたランタンを空に飛ばし川の恵みに感謝する儀式。夜空にたくさんのランタンが舞う光景は幻想的。

開催:2024年11月15、16日
豆知識:『塔の上のラプンツェル』のワンシーンのモデルになった。
【11月】オムレツ祝祭|アメリカ・ルイジアナ
巨大オムレツに溺れたい
1985年から続く、5,000個以上の卵を使って巨大オムレツを作る祭り。卵の早割りコンテストなどのイベントも目白押し。

開催:2024年11月2、3日
必要なもの:卵に含まれるコレステロールに耐えられる健康体。
【12月】バーニング・ザ・クロックス|イングランド・ブライトン
夜の長さを味わう日
手作りのランタンを掲げ海までパレード。浜辺に着くと花火が上がる。陽が短い季節、暗さを楽しむための祭りだという。

開催:2024年12月21日
注意:最後は冬の浜辺で花火観賞となるので暖かい格好で参加を。
この記事はGOETHE 2024年4月号「総力特集:エクストリーム旅」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら