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GOLF

2024.07.06

世界ランク1位・シェフラーのウィークグリップでフェースを開閉するスイングは間違っていないのか!?

今回はウィークグリップでフェースを開くスイングを紹介する。【連載・吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】

ウィークグリップでフェースを開く独特なスイング

現在、PGAツアーで最も勢いに乗っている選手といえば、スコッティー・シェフラーだ。2024年シーズンのシェフラーは2009年のタイガーウッズ以来の6勝を挙げ、2年ぶりのマスターズ制覇も成し遂げた。

今シーズン8試合ある高額賞金の試合では4勝して勝率5割を達成するなど勢いはとどまることを知らず、世界ランキング1位の座はしばらくの間は安泰と思われる。

シェフラーのスイングは他の選手と比べて独特だ。

アドレスで左手の甲が目標方向を向くウィークグリップでクラブを握り、スイング中のフェースの向きはオープン気味。そして、インパクトからフォロースルーにかけて右足を少し後ろに引く特徴的な動きをする。

最近のスイングのトレンドとして、重心距離が長いクラブの影響からフェース面を開閉しない傾向があり、フックグリップでフェースを閉じてスイングする人が多い。

このようなスイングでは、トップでフェース面が空を向き、クラブフェースの向きを変えずに体の回転でインパクトする傾向がある。

このようなスイングはシェフラーのスイングとは真逆の打ち方だが、シェフラーのスイングが間違っているわけではない。

人それぞれの骨格や体の使い方によってスイングが変わるため、ウィークグリップでフェースを開閉したほうがスイングしやすい人もいる。ウィークグリップのほうが握りやすいという人は、シェフラーのスイングを参考にするといいだろう。

だが、シェフラーの右足を引く動きは無理に真似する必要はない。彼が右足を引くのは、ダウンスイングで目標方向に左腰が流れるクセがあるため、右足を引いてバランスを取っているため。

ボーリングでボールを投げるときや、アイスホッケーでパックを打つときも同じように右足を引くが、それと同じように右足を引くことで体全体のバランスを取っているのだ。

早めのリリースでヘッドを走らせる

シェフラーのようなウィークグリップでフェースが開き気味のスイングをするときに重要になるのは、クラブのリリースのタイミングだ。

ウィークグリップでは、クラブを早めにリリースして、ダウンスイングからインパクトにかけてクラブフェースを閉じる必要がある。

クラブフェースを閉じる際に「フォロースルーで手を返す」と教えるケースがある。

「両腕が交差するように手を返す」と教わった経験があるかもしれないが、クラブが適切に動いてリリースができていれば、フォロースルーで手は自然と返る。

フォロースルーの動きを気にする前に、ダウンスイングの適切なクラブリリースの動き身に付けるといいだろう。

シェフラーを指導している名コーチのランディ・スミスがリリースの動きを覚えるのに有効なドリルを紹介している。

両手を少し離してクラブを握り、左腕が地面と平行になるテイクバックのポジションから、クラブが地面と平行になる高さまで何度か勢いをつけてクラブを振り下ろすシンプルな動きのドリルだ。

このドリルでスミスは、クラブが地面と平行になった時にシャフトがしなるように、体全体でクラブを振り下ろすことを指導している。

右腰あたりでシャフトがしなるように振るためには、体を使いながら手首も柔らかく使う必要がある。

右ひじを絞ったり、手首を固めてリリースができないと、シャフトが地面と平行になった時に体が右に傾いて不自然な体勢になってしまう。この練習を行うことで、体全体でクラブをリリースする動きを身に付けることができるのだ。

早めにクラブをリリースすれば、それだけインパクトに向かってヘッドが走り、フェース面がスクエアになってインパクトでボールを捕まえることができるようになる。

注意点としては、手先だけでクラブをしならせようとしてアーリーリリースにならないようにしてほしい。左足の踏み込みとセットでダウンスイングを行い、あくまでに手首やクラブは自然とリリースされている状態になるのが理想だ。

ウィークグリップでリリースを早める必要がある人は、この練習を取り入れることをお薦めするが、フックグリップでリリースが遅いスイングタイプの人はこの練習をすることでボールが左に曲がるようになる可能性があるので注意が必要だ。

ウィークグリップでスイングが安定しないという人は、シェフラーのスイングを参考に改善に取り組んでみてほしい。

動画解説はコチラ

■連載・吉田洋一郎の最新ゴルフレッスンとは
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

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TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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