今回はパッティングのテンポについて。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】。
パッティング成功のカギはテンポ
グリーン上でパッティングをする際、さまざまなことに気をつけながらストロークをしていると思う。
ヘッドを真っ直ぐ引くことや、肩の回転を意識することなど、人それぞれパッティングストロークの際に意識するポイントがあるだろう。いつも気をつけていることに加えて、今回ご紹介するテンポを意識することで、パッティングの再現性が高まるので試してほしい。
リズムとテンポは混同しやすいが、リズムは周期的な動きや進行の調子で、テンポはそのパターンの速さになる。スイングにおいて説明すると「イチ、ニ、サン」と調子を取るのがリズムで、その動作間の速さがテンポとなる。
パッティングストロークのリズムは一般的に「イチ、ニ」の2拍子がいいとされるが、テンポを一定にしてストロークすることが重要だ。
「イーチ、ニ」のようにゆっくり引いた後に、打ち急いで強くボールを打ってしまったり、逆に「イチ、ニーイ」のように、サッと後ろに引いてインパクトで減速をするなど、テンポがバラバラになると距離感を合わせられない。
ストローク動作が問題なくても、テンポが乱れることでミスパットの原因になる。
インパクトにかけて減速してしまうと、いわゆる「緩む」という状態になり、フェースが開きやすい。そのため、ボールをプッシュしやすくなり、思った方向にボールを転がせなくなるうえにボールの転がりも悪くなる。よいストロークをしようとパターや体の動かし方を意識しても、テンポが乱れるとせっかくの努力が水の泡になるので気をつけたい。
口ずさみながら自分のテンポをつかむ
パッティングのリズムは人それぞれだが、「イチ,ニ」で打つことを推奨している。
バックストロークを始動するときが「イチ」で、インパクトが「ニ」というイメージだ。「イチ、ニ、サン」でも構わないが、切り返す「ニ」のタイミングを意識しすぎてしまうと力が入りやすいため、切り返しを意識せずにすむ「イチ、ニ」がお薦めだ。
パッティングストロークのテンポを身につけるお薦めの練習方法は、シンプルに「イチ、ニ」と口ずさみながらストロークをしてみること。
ストロークの最適な速度は人によって異なり、速いテンポが打ちやすい人がいれば、ゆっくりとしたテンポがしっくりくる人もいる。「イチ、ニ」というリズムを口ずさみながら、自分に合った速度を見つけよう。人にとって心地よいテンポは、自分の歩く速度だとも言われる。テンポをうまくつかめない人は自分の歩く速度を基準にしてみるといいだろう。
ストロークの振り幅の大小にかかわらず、常に同じテンポでストロークすることも重要だ。
ロングパットではゆっくり振りたくなるかもしれないが、テンポを遅くすると必要以上に振り幅が大きくなりタッチが合いづらくなるので、振り幅によってテンポを変えないようにしてほしい。
リズムを口ずさむ練習を繰り返し、テンポが一定になったらコースでも同じようにストロークできるようにしよう。実際に口に出さなくても、心の中で「イチ、ニ」と唱えながら一定のテンポでストロークをすることで安定したパフォーマンスが発揮できるようになる。
ストロークのテンポが身につくと、打ち急いだり、インパクトで緩んだりすることがなくなり、パッティングの方向性や距離感が安定するはずだ。打ち方を変える必要がなく、誰でも取り組めるので、練習やラウンドで取り入れてみてほしい。
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■連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。