ゴルフ歴1年でなんと70台に突入した大塚友広さんのゴルフ論を紹介した書籍『ゴルフはインパクトの前後30cm』。そのメソッドの一部をまとめて振り返る。
第一回 スイングの最適化とは?
野球を始めた少年がいるとしましょう。その少年が初めて練習に参加したとき、まずはキャッチボールから始めます。そこで指導者は何を教えるでしょうか。「相手の胸をめがけて投げるんだよ」が正解ではないでしょうか? 「肩を下から回すようにして、その次に肘を前に押し出して、顔の横あたりでボールを離して……」と教える指導者はおそらくいないでしょう。
ゴルフを始めるとき、グリップはこう握って、テイクバックはこうやって、身体の軸をブレさせずにボールを上から叩くように……。こんな指導を受けた人は多いでしょう。ここにゴルフを始める際の矛盾があります。形から入ると、その後の成長が阻害されるどころか、ある程度成長しても必ず悪いスパイラルに引き戻されてしまいます。
人間、とくに大人は、それぞれ体形、体重、身長、ボディバランス、手のひらの大きさ、指の長さ、すべてが違います。決まった形を入れると、それは自分に最適化されたスイングにはなりません。それを防ぐには、“初めから”自分に合ったスイングをつくっていく必要があります。成長を阻害せず、スイングが安定するのを早め、どんな環境においてもベストスコアを残すために必要なことなのです。
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第二回 本当の「スイング軸」のつくり方
大前提でお伝えした《インパクトの前後30センチ》、ここをスタンスと平行にラインを引くということをつねに意識したうえで、次に考えることは「軸」です。
ここでは、背中から一直線に軸をつくることや、2軸でスイングをつくるといったことは頭から外してください。結果として、1軸がベターだと考えていますが、それはあくまで結果論で、身体の軸をブレさせないという考え方を最初に頭に叩き込むのは間違っています。極端な言い方をすると、「1軸のスイングがいい」や「2軸で考えよう」などという考えはただのエゴにすぎないのです。
本当に必要なスイング軸は「目線」でつくります。
「背中から1本軸をつくって」という教えを聞いたことがありますが、それができないから多くのゴルファーが困っているのです。それは結果であって、実際にプレーする際に考えなければならない軸は別にあるのです。
さっそく解説していきましょう。
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第三回 スイングの「スタート」と「ゴール」の設定
今回の話は、スイングの最適化を図るために必要でありながら、ロングショットにおいては飛距離を上げるために欠かせない、「スイングの“スタート”と“ゴール”の設定」です。多くのアマチュアゴルファーは、スイングの「スタート」と「ゴール」をアドレス(振り上げる前)の状態に設定しています。アドレスの状態に身体を戻そうとすること自体は間違っていませんが、考えるべきは“スイングにおける”スタートとゴールの設定です。
インパクトを中心にとらえたとき、クラブ(ヘッド)の最加速点はボールを通過したあとの位置に設定する必要があります。インパクト通過後30〜50センチに最加速点、すなわちスイングの「ゴール」を設定し、そこから自然なフォロースルーにもっていく。インパクトの瞬間をゴールに設定しないということです。
そして、スイングの「スタート」は、テイクバックをして手が最も高い状態に到達したところ(トップの位置)に設定することが最も効率的です。アドレスの状態をスタートに設定すると、どうしてもそこに戻ってくる場所を最加速点にしたがるのが人間です。それでは、ボールが飛ばないばかりか右に出てしまう、もしくはスライスになってしまう確率がとても高くなります。野球経験などがあるスイングの速いゴルファーがスライサーから抜け出せない理由はここにあります。
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Tomohiro Otsuka
群馬県富岡市生まれ。メンタルヘルステックサービスを展開するラフール執行役員。AJGAアジアジュニアゴルフ協会理事兼GM。HED法人営業デジタル化協会理事。富岡製糸場の世界遺産プロジェクトに公募による民間登用で観光マネージャーに就任。その際にゴルフを始める。独学でゴルフ理論を構築し、1年でベストスコア70台前半に到達する。オンラインゴルフコーチング「Natural Works Golf」も主宰している。