ファッションからアートまで多くの“価値”を生みだす世界二大都市、ニューヨークとロンドン。日本ブランドおよび「Made in Japan」製品への高い信頼を、ニューヨークで活躍する目利きの選者に聞いてみた。【特集 日本のハイブランド】

The Armouryグループ リテールディレクター。J.PRESS USAを経て2018年より現職。生粋の服好きとして知られ、その審美眼と装いへの情熱は、かつてテキスタイル業を営んでいた家族から受け継がれたもの。前回の東京出張では、デニムを買うために上野のアメ横近くに宿を取ったほど日本ブランドに心酔。
ニューヨークにおいて非常に高い「Made in Japan」の評価
アーモリーでは日本のなかでも最高峰のもの作りを行うブランドと協業しています。日本のパートナーが提供するデザインと職人技は世界でもトップレベル。厳格な品質管理、精度へのこだわり、そして世界各国の製造伝統への深い敬意も感じられます。確かな審美眼を持ち、目が肥えたアーモリーのお客様もその評価に共感してくれているのです。
職人ひとりひとりはもちろん、大規模な工房にいたるまで、クラフツマンシップを重んじる日本の姿勢は、アメリカだけでなく、北米やヨーロッパでも広く認知されています。
日本には成熟した「アメリカントラディショナルスタイル」がある
アパレル業界に長く勤めている私にとって、真っ先に思い浮かぶ「Made in Japan」は、世界最高峰といえるデニム、卓越したレザーグッズ、そして成熟したアメリカントラディショナルスタイルです。アメリカでは常に新しい国際的トレンドに流されがちですが、日本では本来のアメリカンスタイルをきわめて高い水準で表現した服作りが行われており、場合によっては本国アメリカを凌ぐことさえあります。
私の親しい友人でもあるテーラーケイドの山本祐平氏は、ミッドセンチュリーの「アイビーリーグ・スタイル」を深く理解し、アメリカ文化のなかでそのスタイルが果たしてきた役割まで熟知していることが、仕立ての完成度からもわかります。
「ベーシック回帰」の流れのなかで今、ニューヨーカーが求めるもの
近年のベーシック回帰の流れのなかで、ニューヨークのお客様は、最高品質のジーンズ、Tシャツ、そしてネイビースーツを求めています。すでにそれらの多くは日本で作られており、その価値は今後も確実に広がっていくはず。
アーモリーでは定期的に日本やヨーロッパから一流の靴職人や仕立屋を招き、トランクショーを開催しています。単なるセレクトショップではなく、職人と顧客をつなぐ架け橋として、これからも良質な日本ブランドを紹介していけたらと考えています。
The Armoury
2010年に香港でMark ChoとAlan Seeによって設立されたメンズセレクトショップ。2013年にはニューヨークに進出し(現在はアッパーイーストサイドとトライベッカの2店舗)瞬く間にニューヨーカーや世界のウェルドレッサーたちの聖地となった。リングヂャケットやテーラーケイド、吉田カバンなど日本ブランドの取り扱い多数。
住所:168 Duane St, New York, NY 10013
TEL:646-613-7613
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この記事はGOETHE 2026年3月号「総力特集:日本のハイブランド」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら





