連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」。第39回は、繊細な手仕事が最上級のエレガンスを誇示するブチェラッティ。

人目を惹きつけてやまない繊細な手仕事に惚れ惚れ
イタリア・ミラノ発の老舗ジュエリーメゾン「ブチェラッティ」は、1919年の創業以来変わらずにハンドメイドによる彫金を続けており、世界中のセレブたちを魅了してきた。その象徴といえるのが、チュール装飾といわれる伝統的な彫金技術によるロゴモチーフだ。
「オペラチュール」コレクションのペンダントとピアスにも見られるとおり、放射状のパターンが刻まれ、このひとつひとつがすべて職人の手仕事によるもの。彫金されたイエローゴールドの光沢とオニキスとのコントラストに、ダイヤモンドの輝きが加われば、その存在感は身につける者に気品あるエレガンスを添える。ルネサンス建築に着想を得た独創的なクリエイションも、男の感性に磨きをかけてくれるだろう。

普段使いで上品さを奏でる、洗練さ際立つシンプル顔
豪華絢爛なウィメンズジュエリーに対し、ブチェラッティのメンズコレクションはすっきりとしたミニマルなデザインが特徴。一見すると装飾のないシンプルなブレスレットだが、よく見ると細かい溝が等間隔で刻まれている「マクリ」。手彫りで縦に溝を彫っており、その凹凸による反射が、他にはない光沢を放つ要因に。
素材はシルバーカラーのブレスレットはホワイトゴールドを、ブラックのものはホワイトゴールドにルテニウムを加えたものを、それぞれ採用。強い輝きではなく、洗練された淡い光沢で留めているため、どこか雄々しさすら感じさせ、装いにもなじみやすい。デイリーに身につけられるラグジュアリージュエリーとは、まさにこのことだ。

■連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」とは……
時にファッションとして、時にシンボルとして、またはアートに……。ジュエリーを身につける理由は、実にさまざまだ。だが、そのどれもがアイデンティティの表明であり、身につけた日々は、つまり人生の足跡。そんな価値あるジュエリーを紹介する。