連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」。 第30回目は、完成されたモチーフで多様な表現を披露するホーセンブース。
象徴的ゆえに変化するジュエリーの新たな姿
2005年にロサンゼルスでローンチしたジュエリーブランド、ホーセンブース。その名は、創業者ロバート・キースの祖先が乗船していた16世紀頃のオランダ商船に由来する。キースの経歴は、ジュエリー界においては異色である。プロスケーターであり、フォトグラファーでもある彼は、ことジュエリーデザイナーとして専門的な学びを得てきたわけではない。だからこそ、彼が自由な発想で生みだしたモチーフは、無限の可能性を示す。
それを象徴するのが船のアンカーチェーンをモチーフにした、ブランドのアイデンティティ「トライ・リンク」だ。リング、ブレス、バングルと、さまざまにサイズやシルエットを変化させデザインされる「トライ・リンク」は、そのアイコニックな姿で、急速に支持を広めてきた。
見た目の重厚感に反し、ラグジュアリーな素材使いも秀逸で、新作もすべて18Kゴールド。カナディアンダイヤモンドも相まってゴージャスでありながら、名門ジュエラーとは一線を画した、どこかストリートな面影がある。その絶妙なバランス感を見せるホーセンブースは、次世代ジュエリーを象徴するブランドといえる。
■連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」とは……
時にファッションとして、時にシンボルとして、またはアートに……。ジュエリーを身につける理由は、実にさまざまだ。だが、そのどれもがアイデンティティの表明であり、身につけた日々は、つまり人生の足跡。そんな価値あるジュエリーを紹介する。