連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」。今回は、技術こそがデザインであり、アートであることを証明した「ウェレンドルフ」。
機能するデザイン、ドイツ生まれらしい確固たるスタイル
創業1893年、ドイツ発のジュエラー・ウェレンドルフはファミリー経営を貫き、そして工房も国内に置き続けている。そこで継承される職人技によって、極細の18Kゴールド糸を編みこむことで金属とは思えない柔らかなつけ心地をもたらす、代表作「シルクコーデル」を完成させた。
内部が回転するリングも然り、ウェレンドルフのジュエリーデザインは高度な技術に基づいている。それはまさに、同じくドイツ発祥であるバウハウス的思想そのもの。技術を高めた結果、それがデザインやアートとなる。これほど語れるジュエリー、いや語りたくなるジュエリーは他にない。
見栄えとつけ心地、すべてに納得するジュエリーがここにある
ダイヤモンドをあしらったチャームつきネックレスの総称が「シルクコーデル」。その名のとおり、シルクのように柔らかくなめらかで、極細の18Kホワイトゴールド糸を螺旋状に巻き、さらに4本に束ねたものが「Comtesse」。このネックレスにつけられた伯爵夫人を意味する名は、言い得て妙だ。
同製法を用いつつ円状ではなく四角状に仕上げたブレスレットは、その名も「Embrace Me」。バネのような弾性を備えるとあって、つけ心地はまさにEmbrace=抱擁されているよう。エンドパーツにはダイヤモンドをひと粒。そのシンプルさが、ブレスレット本体への興味を引き立てる。
「It’s Easy」と名づけられたK18ホワイトゴールド製のリングは、内側がK18イエローゴールドになっており回転する。スムーズな回転を実現するために求められる精度は、1/100㎜単位。ブラックとグレーのエマイユ然り、この小さな世界に実に高度な技術が凝縮されているのだ。
■連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」とは……
時にファッションとして、時にシンボルとして、またはアートに……。ジュエリーを身につける理由は、実にさまざまだ。だが、そのどれもがアイデンティティの表明であり、身につけた日々は、つまり人生の足跡。そんな価値あるジュエリーを紹介する。