ロータスが名門と呼ばれる理由は、道なき道を歩んできたからだ。革新技術を次々と実現することで、F1で勝ち、素晴らしいスポーツカーをつくってきた。新たなチャレンジは、ハイパフォーマンスな電気自動車。新型「エメヤ R」は、世界最速レベルの高性能と、ため息が出るようなラグジュアリーを両立している。
愉悦に浸れるブランド初のハイパーGT
夏目漱石の小説『吾輩は猫である』に、こんな一節がある。
「始めて海鼠を食い出せる人はその胆力において敬すべく」
確かに、最初にナマコを食べた人の好奇心と勇気は尊敬に値する。いっぽうで、未知の世界の扉を開くことはエキサイティングな体験でもあったのではないか。ナマコを食べた人は嫌々試したわけではなく、脳内にドーパミンやアドレナリンが溢れたと想像する。
さて、F1を筆頭とするモータースポーツでの活躍や高性能スポーツカーで知られるロータスが、電気自動車の高級ブランドへと方向転換を図っている。その第一弾がSUVの「エレトレ」で、第二弾がここで紹介する4ドアサルーンの「エメヤ」だ。
ロータスの挑戦への反応は、まっぷたつに分かれている。ひとつは、ロータスの歴史と伝統を敬うあまり電気自動車に懐疑的な目を向ける向き。もうひとつは、ロータスの電気自動車って面白そうじゃん! と飛びつく向き。筆者は後者で、というのもロータスは、グラウンドエフェクトカーやアクティブサスペンションなど、ぶっ飛んだ技術でF1を牽引してきたゲームチェンジャーであるからだ。
「エメヤ」のコンセプトは「エレクトリックGT(グランドツアラー)」で、流麗なスタイリングのボディに、大人4人がリラックスできる室内空間を備えている。パフォーマンスは世界最速レベルであり、最高速度は時速256キロ。
特筆すべきはインテリアの設えで、英国伝統の上質なレザーと、タッチスクリーンに情報を集約した現代的なインターフェイスが共存しているのだ。もうひとつ、悪天候でも障害物を検知する運転支援装置や、充電残量や充電設備の位置からルートを提案する機能など、テクノロジーも最先端。
評価の定まった物事に乗っかるのは簡単だ。一方、未知のものに挑戦するのは漱石の言葉を借りれば胆力のある人。一番乗りするからこそ、ワクワク感が味わえるのだ。
LOTUS EMEYA R
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ロータス https://www.lotuscars.com/ja-JP/emeya