CAR

2024.09.03

フェラーリ初の4ドア4シーター「プロサングエ」で、京都~金沢~松本440kmを激走

フェラーリ初の4ドア4シーター「Purosangue(プロサングエ)」。“サラブレッド=純血”を意味する4ドアGTで日本を駆るフェラーリ・プロサングエ・ジャパン・グランドツアーに参加した。

走るフェラーリ「プロサングエ」

4人乗りで愉しむ、正真正銘スーパースポーツ

かつて英国貴族の子弟は、主にイタリアやフランスを目指して遊学する教育旅、グランドツアーで教養を深めたという。その精神を現代に体現する、京都から松本へと辿る約440㎞の旅路に参加した。

相棒となるのは2022年の発表後、近頃デリバリーが行われている跳ね馬初の新型4ドア4シーターGT、プロサングエ。フェラーリが“GT”と呼称する――。つまりグランドツーリングカーである。

1200年の歴史を持つ京都に凛と佇むプロサングエに飛び乗る。途中、狭道で対向車とすれ違うが2m超の車幅にもすぐに慣れる。壮大な琵琶湖をたどり、心地よいV12ノートを響かせ、海岸線と高速道路を結ぶと瞬く間に金沢へと到着。悪天候のなか迎えた初日は、安心のAWD機構を持つプロサングエの本領が発揮された。そして2日目、石川の千里浜で砂浜走行を堪能し、飛騨を抜ける山岳路へ。愛馬との対話を存分に楽しんだ。

驚くのは、普段のV12サウンドは意外にもジェントルなこと。さらに高速道路でも、峠道においても姿勢変化がなく終始フラットライドを保つから長距離移動でも、乗員4名に疲労を感じさせない点だ。

快適で紳士的な佇まいだが、やはりフェラーリ。スーパーカーの身のこなしで、鼻先の軽いプロサングエは、車重2t超を感じさせない。しかも手綱を引けば「エンツォ」からの流れを汲む6.5ℓ V12自然吸気の嘶きが鋭く轟く。出力725cvのパワーと同時に高回転まで一気に吹き上がる高揚感もまた堪らない。

絶景地を織り交ぜた折々のルートでは、地産地消の美酒美食、智を深める文化体験からゆったり過ごすラグジュアリーステイも。まさに古のグランドツアーを彷彿とさせる、知新をくすぐる旅となった。

快適性と多用途性を兼ね備えたオールラウンドスーパーカー、プロサングエ。ゲームチェンジャーたる、新GTカー像を見てとれた。

FERRARI PUROSANGUE

ユニークなAWD機構に加え、足回りには世界初のアクティブサスペンションシステムを採用。市販フェラーリで4人乗りモデルは数あれど、4ドアを備えるのはこれが初。後部ドアは電動ヒンジを持つ観音開き。左右独立式2座で、もちろん個別にリクライニングなどの調整が可能。“フェラーリ史上最大”と謳われる荷室容量は473ℓを確保。現実的にはリアシートを倒してゴルフバック2本と乗員2名というのがベストな使い勝手かもしれない。

フェラーリ「プロサングエ」の後部座席
<Specification>
全長×全幅×全高:4973×2028×1589mm
ホイールベース:3018mm
車重:2033kg
駆動方式:AWD
エンジン:6.5ℓ V12 DOHC
最高出力:725cv/7750rpm
最大トルク:716Nm/6250rpm
価格:47,660,000~

TEXT=ダニエル利樹(c3ec-creations)

PHOTOGRAPH=フェラーリ・ジャパン

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