圧巻の存在感を放つ絵画から彫刻、映像作品まで、さまざまな手法で作品を作りだす表現者たち。アート業界に新風を巻き起こす新進気鋭のアーティスト10人を厳選! 今回は、画家の三瓶玲奈氏を紹介する。【特集 アート2023】

自然界に実在しない線という存在を捉え直した『線を見る』。Courtesy of the artist, Yutaka Kikutake Gallery
観る者に世界の根源を教えてくれる絵画作品
一見すると抽象絵画かと思うが、見続けていると「ひょっとしてこれを描いたのでは」という事物や風景が立ち現れてくる。眺めているうちに刻々と印象が変わっていくのが、三瓶玲奈氏の作品の不可思議かつ興味深い点だ。
『色を見る』『線を見る』『熱をさわる』など、常に根源的なテーマを据えてそれぞれの絵を描いており、作家本人の内なる思考・観察が深まっていくごとに、画面にも変化が生じているのだろう。
モノを見ることそのものの愉しさを改めて教えてくれるような作品といえる。
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所属ギャラリー:Yutaka Kikutake Gallery
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画家
三瓶玲奈/Reina Mikame
1992年愛知県生まれ。抽象と具象の間(あわい)を行き来しながら、線、色、温度、光といった根源的なテーマを絵画内で追究。直近ではYutaka Kikutake Galleryにて個展「光をつかむ」を開催。©comuramai