圧巻の存在感を放つ絵画から彫刻、映像作品まで、さまざまな手法で作品を作りだす表現者たち。アート業界に新風を巻き起こす新進気鋭のアーティスト10人を厳選! 今回は、画家の水野里奈氏を紹介する。【特集 アート2023】

油彩とボールペンでダイナミックに描いた『万華鏡』(2022)。撮影:宮島径 ©MIZUNO Rina Courtesy of Mizuma Art Gallery
細密な筆致で描きだす色彩が病みつきになる
水野里奈氏の絵画と対峙すれば、観る側はきっと軽いめまいを感じてしまうことだろう。ビビッドな色彩に彩られた画面のなかに、細かいモチーフが無数に描かれ、視線が細部にまであちこちとさまよい出し、混乱を来すのである。
岩肌や花弁の描き方は日本画風なのに、びっしり描きこまれた紋様は中東のもののようにも見え、世界のありとあらゆるものがここに寄り集まっているのかと思わせる。それでいつまでも見切ったという気分にはなれず、いつまでも作品から抜けでてこられない感覚に陥るのだ。

大きさ194×521㎝のキャンパスに、精密なタッチで表現した『青い宮殿』(2019)。撮影:宮島径 / 高橋龍太郎コレクション蔵 ©MIZUNO Rina / Courtesy of Mizuma Art Gallery
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所属ギャラリー:ミヅマアートギャラリー
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画家
水野里奈/Rina Mizuno
1989年愛知県生まれ。油彩画をベースに国内外の描法やモチーフを取り入れながら独自の画風を生む。直近では新宿高島屋で個展「水野里奈『アトリエの景色』」を開催。