実力派シェフの新店で味わえるのは骨太なアラカルトと、薪火フレンチのコース。下町に誕生した話題の2軒で、気軽に美食を堪能したい。今回は、東京・小伝馬町の「Cheval(シュヴァル)」を紹介する。

骨太フレンチをアラカルトで満喫
小伝馬町の一角に誕生した「シュヴァル」のオーナーシェフ、小泉敦子氏は都内の名店で研鑽を積み、渡仏後はマンダリン オリエンタル パリでスーシェフを務めた経歴の持ち主。帰国後は「ティエリー・マルクス銀座」で総料理長として活躍し、沖縄での料理人生活を経て、2025年5月、小泉氏の地元・門前仲町に近い東東京で念願の店を開業した。
カウンター中心の店内は、シェフの手仕事を間近に感じられる臨場感が魅力。ワンオペながらメニューはすべてアラカルトで、「ひとくちパテとチョリソー」「アリゴ」といった定番フレンチから、地元を意識した「深川リゾット」まで揃い、肩の力を抜いて選べる楽しさがある。
メインの「ラカン産仔鳩のロースト」は、しっとりロゼ色に焼き上げられ、肝と合わせた黒ニンニクのピュレが旨みを深める。イタリア原産のローザビアンカ茄子やセップ茸など、季節感のある付け合わせも印象的。シェフの思い入れが強いボルドーの赤ワインと仔鳩は、格別の相性だ。デザートでは、季節ごとに表情を変える「リオレ」が見逃せない。
奇を衒(てら)わずに確かな技術で魅せる料理とワインを、日常の延長線で楽しめる一軒である。
Cheval/シュヴァル
住所:東京都中央区日本橋大伝馬町 12-20 Kkビル1F
TEL:03-3527-2442
営業時間:17:00~21:00
定休日:水曜、他不定休あり
座席数:カウンター8席、テーブル4席
料金:平均予算¥13,000
要予約 ※予約は予約サイトTableCheckより