食に対して圧倒的な情熱とこだわりを持つ秋元康、小山薫堂、中田英寿、見城徹が選ぶ、最強にして超最新レストランガイド「ゲーテイスト2025」。舌が唸り、心踊る「弩級の肉料理」から、今回は東京・渋谷の「FUSOU(フソウ)」をご紹介。

秋元「熟成牛にかける情熱が凄まじい。賛辞を込めて“変態”と呼びたい」
100年に一度と言われる大規模な再開発が進む渋谷で、肉好きの心をときめかせているレストラン。ドラマティックなエントランスを抜けた先に広がる美麗な食空間で、熟成牛にかける愛と才気に溢れるシェフが紡ぐコースを堪能したい。
秋元 渋谷の街並みも日ごとに変わってきていますが、桜丘側にできた渋谷サクラステージ内にとても素敵なレストランを見つけました。これは見城さんをお誘いしないと! とすぐに次の予約を入れたほど。
見城 薫ちゃんもヒデも地方で忙しそうだったから(笑)、ひと足お先に行かせていただきました。シェフは若いけれど、とても誠実な料理を作るよね。
秋元 自分でも“牛肉オタク”と言っているくらい肉にかける情熱を感じます。経歴も華やかですが、とにかく勉強熱心な方という印象。僕はアメリカンステーキハウスの熟成させたステーキが大好物なのですが、シェフは日本の黒毛和牛のなかでも経産牛やジャージー牛の熟成に注力していると仰ってました。
中田 熟成は店内でですか?
秋元 シェフしか入ることのできない熟成庫があるみたい。ステーキの熱源には溶岩石を使っていて、熟成牛の持ち味であるナッツのような香りがふわーっと鼻を抜けて、的確な手当てをするとこんなにも美味しい肉になるのかと衝撃でした。
見城「すごく丁寧におもてなしをしていただいたという気持ちになる」
見城 肉中心のコースだけれどまったく食べ疲れしないよね。特製カレーもコクがあっておかわりしたくなったよ(笑)。
秋元 ミニバーガーも遊び心があっていいですよね。数年前に熟成肉のブームがあったと思うのですが、シェフは流行りのテクニックとして熟成させるのではなく、牛肉の最大値を引きだすためのひとつの方法として、熟成技術をきちんと学んで実践しているというところも職人らしいなと思いました。
見城 個室もあって接待の場としても向いていると思うけれど、間違いなく場所に迷うよね。
秋元 最初はまるでダンジョンのようだと(笑)。でも、その先に感動的な美味体験が待っていると断言します。
この記事はGOETHE 2025年9月号「特集:陶酔レストラン ゲーテイスト2025」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら