GOURMET

2025.06.03

国賓も愛した老舗の進化。ニューオータニの庭園で味わう懐石料理「なだ万本店 山茶花荘」

季節の設いに品格が息づく空間で提供されるのは、伝統の技と研ぎ澄まされた美意識が響き合う懐石料理。歴史の風格を纏う名店で、日本文化の奥深さに触れたい。今回は、東京・紀尾井町の「なだ万本店 山茶花荘」を紹介する。

「なだ万本店 山茶花荘」の八寸
伝統的な「石垣寄せ」を現代的にアレンジした「南瓜チーズ寄せ」や、稚鮎、タラの芽、天豆、フルーツトマトのすり流し、鮑などを盛り合わせた八寸の一例。

庭園の眺めとともに楽しむ、不易流行の懐石料理

江戸時代の天保元年(1830年)に大阪で創業し、日本料理の伝統を守りながらも時代に合わせて進化してきた老舗「なだ万」。その本店は1974年、ホテルニューオータニの庭園内に移転。ホテルオーナーの大谷家の邸宅をベースとし、巨匠・村野藤吾による数寄屋建築が築かれた。

国賓や財政界の要人をもてなしながら歴史を重ねてきた名料亭は、2025年3月にはさらなる進化を遂げ、多様なニーズに対応するリニューアルを実施。例えば、昭和の三大書家のひとり手島右卿(てしまゆうけい)が揮毫した襖の書を見るために訪れる人もいる「葵の間」は、椅子席へと改装された。

日本庭園を眺めながら楽しめるのは、海外経験も豊富な新調理長・吉田武彦氏による懐石料理。「なだ万」のモットーである“老舗はいつも新しい”の精神を体現する八寸には、古典的な料理を丁寧に再構築した料理もさり気なく混じり、モダンなセンスと季節感に五感が刺激される。名物の「フォアグラ茶碗蒸し トリュフ餡」は、牛スネのコンソメや玉地の旨みが幾重にも重なる逸品で、ワインとも抜群の相性。

不易流行の精神が生みだす美味を、和の空間美とともに堪能したい。

なだ万本店 山茶花荘/Nadaman Main Branch Sazanka-so
住所:東京都千代田区紀尾井町4-1 ホテルニューオータニ日本庭園内
TEL:03-3264-7921
営業時間:11:30~15:00(13:30最終入店)、17:00~22:00(19:00最終入店)
定休日:不定休
座席数:44席(個室5室) 
料金:昼懐石¥33,000、本懐石¥50,160~
※完全予約制

TEXT=小松めぐみ

PHOTOGRAPH=田村浩章

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