東京のイタリアンが活況である。伝統を踏まえながら躍動する注目のレストランで“イタリアンの現在地”を体感したい。今回紹介するのは、「尾山台 山田」。

ピッツァの新しい可能性を拓く職人の技
薪窯の中で煌々(こうこう)と燃え盛る赤い炎。初めて訪れても不思議と心が安まるのは、カウンターのみの小体(こてい)な空間に大きな窯を備えた「尾山台 山田」ならではかもしれない。
これまでにないほどピッツァの新店が続々とオープンする東京で今、食通がこぞって足を運ぶピッツァに軸足を置くイタリアン。
オーナーシェフの山田拓史さんはイタリアンの名店でソムリエを務めるなかで、ナポリピッツァの草分け的存在「SAVOY」と出合い、その奥深さに開眼。ピッツェリアのほかに料理を学ぶため現在は神泉に店を構える「テアトロアッカ」でも働いた。等々力に自身の店を開いた後、ひとりでピッツァと薪を使ったイタリアンを出す店をと現在の場所へ。温和な人柄からは想像できないほど、その探求心はすさまじく“当たり前”を次々に刷新。
料理は1万2000円のコースのみだが、そのなかに登場する焼きたてのピッツァは1ピースずつ皿上へ。マルゲリータをはじめ、4種を窯焼きの一品料理と織り交ぜて提供する。500度の高温で焼き上げられるピッツァには類まれなる知恵と技が凝縮。一度味わえば、その“情熱の炎”に焦がれること間違いなしだ。
尾山台 山田/Oyamadai Yamada
住所:東京都世田谷区等々力4-12-14 1F
TEL:03-6805-9322
営業時間:17:00〜21:00の間に入店
定休日:不定休
座席数:カウンター9席
料金:おまかせコース¥12,000
Instagram:@oyamadai.yamada