東京のイタリアンが活況である。伝統を踏まえながら躍動する注目のレストランで“イタリアンの現在地”を体感したい。今回紹介するのは、東京・神泉の「ess.」。

ふたりの料理人が目指すイタリアンの高み
志をひとつに、同じ目標に向かって突き進む同志がいるのはとても心強いことだ。
2024年末、神泉にオープンした「ess.」は同世代のふたりのシェフが腕を揮うイタリアン。セクションを分けず、ダブルシェフ体制で営むレストランはなかなかめずらしいが、かつて同じ店で働き、互いの長所を理解し合う仲だからこそ、同じキッチンで切磋することが楽しいと口を揃える。
7品が登場するコースも用意するが、注力するのはアラカルト。なかでもふたりが得意とするパスタ料理は12種前後を揃えており、メニューを眺めながら、その日の気分で自分好みの“コース”を組み立てるのも楽しい。前菜の「馬肉とビーツのタルタル」など今どき感もありながら根底には、イタリアンの伝統や郷土性といった“本質”を重んじる心がしっかりと感じられる。パスタは全国から仕入れる旬の食材を盛りこむものと、イタリアの家庭料理として親しまれるポルペッティという肉団子と辛みのきいたンドゥイヤを組み合わせる“骨太系”も。
「イタリアンの着地点はしっかり守りながら10年先を見据えたレストランをつくっていきたい」というふたりの言葉に飛躍の期待が高まる。
ess./エス
住所:東京都渋谷区神泉町13-13ヒルズ渋谷B1
TEL:03-6455-1131
営業時間:17:00〜23:00
定休日:日曜、第1・3月曜
座席数:カウンター8席、テーブル8席(個室利用可)
料金:おまかせコース¥13,000
Instagram:@ess.restaurant